はずれ
翌日明朝、アルト本部前。
「ここだな」
「意外とこぢんまりしてんな」
「それはそうなんだけど…なんだか活気が無いわね」
「そうだな。規模は相当デカいと聞いているのだけれどな」
「?? お前ら何してんだ? こっちは封印竜がいる場所ってあれ? アルトの本拠地? ここって?」
「「「フレディ!?」」」
「封印竜の痕跡たどってたらここに着いたんだよ。でも考えてみればここにいるのが一番自然だよな~」
「その可能性は分かってたけどよ」
「わしらが驚いてるのは速さの方だ」
「なんで一直線に向かった私たちに追いついてるのよ。で、もっと言うとなんで誰も息一つ切らしてないのよ。いや、みんな気疲れはしてるみたいね」
「目が回ってるみたいだわホント」
「大丈夫? ミア。休憩時間は無いわよ。もう敵は目の前だからね」
「えぇ。分かってる」
「じゃあ封印竜がいたとき用の作戦はいらなくていいんだな? おいら達の負担が減るぜ」
「まぁそうだな。それで6師団とも合流することになったわけだが、フレディも作戦聞いておくか?」
「いいよめんどくせぇ。こっちで勝手に合わせる。いつもこんなもんだろ」
「じゃあもう話すことは無いわね? さぁ、さっさと行きましょ。そしてさっさと帰りましょ」
「そうだな。よぉし、ここはわしが」
「だめよ。こんなところで大声出したら敵にバレちゃうじゃない。それじゃあみんなー行くぞー」
「「「「「「お、おーー…」」」」」」
「わしの専売特許が……」
「キモいぞおっさん。さき行ってんぞ-」
バキィィィィ!!!
アルト本部の方から木が折れたような乾いた音がした。
王国軍の全員が一点に集中する。するとアルト本部から羽が生えた。
「あの羽……」
前に見た封印竜の羽と全く一緒だった。
「よぉし来たな、封印竜! 行くぞお前ら!」
封印竜はアルトの建物をぶち破りフレディ達に襲いかかる。
「わしらも戦闘準備だ!」
「「「「「「はい!」」」」」」
封印竜とフレディの初撃がぶつかる。アルトの本拠地は完全に吹き飛び、周りの建物も崩壊した。第6師団の者達も吹き飛ばされ早々に両者の独壇場となった。
「ちょっと! こんなんに入る余地なんてある!?」
「ありませんよ。こうなっては見るだけでしょう」
「私が来た意味って」
両者の攻撃がぶつかる度、建物の被害が増えていく。そうして辺りが更地になっていくほどにアルトのメンバーが誰もいないことが浮き彫りになっていく。
「なぁ。さっきの話でよ。活気が無いどころか。人っ子一人いなくねぇか?」
「そうね。まさかバレていた? 私たちの作戦が」
「だとすればやつらは今どこに?……まずい! 陛下が危ない!」
「おいら達は馬で先に戻ってる! ミアちゃん! おいらたちは戻るから戦いが終わったらフレディにも伝えおいてくれ!」
「わ、わかった」
城下町の外れ。
「封印竜は流石だね。こんな大きな穴ができてる……お、早かったな。色々と助かるよ。ニコ君」
「……」




