第六話 堕天使
夜の黒い空・・・そこに突如、夜の空にも負けないほど黒い、靄のような物が出現する。
靄は、収縮を開始し、やがて鳥のような物を模る。
ぎゅいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!
鳥のような物は、居丈高に雄叫びを上げる。
その雄叫びは万物を震わせ、恐怖に陥れるほどの迫力があった。
翼を羽ばたかせ、飛翔を開始する。
「ども、坂野雪那さんに届け物っす。」
「ありがとね。」
宅配の少年(保安部所属・・・)が俺の荷物を届けに来てくれた。
その数、ダンボール3個分・・・
俺はそれを自分の部屋に持っていく。
一人じゃ無理なので、大悟を手伝い要員として徴集した。
そのおかげで、予定よりも早く終わり、ダンボールの中の物の整理を開始する。
ダンボールの中は、PDA、教科書、鞄、肌着、制服――アーミー柄の物と黒色の普通の学校の制服のような物の計2着が2セットずつ――と普段着――普段俺が家で来てる物と一寸も違いない物――。
っていうか・・・俺のサイズを何時の間に測った?
服等のサイズは恐ろしいほど、正確に測られており、雪那にピッタリな大きさだった。
「そや、ゆっきー。ええもん見せたろうか?」
「良い物?」
「そや。ゆっきーも男なら、あれを見たら眼福と思う筈や。」
男にとって良い物→眼福→エロ本?
まぁ・・・俺も思春期の男だし・・・興味が無いと言ったら嘘だし、行ってみるか。
「ふ〜ん・・・行ってみようかな。」
出来る限り平然な態度で言う。
「よっしゃあ、うちについてき。」
大悟の後をついて行く事・・・数分。
俺達は、書架室に着いた。
まさか・・・書架棚にエロ本を堂々と置いてるという事は無いよな・・・女子も居るんだし。
「ここや、ここや。」
書架室の一番奥の壁をげしげしと行き成り大悟は蹴り始めた。
・・・?
そして、ガコンという何かが外れたような後、ゴゴゴッと言う音と同時に、壁の一部が横にスライドを開始した!!
隠し扉!!
「ふっふっふ、カガク部の部室を作ったのは何を隠そう、うちの能力でなんや。やから、あっちこっちに色々な仕掛けを作っちょるんや。」
自慢を開始した大悟を無視。
俺は、隠し扉の中に入る。
そして・・・俺は隠し扉の中に有ったある物を見て、呆然とした。
「どや?眼福ゆうたろ。うちの最高傑作や。」
隠し扉の中の部屋の中心には、この世の物とは思えないほどの絶世の美女がいた。
肌は雪の様に白く、目は月の様な金色、髪は腰まであるロング。
その風貌を、着ている黒のゴスロリが更に引き立てる。
俺は、その少女に見入ってしまった。
「すごい・・・なんて、美しいんだ。」
「せやろ、うちの『祝福』で創り出した、最高傑作やからな。残念な事を言うたら、生きとらんという事かな。うちの祝福じゃあ、心までは造れへんからなぁ。って、ゆっきー?何しとんのや?」
気付いたら、俺は・・・その少女を抱きしめていた。
「すまん、ついつい。あまりにも美しいから、ついな。」
「そか。ゆっきーにもうちの芸術が分かるようやな。有香の奴に見せたら『お兄・・・末期だね。』なんてゆうたんやで。ほんま、芸術の分からんやつや。それに比べ、ゆっきーはほんま分かっとるな。うちはメッチャ嬉しいで。」
この少女が・・・人形なんかで無く、本当に生きて動いていたら、どんなに素晴らしい事だろうか。
この子の拍動が聞きたい・・・声が聞きたい・・・
再度俺は少女に手を伸ばそうとした所で・・・
『アラート!!アラート!!堕天使が出現!!飛行型中型種が一匹、保安部及び戦闘班は至急迎撃に向かって下さい。それ以外の生徒は最寄のシェルターに避難して下さい!!』
「これは・・・堕天使か!!ゆっきー、シェルターに避難するで!!」
直ぐに俺等は部屋から飛び出し、最寄のシェルター――つまり、部室の地下――に避難する。
シェルターには既に、有香と近衛が避難していた。
「全員揃いましたですね。」
「そうみたいですね。」
保安部は・・・全員戦闘に参加・・・鈴音さんや綾斗さんは大丈夫かな・・・
「なんや、ゆっきーは心配なんか?大丈夫や。今回は中型でしかも一体や。大した事はあらへん。」
雪那の様子を読み取り、安心しろと宥める。
「まぁ、中型ですものね・・・そこまで戦闘が長引くとは思えませんわ。」
そうか・・・保安部の皆さん・・・無事でいて下さい。
「マスター・・・」
少女は突如目を開き、歩き始める。
何者かを求めるかのように・・・
「敵は中型一匹!!僕がまず地上に引き摺り落とすから、その後皆でフルボッコだ!!分かったかな?それでは、僕は行かせてもらうよ。」
鈴音達は中型と言えども、人間から見るとかなり巨大な鷲を見上げていた。
「てかよ、この間みたいに一撃で仕留めるなよ。お前が飛行型を引き摺り落とす時って、大抵は死んでるんだよな。俺達は、ソロモンの指輪に生きた状態で封印しないといけないんだぞ。」
「あっはっは、別に死んだのを封印しても問題は無い!!封印したと言う事実があればそれで結構!!一撃必殺で行かせてもらうよ!!」
「やっぱ殺す気かよ!!」
鈴音は数歩程助走し、一気に上空に舞い上がる。
「今晩は焼き鳥が食べたくなるねぇ♪」
腕を一振り。
それだけで、腕の裾から無数のワイヤーが伸び、鷲の体全体に絡まる。
キイイイイイイイイーーーーーーーーーー!!
鷲はワイヤーを解こうともがくが・・・逆効果で、更に絡まる。
そして、飛行する事が出来ず落下を開始する。地響きを上げ、地面に激突する。
ドゴーーーン!!
近くで見ると、片方の翼だけでも10mくらいある。
「ふははは、一丁上がりだ。今回は死なない様に気をつけたから、バリバリ生きてるぞ!!綾斗、封印したまえ〜!!」
「へいへい。」
綾斗は中指に付けている指輪を鷲に当てる為、近付こうとした時・・・
鷲が吼えた。
「回避!!」
綾斗は、瞬時に能力でその場を離脱。綾斗の後ろにいた、他の保安部部員は、副部長の叫びを聞き、上空や横に直ぐに飛んで逃げる。
その直後、先程まで、綾斗や他の保安部のいた所に、クレーターが出来る。
「気を付けろ!!風を操っている!!鈴音、生かした状態での封印はキツイから殺せ!!」
「だから、そうした方が楽って言っただろ!!ふっふっふ、一発で衝天させてあげるよ!!」
「全力全開!!1億ボルト放電!!」
鈴音を中心に青白く発光する球体が出現し、それは大きさを徐々に大きくし、今だもがき暴れまわる鷲を飲み込む。
だが、鷲の体全体が光沢を持ちだす。
「む?表面を絶縁体であるダイヤモンドにしたか?だが、ダイヤモンドは火に弱いのだよ!!赤坂!!一気にやってしまいたまえ!!」
そう言い、鈴音は、鷲から降り、いったん距離をとる。
鷲は、ワイヤーでグルグル巻きにされてる為、やはり飛べない。
「了解!!」
赤坂と呼ばれる少年は、返事をすると同時に鷲の周りの空気が振動し・・・爆ぜた。
ギイイイイイイイーーーーーー!!
鷲の苦しむ甲高い声。
「やったか!?」
だが、念には念を押してなのか、超電磁砲を煙の中の敵に向かって乱打しつつ鈴音が近付く。
「むっ!?」
煙の中から突如延びてきた触手の一撃を躱す。
「まだやるのかね?」
煙が晴れると、今度は鷲の表面の色は、燃え盛る赤。
渦みたいな模様が、表面を移動している。
そして、渦の模様が歪みが更に捻れる。
捻れた歪みが元の形に戻ると・・・鷲の前方に巨大な炎球が出現。
それを雄叫びと共に発射してくる。
炎球は緩慢な動きで鈴音達の方にやってくるが・・・突如、接触もしてないのに爆発。
地上で平面状に爆発が広がる。
部員の何名かは気付けず、爆発に巻き込まれる。
「くっ、こいつはしぶといな・・・調整中でもHRを持って来るんだったな。」
「攻撃を受けた部員は、辛うじて防壁を展開できたから軽い火傷ですんだ。現在、部員の一人に救護室へ連れていかせてる。」
「ふぅ・・了解。」
軽傷と聞いてホッとする。
「部長!!これからどうしますか!?」
「さぁて、どうしようか・・・」
「遂に、LV4が出てきたわね。」
「ええ。しかし・・・これまでの物よりもタフイし、攻撃力や敵攻撃に対する対応法が変わりましたね。」
暗い密室で、衛星によって取られている保安部と堕天使の戦闘の映像をリアルタイムで時雨と空は見ていた。
「しっかし、これで中級ってのが有り得ない強さよね。」
「そうね。」
時雨の言葉に軽く相槌する空。
「さてと・・・」
時雨はPDAを操作し始める。
「・・・何をする気なの?」
「『夜叉』にせっちゃんを乗せるつもり♪」
「・・・一応、調整は終わってるわ。まぁ、彼なら調整してなくても乗れるけどね。」
「それじゃ、せっちゃんを呼びますか♪」
「それにしても、戦闘が長いわね・・・」
すでに、1時間は経過している。中級程度なら、自衛隊ではなく保安部が出れば5分もあれば終わっている。
それなのに、未だに戦闘終了の合図が無い。
部屋には緊張した空気が漂う。
・・・綾斗さんたち大丈夫かな?
ピピピピピピピ♪
そんな空気の中に、軽い電子音が響く。
「雪那さん、PDAが鳴っていますわよ。」
「本当だ。」
画面には時雨の文字。
「なんですか?」
『うふふふ、今保安部は大ピンチなの。』
PDAに保安部が鷲のような何か苦戦している映像が流れる。
「!!」
「なんですって!!」
「ええ!!」
「保安部が苦戦やて!?」
意外な展開に驚くカガク部の面子。
『で、せっちゃんにお願いがあるの♪』
「俺にですか?」
『そうよ。至急軍事部に来て欲しいの。』
軍事部に?
『理由は着いたら話すわ。近衛さん、軍事部までのせっちゃんの護衛を頼めるかしら?』
「かしこまりました。」
『じゃあ、頼んだわよ。』
そう言って、通信が切られる。
「雪那さん、行きますわよ。」
「はい。」
俺の前には・・・漆黒のHRがあった・・・
昼に来た時には・・・こんな物は無かったぞ・・・
「来てくれて助かるわ。短直に言います。これに乗って、堕天使を倒して欲しいの。」
俺が?
時雨の行き成りの発言に一瞬思考が停止する・・・
「雪那さんが乗るより、保安部の誰かに乗ってもらったほうが・・・」
行き成りの事に何も言えない俺の代わりに、俺の言いたい事を察した近衛が尋ねる。
「だめなの。この子は・・・貴方にしか乗れないの。」
「どうして、そんな事が分かるんですか。」
空は、少し考え・・・
「貴方が選ばれた存在だから。」
一言・・・
俺が、選ばれた存在?何にだ?
「もし・・・俺が嫌と言ったら・・・」
「保安部の皆は苦戦を強いられ・・・負けてしまうわ。今回の堕天使は何時ものと違うの。」
つまり・・・断れる状況じゃねえって事か・・・
「・・・俺がここで断ったら・・・皆を見殺しにしてしまうような物ですね・・・」
「そうね・・・」
深い溜息。そして、間を空けて・・・
「だから、本当に御願い・・・」
時雨は地面に跪き、土下座をする。
「御願い・・・あの機体は貴方にしか乗れないの・・・」
俺にしか・・・出来ない・・・俺が・・・やらないと!!
「やります!!」
「雪那さん・・・」
「ありがとう・・・空!!」
「何時でもOKです!!雪那さん、こっちに来て搭乗の準備をしてください。」
「はい。」
搭乗する為に必要と渡された物は、物凄い薄い全身タイツのような服。
それと、頭に着ける、ヘッドギアのような物。
ヤベェ・・・この服恥ずかしすぎる・・・
『雪那さん、搭乗して下さい。』
HRの背中の部分が上に持ちあがり、椅子が外部に出てくる。
俺はHRによじ登り、椅子に座る。
俺が座ると、椅子はHR内部に戻される。
HR内部はモニターも無いし、スイッチやレバーの類は一切無い。
ただ光が遮断された、真っ暗な部屋と同じ。
『搭乗しましたね。今から、シンクロを開始します。この子を、『夜叉』を信じて、心を開いて頂戴。そうすれば・・・高シンクロが可能な筈よ。』
スピーカーは当然の事か、内部に搭載されてる為、空の声が聞こえる。
「はい・・・」
信じる・・・?こいつをか・・・
『シンクロ開始して!!』
『了解!!シンクロ開始します!!』
『機体との一次接触開始。』
『機体との相互相違率の測定開始!!』
『機体との波長形状の一致率9割9分9里!!』
『機体名『夜叉』の人工知能より接触が開始されました!!』
――アダム・・・あぁ〜、貴方なのね――
接触開始が始まると、頭の中に女性の声が響く。
「っ!!空さん!!今の声は何ですか!?」
突如聞こえた、誰の声かも分からない謎の声の持ち主を尋ねる。
『夜叉の声よ。』
じゃあ、アダムって何の事だろう?後で聞いてみよ。
『人工知能との波長形状一致率9割9分9里・・・ありえません・・・』
波長形状一致率が、どちらも常人では出しえないスコアの為、軍事部の一人が唖然とする。
『機動必要同調率の越境を確認!!』
『機体との二次接触を開始!!』
『言語形態を日本語に設定!!』
『双方向回線を接続!!』
『操縦士へ機体の視覚及びその他の情報の転送を開始!!』
ビリッという電気刺激の後、俺の目に映るのは暗い空間ではなく研究上の風景。
そして、他の人や物が小さく見える・・・これが、LBSなのか・・・
すごい・・・俺が大きくなったような感じだ。
『全ての過程を完了。』
『機体の拘束具を解除!!』
『内部電源充電完了!!』
『いい、HRの稼働時間は30分。ただし、飛行やその他の電子装置を起動させた場合はエネルギー消費が2倍になります。』
「つまり、飛行をすれば、稼働時間は15分。飛行と何かしらの電子装置を使えば、10分って事か?」
『その通り。で、基本貴方の考えたように、この機体は動くようになっています。』
「はい。」
『御願いね・・・無事に帰ってきてくださいね・・・私は、支部長として皆さんの上に立つ者ですが・・・何もできない無能な自分が悔しいです・・・子供達に頼らないといけないという事が・・・』
「・・・安心して下さい。俺は無事戻ってきます。ちゃちゃっと、堕天使とやらを倒してきます。」
『御願いね・・・』
『機体名『夜叉』発陣します!!』
さぁて・・・行くぞ!!
――御意――
「う〜ん・・・こいつは・・・どう言う事だい?」
「切りがねぇな。」
鈴音の愚痴に綾斗が相槌を打つ。
確かに愚痴が出ても仕方の無い状況である。
堕天使は、どれだけ攻撃しても、全く傷を負った様子が無いのだ。
木端微塵にしても、肉片が集合し、元の形に戻る・・・全く堪えた様子一つせず。
保安部の戦闘員も、ほぼ壊滅。戦闘可能なのは鈴音と綾斗と赤坂の3人だけとなった。
「参ったっすね。これまでのと強さが格段に違うっす。部長、核でも撃って始末するっすか?」
「ふふふ・・・それは最終手段だよ。一先ず、弱点を見つけないとね・・・」
膝を地面に着け、荒く呼吸する。予定外の長期戦の為か、かなりの疲労が溜まってきているのが、目に取れる。
「じゃあ、俺が限定解除しようっすか?壱段階解除ならたいして負担は無いっす。」
「それもダメだ。壱段階といえども、堕天化が早くなる。するなら・・・僕が・・・」
「お前はダメだ。この間も壱段階解除をしてただろ。俺がする。」
キエエエエエエエ!!!!
俺を無視かよ!!と、鷲からの攻撃が飛んでくる。
『保安部の皆さん!!直に救援が届きます!!それまで、堕天使の動きを封じてて下さい。』
PDAから時雨の声が発せられる。
「むっ、救援だと?自衛隊か?」
『いいえ。それは着いてからの御楽しみ♪』
「ははっは!!それは楽しみだ。それじゃあ、最後の気力を振り絞り・・・本気を出させてもらうよ♪」
「壱段階解除波無しだぞ。」
「勿論♪行くぞ、化け物♪」
鈴音の体が発光。そして、周辺に散らばっている、クナイのような物が浮遊し・・・
「撃てい!!」
発射!!
超電磁砲の球代わりにクナイを使用。
「行くっすよ!!」
大気中の酸素と水素濃度を変更する。
そして、指パッチンの時発生する静電気で着火。
空気の波が一瞬揺れ・・・
「うおっしゃあ!!」
両手にバズーカ砲を一丁ずつ構え、発射!!
発射したバズーカ砲のミサイルが・・・銃口から出ると同時に消える!!
鷲を中心とし・・・大爆発が発生。
大量の爆煙が立ち昇る。
グチャッ!!
辺り一面に散らばる、鷲を構成していた、肉、骨、皮膚、羽、臓器・・・etc。
しかし、時間が戻るかのように、それらは引き合い、元の形に戻る。
「攻撃を止めるな!!」
飛ばす物がもう無い為か、右手を銃の形にして人差指から、電気の弾丸を発射する。
電気と言うのは、1万ボルトにつき射程は1メートル程度。それを何十メートルも先にいる敵に向け乱射しているのだ。
体には相当の負担が掛かっているのだろうか、時々目を顰める。
「はいっす!!」
赤坂は、今度はライターを取り出し。ライターに火を灯す。
そして、その状態で敵に投げる。鷲に当たる瞬間、爆発が発生。
更に、爆発した場所に辺り一面の酸素と水素を供給。
爆発が断続的に、鷲周辺で発生し。再生しようとしていた物を更に爆砕。
「綾斗、ソロモンの指輪を投げろ!!」
「あいよ!!」
ソロモンの指輪と言う堕天使の封印具を投擲。指輪は鷲に当たるが・・・何も起きない・・・
「「「えっ?」」」
・・・もしかして・・・こいつは本体じゃないのか?じゃあ、本体は何所だ!?
その時、何かが音速で接近し、突風が発生。
「むっ?あれは・・・!!HR?でも、僕のではない・・・あの機体は・・・」
敵発見・・・でも・・・粉々になっても生きてるんだけど・・・
――いえ、あれは・・・本体が創り出した、偽物ですね。本体を探します。『天使の目』を作動します――
頭の中に波が広がるイメージが流れ込んでくる。一部の波が何かに当たり、反射してきた。
――発見!!上空1000ftに敵生命体のコアを発見。封印に向かいます――
おうっ。行くぞ!!
夜叉は、足からバーニアを噴かせ、一気に上空へと昇る。
それを見た、地上の鷲は、本体の危機を感じ上空に昇ろうとするが・・・何かに引っ張られ、再度墜落する。
「君は逃がさないよ♪」
一気に上空に昇った、綾斗達の前にあったのは、巨大な赤い色の球体。
これは・・・
――敵のコアです。破壊しましょう――
ああ。
夜叉は腰に収納していた単分子カッターを取りだし、コアに突き刺す。
すると、コアに皹が入り、パリンッという割れる音と共に、空に霧散していく。
「敵生命体のコアを破壊しました。」
『ナイス!!グッジョブよ!!そのまま、軍事部まで帰投しちゃって頂戴。』
「了解。」
四ヶ月ぶりの更新です。
遅くなってまことにすみません。
言い訳じゃないんですが、オリジナルって二次創作と比べて作りにくいんです・・・
アイデアや基盤がなかなか作れなくて・・・
次はもっと早く投稿できるよう努力します。