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初めての町とギルド

町に到着。

出迎えてくれたのは……。

あれから丸二日。歩いてたどりついた町は、以外と大きかった。

シオン曰く、ここプレナイトは、王都トパーズへの中間地点として栄えてるらしい。近くの森からも魔力の多い獣や薬草類が手に入るということで、ハンターギルドも大きめらしい。

「到着して早々で悪いが、先ずはハンターギルドに報告にいくぞ」

トキワたちも仕事で出掛けてた以上、先ずは報告で当然だな。

「わたしはかまいません。説明も早い方がよいでしょう」

ということで、みんなでギルドに向かおうとしたーーなにあれ?

屋根上、道端、あちこちにいるのは天狼、だろうか……。

大きさいろいろ、色とりどりのフッサフッサな毛皮と翼。

ただ、瞳の色だけは共通で、トパーズ色だった。女神様の眷族だからだな。

……うん。確かに女神様天狼を使い魔にするように言ってたね。だけどね、この天狼のヤマってどうすんの?

……みんな、こっちを注目してるし、そのせいで町の人達もこっち見てるし。

「……これ、どうしましょう……?」

誰ともなくつぶやくと、トキワが返事をくれた。

「……とりあえず、ギルドだな……」

「……うん」

「そうね……」

あたしたちは歩き出した。


天狼たちはついては来なかったけど、いく先々に別の天狼がいて、こっちに注目している。

それを見て、町の人達も注目するという状態……。

そっか。この世界って、住んでるの人間だけじゃないんだ。

パッと見だけど、物語でしかいないような人達がいる。

子供の頃に母が読んでくれた、英国のおとぎ話に出てきた、妖精エルフとか、地精ドワーフとか、獣人じゅうじんとか……。なんか懐かしいような不思議な感じ。

「?キキョウちゃん?どうしたの?」

「あ、いえ、なんだかこの町って、懐かしいような感じがして……」

町並みも、おとぎ話に出てくるような、元の世界でいえばヨーロッパ圏の中世のイメージだろうか。何となくほっとする。


「おっ。ここだ」

トキワが示した建物は、他の建物よりも大きめで、どうやら一階は受付兼食堂のようだった。

トキワは迷わず受付の一人に向かって歩き出す。あたしたちはそれに続いた。

「よう」

「!トキワさん、戻られたのですね!至急ギルド長の所に向かってください。昨日辺りから妙にソワソワしてトキワさんたちを待っておられたのです」

「……昨日辺りから、か」

「トキワ、確かギルド長の使い魔は天狼、でしたね」

「おう」

……つまり、その天狼が女神様から何か言われたってことだろーな。やれやれ。

「それでは、ギルド長のもとにいきましょうか」

「そうね」

「そうだね」

と、ここで受付さんは、あたしに気がついたらしい。

「……そちらの方は?」

「あー、この嬢ちゃんについては、あいつに会ってからってことで。まあ、とりあえず、おれたちの命の恩人だな」

ウンウン、とマリーとシオンがうなずいている。受付さんは、怪訝そうにしてるけど。

こっちはそう言われると、どう反応していいか悩むんだけど……。

「じゃあまたな」

トキワは受付さんに軽く手を振って歩き出した。


コンコン。

ドアをノックする。

「おれだ。戻ったぞ」

「トキワ……か。……入れ」

なんか疲れたよーな声がした。トキワがドアを開けると、そこは落ち着いた感じの、おそらく執務用の部屋と、机に着いているトキワくらいの年の男性(ただし耳が長い……妖精かな)と、その隣に寝そべる一匹の大きな天狼。

「戻ったぞ」

「……ああ、待っていた。先ずは報告を頼む」

「おう。シオン」

「はい」

どうやら報告係はシオンらしい。

「……ということで、キキョウを連れて来ました」

シオンはあたしに会ってからのことを、全部話した。あたしの能力やどこから来たのかも。……泣いたことは話さないでくれた。ありがとー。

「なるほどな。こいつが聴いたとおりか……」

はあ、とギルド長さんはため息を着いた。無理もないけど。

「はい。トキワたちに知り合えたお陰で、本当にたすかりました。それで、お訊きしたいことがあるのですが」

「……使い魔の事と、神殿行きについて、だな」

「はい。それとギルド長さんのお名前も、まだ伺ってないのですが。

あ。わたしはキキョウと申します。よろしくお願いいたします」

人の名前を訊ねるなら、先ずは自分が名乗らないと。

「ああ、わたしはモエギだ。見てのとおりエルフだ。よろしく頼む」

やっぱりエルフでいいのか。種族の名前についても、シオンに聞いとかなきゃ。

「で、先ずは神殿行きについてだが、こちらから神殿を訪ねることについての伺いをして、その返事が来てから出発、としてほしい。ギルド関係でとなれば、キキョウについてのごまかしも効くだろうしな。返事が来るまでは、この町で好きにしていて構わない。ただし、ハメは外すなよ。

使い魔については……」

「わたしが話そう」

足元から聞こえた声。モエギさんの天狼だ。

「……キキョウ、あなたの魔力が神々並みなのは自覚しておられるか」

「……はい。神々と同じかはわかりませんが、桁違いに高いことは自覚しています」

「そうか。ならば、あなたが気に入ったものを使い魔にすればよい。何体でも。あなたにはそれを受け入れるだけの器があるのだから。なんなら全ての神の眷族を、使い魔にすることも可能だぞ。まあそこは自分で選べばよいが」

……はい。こんなとこにも強すぎる魔力の影響がありました……。

キキョウ、使い魔選びどうなる?

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