古代魔法
国王の私室。
「ランディ……なぜ貴様がいる!?」
「ニコ!?…生きていたのか!!…でもお前…どうしてそんなところに突っ立ってるんだ!?」
「……」
「ニコ君はね、動きませんよ。私の許可が無い限り。私の傀儡ですから」
「「傀儡!?」」
「えぇ、ご存じありませんか? 古代魔法『マリオネット』。テイムの元になった魔法です」
「「『マリオネット』!!??」」
「ご存じないようなら説明させていただきましょう。『マリオネット』は約500年に1度封印された魔法でしてね。使役魔法『テイム』は魔獣を使役する魔法に対して『マリオネット』は魔獣だけじゃない、あらゆる生物の使役が可能なのですよ」
「あらゆる……!! 人間もか!!?」
「もちろんですよ。だからニコ君がここにいるんです。説明はこれくらいでよろしいでしょうか?そろそろここへ来た理由を話してもよろしいでしょうか?」
「こちらから聞きたいことが山ほどあるんだ!」
「面倒ですね。ニコ君、もう理由を話してもいいですか?」
「……はい」
「どうも。それでは。ここへ来た理由は端的に言えばこの国を乗っ取ろうと思いまして。デレク君を傀儡にしに来ました。ということで『マリオネ
ここでホーナスがフレイジャーに飛びかかった。
それを見てフレイジャーは後ろへと下がった。
「そう言われてああそうですかと言う訳ないだろ」
「少し飽きてきたのですが。ニコ君、相手をしてやってください」
そう言うと今度はニコがホーナスに飛びかかった。
「ニコ!! 邪魔なんだ! どいてくれ!」
「……」
「頼む!! 何か話してくれよ!」
「……」
つばぜり合いをしながらホーナスは懸命にニコに話しかけた。
「ホーナス君はとても仲間思いなのですね。第1師団の皆さんを見捨てたくせに」
「……!!」
ホーナスが沈黙を貫いた。
「そうでしょう。第1師団は君以外全滅して、しかもそれは君が勇者にうつつを抜かして隊舎を空けた隙に起きたことではないか。これは見捨てたと言うのではないのかね?」
「…違う……違う!!」
ホーナスは体勢を崩し、ニコに吹き飛ばされた。
確かにその時ホーナスが隊舎にいれば全滅することは無かっただろうが冷静に考えればホーナスが第1師団の面々を見捨てたとは言い難い。ただ今のホーナスを動揺させるには1番効果的な言葉だった。
「いいや合っていますよ。そうです、あなたが第1師団を壊したんですよ」
「違う!!……ちがっ……うっ」
倒れているホーナスの腹にニコの刀が突き刺さった。
そしてこのタイミングでカートが到着する。
「ホーナス!! おいてめぇ誰だっ! てあれ? ニコ!? てかこっちはホントに誰!?」
「…カートか。すまない」
「いやぁ、いいんだ。下はウチのもんがどうにかしてくれてるぞ。で、後はこっちか。ニコは何してんだ? おい」
「……」
「お前も喋らねぇか」
「?? あぁ、下の皆さんに会ってきたんですよね。そうですよ、からくりは一緒です」
「そうかそうか。じゃあお前をぶっ殺せば万事解決って事だな?」
「まぁそうですね。でもそう簡単にはいきませんよ。ニコ君」
「……」
ホーナスの腹から刀を抜き、カートと向かい合った。
「まずはニコからだな! さ、かかってこいや!」
カートは背負った槍を手に取って仰々しく構えた。




