15話 激闘の果てに
「事前調査では毒にさえ気を付ければ充分に倒せる相手のはずだ。行くぞ」
「間合いに入ったら、わたしが、魔法でアルウネラを焼きます!」
「わたくし、今度こそ立派に前衛をつとめあげてみせますわ!」
「コレン、無理しないでいいんだぞ?」
「そうですよ……また『しのぎきってみせよう』とか言いながら一瞬でやられたりしそうだから無理はしないほうが……」
「さ、先ほどは油断しただけですわ! それに! ハヅキさんの注意がちょっと遅かったんじゃなくて!?」
「そうか。なるほど。では早めに注意しよう。もう五歩ぐらいで間合いだぞ」
「カウントしますよ。いち、に、さん、よん……ご!」
「…………」
「コレン?」
「コレン? 緊張してるんですか?」
「…………あー」
「……」
「……」
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ……うあー……うあー! あああああああ!」
「「解毒ぅー!!」」
「うあー! あああああ! あー!」
「くっ、コレンの動きが鋭い! 混乱中のほうが強いのではないか!?」
「なんで正気を失ってる時のほうがスキがないんですかぁー!?」
「あっ、あっ、あっ……」
「急に大人しくなったぞ! 今だ!」
「えいやぁー! 解毒草ー!」
「……にがあああああああああああああい!? この苦さ、刑罰級! 口の中がっ、苦さでしびれるっ……!」
「正気に戻ったようだな」
「あの、コレン、やっぱり後衛のほうが……」
「いえっ! もう油断はありませ――あっ、あっ、あっ」
「「コレェェェェェン!!」」
「うあっ、あうっ……アッ……」
「こ、コレンがガクガク震えながら焦点の合わない瞳で襲いかかってくる……!?」
「すごく恐いんですけど!?」
「アッ、アッ……アヒッ……ヒッ……アアアアアアア!」
「アナッ! 一度距離を……! ぐうっ!?」
「ハヅキ!? しっかり――えぐっ!?」
「アッ……アッ……」
「……」
「……」
「アッ……アッ……あひっ、あっ……あっ……ぁ……」
追放されし者たちは壊滅した。




