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1 愛を叫ぶ。 古代魚

 ろうそくを吹き消して


 プロローグ


 愛を叫ぶ。


 人って生まれる前はどこにいるんだろう?

 いつかはその場所に帰るのかな?

 僕はそこに帰ることができるかな?

 すごく不安。だって僕は覚えていないから。

 僕がどこから来たのか? これから、どこに行くのか? それが自分でもわからないから。


 本編


 古代魚


 この世界は、いつも暴力に満ちているね。 


 春になると小唄は世界を見つけた。

 小唄はそのまま見つけた世界の上に着地した。それから小唄は考えた。それはなぜ自分がこんな場所にいるのだろう? という素朴な疑問だった。 

 世界は真っ暗だった。だけど、どこからかちろちろと小川なの流れる音がした。そしてときどき吹き抜ける風がとても穏やかだったので、小唄は今の季節が春だということを思い出した。その風はどこか懐かしい桜色の四月の風の匂いがした。

「きみきみ」と声がした。

 小唄は周囲を見渡した。でも、人の姿はどこにもなかった。「ここ。ここだよ、ここ。きみの足元。見てごらん」と声が言った。小唄は自分の真っ暗な足元を見つめた。するとぽちゃん、という音がして、近くの地面の上に小さな波紋が広がった。その場所をじっと見ていると、しばらくして波紋の中心から、小さな一匹の奇妙な形をした魚がひょっこりと小唄に向かって顔を出した。

「やあ、こんにちは」と変な形をした魚が言った。「こんにちは」と小唄は変な形をした魚に返事をした。その変な魚、(それは図鑑で見たことのある、古代魚の姿にそっくりだった)のいる場所にはどうやら見えない小川が流れているようだった。小唄は古代魚に近付こうと思ったのだけど、その見えない小川の場所がわからず、足を動かすことができなかった。

「大丈夫。君は人間だからこっち側には来られないよ。安心して」と古代魚が言った。小唄は古代魚の言う通りに安心して、古代魚のすぐ目の前の場所まで移動した。

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