普通の高校生の私が魔法学校に?
(あの倉庫の中、何あるんだろ......)
事の始まりは、ただの好奇心だった。
私、月詠紅音はとある高校で普通の高校生活を送っている。
でも、私には1つ気になることがあって、私はそれを確かめに来たんだ。
私の高校の伝説になっている、『呪いの倉庫』。もう使われなくなった古い倉庫で、そこでは昔悪魔が現れたとかいう噂がたっている。
先生までそれを信じてしまって、今まで壊されていなかった、というか全く開いたことがなかった。
でも明日、ようやく取り壊されることになったらしいので、その前に私が中を見物に来た、という具合。
私は古びた扉を開けた。
中は暗いけど、普通の倉庫。
中で私は、一冊の本を見つけた。
(......何て書いてるんだ?これ)
古びた茶色の分厚い本の中身は、日本語でも、英語でも、韓国語でも、アラビア語でもない見たことのない字が変な図形と一緒に羅列している。
そして私は、最後のページを開いた。
「......ここは?」
「良かった〜、目が覚めたのね」
私を覗き込んできたのは、青い髪をした美人な女性。
「あの、ここどこなんですか?」
「ここ?ペオニー王国の城下町だけど」
「え?ペオニー王国ってどこですか?」
急に聞いたことのない国の名前を出され、驚きを隠せない。
「ペオニー王国知らないの?っていうか、ピンク色の髪って珍しい〜〜」
「えっ?ピンク色?」
私はポケットから鏡を出した。
「かっ、髪の毛がぁ〜〜〜!!」
真っ黒だった私の髪の毛が、真っピンクになっていた!
「何?本当は髪色ピンクじゃないの?」
「そうですよ!目が覚めたらこうなってたみたいなんです!まぁこの色もいいですけど。というか、本当にここどこなんですか?」
私は動揺してつい早口になってしまった。
「まぁ落ち着いて落ち着いて。もしかして君は、魔界に住んでる人じゃないんじゃないの?」
「ちょっと待ってください。魔界って何ですか?私は日本に住んでるんですけど」
「なるほど......やっぱり人間界の人間か......」
「1人で納得しないで説明してくださいよ!」
「わかったわかった。ちょっと長くなるよ?」
私は彼女―アザレア・バインドウィードから話を聞いた。
まず、この世には魔界、人間界、天界の3つの世界がある。
ここは魔法を使う魔人たちが住む魔界。
私が住んでいたのは人間界。
で、私は倉庫の中で見つけた謎の本のせいで、魔界にやってきてしまったらしい。
このペオニー王国は、魔界で一番の面積と人口を誇る大国。
そしてアザレアは、そんなペオニー王国の国家魔導師。
「で、このペオニー王国にはマーガレット魔法学校っていう学校があるんだけどね」
「はぁ......」
嫌な予感がする。
「通ってみない?」
「はぁ?」
予感的中。
「待ってくださいよ。私は魔法なんて使えないし」
「魔法なら大丈夫!今から教えるから。それに人間界に帰る方法を探すなら学校生活は便利じゃない?」
「......」
本当に大丈夫だろうか......不安だ。