封印竜? 自己紹介もさせて
「どういうことだ! ミア! 封印竜だと!?」
会議室に戦慄が走る。
「私だって知らないわよ! 超でっかいドラゴンがいたとしか聞いてない!」
「あのバカ…しょうがない。無事で良かった。フレディには後で詳しいことを聞いてくる」
「新たな問題だな……とりあえずこの件はバリーに任せておく」
「あいわかった」
「今日はもう解散にしよう。だが近いうちにもう一度会議を開くことになる。そのときもおそらく非公式になる。以上だ」
そう言って国王は従者を連れて会議室を去った。
「陛下も相当焦ってるっぽいねぇ。まぁでもおいらの範囲外だからな。みんなに任せるわ。じゃ、俺も帰るわ」
「待ってくれ、皆をミアに紹介したい。流石に団長の顔と名前くらいは覚えておいてもらった方が良いはずだからな」
「あー、まぁ……そうだな?」
なぜか理解していない男から自己紹介が始まる。
「そいじゃ、改めまして。おいらはカートブラッソウだ。第4師団の団長をやってて、騎兵を担当してる。まぁ、何だ、よろしく! 暇になったらうちにきな! 乗馬体験させてやんよ」
パチパチパチ……
「次はわしが。バリーウィリアムズだ。白兵を担当する第5師団の団長をしている。そうだな、確かに言うことねぇなぁ、ハッハッハッ! カートが困るのも分かるな! 自己紹介なんて慣れてないんだ。こんなもんで許してくれ。な?」
「あ、はい。ありがとう」
パチパチパチ……
「??……次は?」
「お前だ。拍手してるのもお前だけだ。まずミアの為の自己紹介なんだからお前は拍手しなくていいんだ」
「あ!私か。何よ! お前お前うるさいのよ! 分かってるって!」
「えーーっと、リリアンサドラーよ。リリーって呼んで構わないわ。第3師団の団長をやっている。担当は魔法部隊よ。魔法について質問があったら、たまには聞いてあげるわ」
「質問してだってよ」
「アイツやるな~」
カートとバリーはリリーをクスクス笑いながらおちょくる。
「んもぅ…良いじゃない別に! たまにだし。た・ま・に!」
「うるさいぞ。あーやはり俺から紹介しておけば…まぁいい。帰りたかったんだろう?カート。さっさと帰ってくれ」
「えぇ~何だよ~。良いじゃんこっちもテンション上がってきちゃってよ。もーちょっとミアちゃんと遊びたいんだよ~」
(なんだかんだで団長さん方は仲いいのね。でも……)
ここまで仲の良い団長達が同じ団長であったニコ・ベルの死を悲しんでいるようには見えない。
「ねぇ、ニコさんの死はどうなの? 仲良かったんじゃないの?」
「まぁ、仲は良かったかな」
「そういうことを聞きたい訳じゃないんじゃないか、カート。なぁミア。わしら戦士はな。仲間の死がつきまとってくるもんだ。いちいち悲しんでいたら時間がいくらあっても足りん。だがな」
バリーの目つきが変わる。
「仲間を殺されて復讐の一つせずに見逃すほど優しくもないんだよ」
「ニコをやったことを後悔させてやるぜ」
「えぇ、そうね。魔力波追跡装置も出来れば回収したいし」
「そうと決まったら部下の稽古でもつけてきたらどうだ? いつ戦争が始まるか分からないぞ」
「それもそうだな。ってことでミアちゃん」
「「「それじゃ」」」
「みんな凄い人ね。私誤解してた」
「性格はアレだがそんなことを気にする連中ではない。だからミアも気にするな」
「そうかもね。ありがと」
第6師団隊舎内地下倉庫。
「殺しアリの単独任務か……良い仕事が回ってきた。感謝するぜ、ニコ。さ、一度拠点に戻るか。ここだけじゃ装備が足りないな」
不敵な笑みを浮かべ準備を進めるフレディ。
ここではない拠点に向かうらしい。




