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Vの者!~挨拶はこんばん山月!~  作者: サニキ リオ
第三章 ~バーチャルとリアルのはざまで~
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【3D化配信】みんな、私のピアノを聞けー!

「というわけで、二人共今日はよろしくねー!」


 ついに林檎の3D化配信の日がやってきた。

 三期生の3D化トップバッターだというのに、林檎はいつもと変わらず飄々とした様子で、動きを3Dモデルに反映させるための装置を身に着けていた。

 今回の3D化配信において同期であるレオと夢美もゲストとして参加することになっていた。

 レオは渡された楽曲に目を通して、林檎にジトっとした視線を向けて尋ねる。


「……ちょっと待て。よりにもよって何でこの曲なんだ」

「えっ、バラギチョイスだけど?」


 ねじ切れんばかりの勢いでレオが夢美の方を向くと、夢美はこひゅっ、というお粗末な口笛を吹きながら明後日の方向を向いていた。

 そんな夢美の様子にレオはため息をつくと、口元を歪めて肉食獣のように獰猛な笑みを浮かべた。


「……まあ、いいや。手伝う以上は本気で歌う――ついて来れるか?」

「にひひっ、レオの方こそ、ついてきやがれー」


 有名なアニメのセリフでやり取りをすると、レオと林檎は笑い合った。


「……随分と楽しそうね」


 そんな中、暖かい空気を吹き飛ばすような底冷えする冷たい声が聞こえてきた。


 それは林檎、いや手越優菜の母、内藤郁恵のものだった。


「マ、ママ……」


 一瞬にして林檎の血の気が引く。


 どうしてここに?

 パパが食い止めてたんじゃ……。


 恐怖に思考が止まる林檎に、横にいた亀戸が安心するように声をかけた。


「私がお呼びしました。内藤さん、本日は弊社の所属ライバー白雪林檎の3D化配信にお越しくださりありがとうございます」

「……ええ、まあ」


 亀戸の言葉にどこか歯切れが悪そうに郁恵が答える。よく見れば亀戸の目の上には、メイクで隠しきれないほどの青あざが出来ていた。

 いまだに恐怖から肩を震わせている林檎に、亀戸は笑顔で告げた。


「白雪さん、安心してください。ちょっとでも変なことしようとしたら叩き出しますから!」

「ちょ!?」


 自分から呼んでおいてこの発言。失礼極まりない亀戸の言葉にさすがの林檎も焦った。

 しかし、歩くニトログリセリンのような癇癪持ちであるはずの郁恵は、亀戸の言葉を一切気にせず、林檎に向かって固い口調のまま言った。


「安心なさい。何もしないわ」


 以前と変わらない様子で冷たく言い放つ郁恵の言葉は信用できない。

 それでも、林檎は出来てしまった親子の溝を越えて言葉を紡ごうとした。


「ママ……」


 声は喉を過ぎればただの呼吸に。

 急速に乾いていく口の中。

 林檎が飛び越えようとした溝はあまりにも深かった。


「白雪」

「林檎ちゃん」


 そんな彼女の背中を押す者がいた。

 背中を押されてつんのめり、一歩郁恵へと近づく。

 林檎が振り返ると、そこには笑顔を浮かべて頷くレオと夢美がいた。


「レオ、バラギ……」


 そうだ、自分はもう一人じゃない。

 瞳に決意を宿すと、林檎は真っ直ぐに郁恵を見据えて告げる。


「ママ、言いたいことはいろいろあるけど――全部ピアノで語るから」

「っ!」

「だから、黙って聞いてて」


 耳は腐ってないでしょ、という皮肉まで込めた林檎は意気揚々とピアノの元へと向かう。

 震えはもう止まっていた。

 それからリハーサルを終えると、林檎は目を瞑り、深呼吸をして気持ちを落ち着ける。

 母親が見ていようが関係ない。

 今自分が向き合うべきは一緒に頑張ってきた同期であるレオや夢美、きっと配信を見ているであろう親友であるカリュー、こんな自分に尽くしてくれるマネージャーの亀戸、見守ってくれている先輩達やスタッフ、ずっと応援してくれてきた小人達なのだから。

 心を落ち着けた林檎は、目を見開いてスタッフの方を見て頷いた。


「配信行きます!」


 スタッフの合図と共に配信が開始される。

 大量に流れるコメントを見届けると、林檎は息を思いっきり吸っていつもの百倍は元気な声で挨拶をした。


「みんなー、おはっぽー!」


[きちゃ!]

[おはっぽー! ¥10,000円]

[おはっぽー! ¥10,000円]

[おはっぽー! ¥10,000円]

[スパチャ飛び交ってるwww]

[当たり前だよなぁ? ¥10,000円]

[顧客が求めていたもの ¥10,000円]


 全身が動いて表情もコロコロ変わる林檎。それを見た小人達は大興奮だった。

 当然である。ずっと、こんな風に動き回る林檎を小人達はみたくて仕方がなかったのだ。


「赤スパセンキュー! さてさて、ついに3D化だよー。さすがの私もこの話を聞いたときは耳を疑ったよねー」


[俺達は微塵も疑ってないが?]

[プロ並みのピアノの腕を持つライバーが3D化しないわけないんだよなぁ]

[当然の結果です(P並感)]


 林檎は異例の速さで叶った3D化に当初は驚愕していたが、これは小人達の言う通り当然の結果なのである。

 林檎を含めた三期生は爆発的な勢いで登録者数を伸ばしていた。そのうえ、各々が出した動画や配信アーカイブの再生数も他のライバーとは比べ物にならない伸び方をしていた。


 レオは歌ってみた動画。

 夢美はガチャ動画やリズムゲーのプレイ動画。

 林檎は夢美の切り抜き動画やピアノ動画。


 基本的に毎日配信を行っている上に、見やすい時間の動画まで投稿する三人の動画はとにかく伸びた。ちなみに、夢美の「ゴミカス、死ね」の動画は既に100万再生を突破していた。


 そして、林檎のように動いて真価を発揮するライバーの3D化が遅れることは、事務所にとって損失ともいえることだった。


「ま、せっかくだし、今日は私の使い魔を紹介するよー……じゃーん、マスコットキャラの〝あっぷるん〟だよー」


[かわいい]

[これはグッズ化待ったなし]

[買います ¥30,000円]

[過払い金で草]

[そういえば魔法使いって設定だったな]

[年齢を自由自在に操れるって設定はもう忘れたようだ]

[そりゃ言い訳にしか魔法使ってないからなw]


 林檎がぬいぐるみが置いてある場所へ手をかざすと、キラキラとしたエフェクトと共に、林檎がモチーフのマスコットキャラクターが現れた。

 楽しそうにオープニングトークをしていた林檎だったが、突如画面に炎のエフェクトが発生したのと同時に、林檎はわざとらしく叫び声をあげた。


「うわー! アンチと杞憂民が私を燃やしに来たー!」


[草]

[いきなりぶっこんできやがったwww]

[炎上ネタじゃねぇか!]

[さっきまで普通に可愛かったのにwww]

[逆にいつもの焼き林檎で安心した]


 林檎は以前に自分が炎上したことをネタにしたことで、コメント欄が[草]で覆いつくされる。

 しかし、ただのネタで終わらないのが白雪林檎というライバーだ。


「火の手がここまでやってきたー」


[棒読みで草]

[炎のエフェクト無駄にクオリティ高いw]


「君達だけでも逃げるんだー! 私みたいに焼き林檎になっちゃいけないよー!」


[あっぷるん思いっきりぶん投げてて草]

[この茶番いつまで続くのwww]

[こんなぶっ飛んだ3D化配信バンチョーでもやらんわ!]


 林檎はぬいぐるみをカメラ外に放り投げると、席について鍵盤に指を置いた。


「私は炎上なんかに負けないよー! どんなに燃えてもピアノを弾き続ける!」


 その一言にだけ感情を込めると、林檎はベートヴェン作曲の〝月光ソナタ〟という通称で呼ばれているピアノソナタを弾き始めた。



 ♪♪♪~~~♪♪♪~~~♪♪♪~~~



[ファッ!?]

[ガチのクラシックやん……]

[すげえ……]

[いや待て、これバーローのパロやん!]

[月光殺人事件やないか!]

[才能の無駄遣いで草]

[にじライブやっぱり頭おかしいわ]


 やっていることは全力でふざけているというのに、林檎が奏でるピアノのメロディはスタジオにいた者も、配信を見ている者も、全てを魅了していた。

 そう、プロのピアニストである郁恵ですらも例外ではなかった。

 指に装着している機器のせいで普段よりもピアノを弾きづらいというのに、林檎はそれをものともせずにピアノソナタを弾き切った。


「およ? 何か炎上収まったみたい」


[こんなん燃やせるか!]

[ピアノを弾くだけで炎を鎮火させた女]

[チケット代 ¥50,000円]


「おっ、赤スパセンキュー!」


 見事にピアノソナタを弾き切った林檎に、賞賛を込めたスーパーチャットの嵐が飛び交う。

 それらに一通り礼を述べると、早速林檎は次の曲を弾く準備を始めた。


「まあ、今日はこの通り3Dピアノ配信をやってくからよろしくねー! さてさて、お次は千本桜! ちょっと速めに弾いちゃうよーん」


[これは楽しみ]

[何気にVで千本桜歌ってる人四天王と和音ちゃんくらいなんだよなぁ]

[お前らが知らないだけでもっと歌ってるぞ]

[和音ちゃんのこぶしの効いた千本桜すこ]


 ニヤニヤ動画の象徴とも呼べるこの曲は多くの歌い手が歌ってきた曲だ。

 音声合成ソフトを使用して作曲されたこの曲は、瞬く間に流行り、ミュージカル化されたり、小説化されたり、CMソングに起用されたり、有名な演歌歌手が歌ったり、大ブームを起こした曲である。


 そんな大ヒット曲を林檎は――二倍速で弾き始めた。


「~~~~♪ あーもう! 歌うの無理!」


[エグイ速度で弾いてて草]

[何倍速で弾いてるんだよ!]

[指が人外の動きしてて草]


 あり得ないほどに忙しなく指を動かす林檎の表情に余裕はない。

 当然である。ただでさえ速度が速い曲を二倍速で弾いている上に、指には3Dモデルの動きを読み取る機器までつけているのだ。これで弾ける方がおかしいのだ。


「~~、~~~~♪ …………………………しゃぁぁぁぁぁ! ノーミスで弾き切ったぞー!」


[88888888888888! ¥50,000円]

[88888888888888! ¥50,000円]

[88888888888888! ¥50,000円]

[頭おかしいwww]

[これはにじライブ]

[にじライブのライバーどうなってんだwww]


 リハーサルですら何度か失敗した倍速千本桜を、林檎は本番で成功させた。

 当然そんな林檎のピアノ演奏のクオリティには、小人達からの惜しみない賞賛が送られた。

 いきなりトップギアで演奏を続けた林檎は一息つくと、改めてカメラの方へと向き直った。


「そんじゃちょっと休憩と行こうかー。あっぷるんカモーン!」


[!?]

[こいつら動くぞ!]

[中身はスタッフさんかな?]


 林檎の掛け声と共に二体の〝あっぷるん〟が歩いてくる。


「ほら、二人共ー。仲良くお手繋いでー」


「「!?」」


 しかし、この〝あっぷるん〟の中身はレオと夢美である。

 見た目から正体がバレないのをいいことに林檎はやりたい放題だった。


「手を繋ぐのはいやかー。じゃあ、あっぷるん一号は二号をぎゅっとしてあげよっかー?」


「「…………!」」


 レオと夢美は無言のまま首を激しく横へ振った。


[スタッフさん巻き込まれてて草]

[これ男同士だったら……]

[おいやめろ]


「えー、これもダメ? じゃあ、一号は二号をお姫様抱っこで」

「……まあ、それなら」

「……ちょっ!?」


 マイクが拾わない程度の声でボソッと呟くと、レオは夢美を躊躇なく抱え上げた。反射的に夢美は体勢を安定させるために首に手を回す。

 ひとしきり二人で遊んだ林檎は、疲れ切ったレオと夢美を余所に、ほくほく顔で次の曲に入ることにした。


「いやぁ、いい物見せてもらいましたわー……さて、じゃあ次はあっぷるん達にも手伝ってもらおうかなー」


[待ってもしかしてあっぷるんの中身って……]

[冷静に考えたら白雪の配信にあの二人がいないのおかしいよな]

[妙だな……]

[ペロッこれはバラレオてぇてぇの味!]


 小人達は、林檎の反応からあっぷるんの中身を察し始めた。


「にひひっ、それじゃミュージックスタート!」


 林檎は弾けるような笑顔を浮かべると、夢美が選んだ曲を弾き始めた。そして、それと同時にレオと夢美も歌い始めた。


「~~~~♪ ~~~~~~♪」

「~~~~♪ ~~~~~~♪」


[小さな〇の歌だ!]

[やっぱりバラレオじゃねぇか!]

[ということはさっきレオ君はバラギをお姫様だ(文字はここで途切れている)]

[う゛!]

[そしてこの楽曲である]


 恋愛に関する歌でも群を抜いて人気のこの曲を夢美が選んだ理由。そんなものは一つしかない。

 サビに入る直前、夢美はレオの方を向いて笑顔を浮かべて歌った。


「~~♪ ~~~~♪ ~~~~♪ ~~~~~♪」

「っ!」


[あ゛]

[これは破壊力がやばい]

[てぇてぇ……てぇてぇだよ! ¥50,000円]

[よくやった焼き林檎! ¥50,000円]


 夢美の意味深な笑みに動揺するレオだったが、それも一瞬のこと。

 すぐに持ち直して自分のパートを全力で歌い始めた。

 それから二人の熱唱と、林檎の伴奏は続き曲は終わりを迎える。


「「~~~~~♪」」


「……というわけで、あっぷるんの中身は私の魔法で3D受肉したレオとバラギでしたー!」

「小人のみなさん、こんばん山月! 獅子島レオです!」

「小人のみんなー! こんゆみー! 茨木夢美でーす!」


「「せーの……ご清聴ありがとうございました!」」


[88888888888888!]

[88888888888888!]

[88888888888888!]

[感謝しかない]

[最高のてぇてぇをありがとう]

[厄介カプ厨も役に立つんだな……]

[ここまで全力でやれば許されるだろ]


 三期生が一堂に会したことで、小人達の盛り上がりは最高潮へと達していた。


「やー、二人共ありがとうね!」

「別にこれくらいなんてことないさ。卒業のときに約束したからな、『いくらでも歌う』ってな」

「見た目あっぷるんで言ってもかっこつかないけどね」

「茶化すなよ」

「かっこよすぎるから茶化してんのよ、バーカ」

「あ゛……!」


[同期の3D化配信でいちゃつくライバーがいるらしい]

[白雪ダメージ受けてて草]

[致命傷で済んだから助かった……]

[助かってないんだよなぁ]


 たとえ見た目があっぷるんだろうと、レオと夢美の自然なやり取りに小人達は次々に精神ダメージを受けていた。真に尊いものはどんな姿をしていても尊いのである。

 それからひとしきりトークや演奏を挟むと、林檎は最後の楽曲を弾く準備を始めた。


「それじゃあ名残惜しいけどラストの曲だよー。ま、これからいくらでも3Dで弾けるからみんな楽しみにしててねー!」


[そうやって聞くと全然名残惜しくない]

[いや、名残惜しいわ]

[これは心して聞かねば(使命感)]


 林檎は一つ一つのコメントを愛おしそうに眺めると、好きなアニメのオープニングテーマを弾き始めた。


「~~~~♪ ~~~♪」


[俺ガイルやんけ!]

[この曲すこ]

[刺さる曲を絶妙にチョイスするなぁ]


 この曲には林檎は今までの人生とこれからの人生、その両方への想いを込めて弾き語りをしていた。


「~~~~~♪ ~~~~~♪」


 林檎にとって、今までの人生は上辺だけの関係で構築された人間関係がほとんどだった。

 カリューに出会い、まひるに出会い、そして、レオや夢美と出会った。

 ライバーとなったことで林檎の人生は鮮やかに彩られていった。

 たとえ色がくすんだとしても、塗り直してくれる人達がいる。

 林檎は自分を白雪林檎にしてくれた人達へ心から感謝していた。


「~~~~~♪ ~~~~♪ ~~~♪ ~~~!」


 林檎にとって、にじライブという事務所は、ライバーとしての自分は、彼女が手にしたかけがえのない〝本物〟だった。


「~~~~~、~~~~♪ ~~~~~~♪ ~~~~~♪」


[88888888888888!]

[88888888888888!]

[88888888888888!]

[感動した!]

[涙で画面が見えない]

[手持ちのテッシュ使い切った……今日はおとなしく寝よう]

[これは過去最高の弾き語り]


 ちなみに、レオと夢美は林檎が歌詞に込めた思いに気がつき、二人して号泣していた。滅多に泣くことがないレオですらこの始末である。亀戸に至ってはハンカチが一瞬にしてびしょ濡れになったレベルである。


「それじゃあみんなー! 今日は見にきてくれて本当にありがとう! ほら、レオとバラギも泣いてないで一緒に挨拶してよー! おつりんご!」


「「お゛つ゛り゛ん゛こ゛!」」


[おつりんご!]

[おつりんご!]

[おつりんご!]

[レオ君とバラギ号泣してるwww]

[三期生てぇてぇ……]

[真っ先に3D化した同期に嫉妬することもなく感動して涙を流すライバーがいるらしい]

[安定の聖獣]

[バラギは聖女だな]

[解釈一致だが、認めるのは癪]

[相変わらず妖精はツンデレで草]


 こうして林檎の3D配信は同時接続十二万人という快挙を成し遂げ、後日ネットニュースに載るほどに話題になった。つい先日カリューとコラボしてからそれほど経っていないのにこれである。

 にじライブの伝説がまた一つ増えた瞬間であった。

 一通り片づけを終えて、林檎がスタッフに挨拶をしていると、相変わらず表情の固い郁恵がやってきた。

 郁恵は何度か言葉を振り絞ろうとするが、うまく言葉が出てこない様子だった。

 それに怯えるでもなく、林檎はただひたすらに母の言葉を待っていた。


「優菜……良い演奏――いえ、違うわね」


 何とか振り絞った言葉を取り消すと、郁恵は昔のように力を抜いた自然な笑みを浮かべて林檎に問う。


「ピアノ、楽しかった?」


「うん! すっごく楽しかった!」


 郁恵からの問いに、林檎は初めてピアノを弾いたときと同じように、弾けんばかりの笑顔を浮かべるのであった。


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