vsフレディ
城下町の外れ。
「おらおらおらぁぁ!」
フレディが来てからの戦況は王国軍側が相当有利になっていった。
「よぉしもう一丁!っておい、逃げるのかよ」
「撃退したぞぉぉ!!!」
「やるじゃねぇか! フレディ!」
「流石ジャンセン王国遊撃部隊団長だな!」
「それって褒めてるの? でも、助かったわ」
「いや、俺はよぉ、もっとさぁ、何だよ! うるせぇなぁ!」
「なんですかこれは。もう戦いは終わったのか?」
「そのようですね。こんな早く終わるとは…ってえぇ!? 団長!? なんでこんなところに!?」
「おぉ! ジェシー! とアレックスだったか? ホーナスんとこの」
「アレックスか。遅かったな」
「団長が速いからですよ! いつもはこんなんじゃないのに、いや、それよりもう終わったんですか!?」
「あぁ、大方はフレディがなんとかした」
「凄まじいですね」
「あいつはそんなもんだ。気にしてると逆に気が持たん」
「そ、そうですか」
数人の犠牲を出したものの、封印竜の撃退には成功し、皆のテンションは高揚していた。フレディとミアを除いて。
「さっさと帰ろ」
翌日、ミアの部屋。
ミアはベッドの上で横たわっている。
「ヘンドリクス様がいらっしゃっていますが通してよろしいですか?」
「ホーナスが? 今日は体調が悪いから無理って言っといて」
「そうは言われましても流石に……分かりました…」
そう言ってサリーはドアの方に向かう。
「……本日はミア様の体調が優れなくてですね……それで……え!? ちょっと待ってください!」
「入るぞ、ミア。体調が優れないそうだな。今日はフレディが行ってきたアルトの調査について会議があるからミアにも知らせようと思っていたがその調子じゃ出席は無理そうか」
「え、えぇ……というか入ってきちゃったのね。まだサリーの話は途中だったのに」
ホーナスは近くの椅子を引っ張ってきてミアのベッドの横に置いて座った。
「あの時も言ったが最初は皆そういうものなのだ。気に病む必要は無い。大丈夫、ミアは頑丈なんだろ?」
「何なのよ! 揚げ足取りにでも来たの!? あのときはああ言ったけど正直怖いよ! 元いた世界じゃ私は戦争とは無縁だったしこっち来てからもいつかはあるかもしれないと思っても現実的には考えてなかったし。生まれて初めて人の死体を見てさ、死んだ人の匂いが漂ってきて、ただれた皮膚から骨やら臓器が見えて、おまけに目も合うし。どうしたらいいの!? 私はいつ殺されるの!?」
「……殺されることは無い。俺が必ず守ろう」
「守るって? どうやって? あなた王様の護衛が仕事でしょ?」
「……ミアも陛下も守る」
「陛下様の護衛でしょ? そんなの片手間じゃだめじゃない」
「……どちらも完璧にこなそう」
「出来るの??」
「……あぁ」
「ホントに??」
「出来ると言っているだろ!」
「…………何よ」
「……すまない。でも…心配なんだ、ミアが。いきなり見ず知らずの場所に連れてこられ、『君は勇者だ』なんて言われてこれから戦場に送り込まれるんだぞ! 俺はミアに戦場へ行って欲しくない。ずっとこの城でいつまでもひっそりと暮らしていればと今も願っている…………なぁ…俺はどうしたら良い?」
「…………知らないわよ、そんなの」
「……そうだな。聞いて悪かった。もう時間だ。行ってくる」
2人とも理解を示しきれていないまま時間切れとなった。
「なんなのよ…もう……あいつ……」
今回の会議でフレディからアルトの本拠地、アルトがジャンセン王国を狙っているということ、封印竜との関連性が報告された。このことよりジャンセン王国がアルトを本格的に鎮圧することを決定した。そしてこの鎮圧戦がミアの初陣となることが決まった。
最後までミアの戦場行きを反対したのはホーナスただ一人だった。




