女神様って意外と普通っぽい?
トキワとマリーの内緒話。
実は桔梗にも聞こえてました。
「……あの子のキレイさがなくならんように」
「もちろん」
ーーー
……盗み聞き、しちゃった。
まさかあの人形にこんなチカラがあったとわ……。
あたしは夢を見ていた。んで、人形通して周りの光景とか音とかを拾っていた。
……どうやらあたしの魔力と繋がったまんまらしく、それで同調しちゃったのかな。
最初は面白がってたのよ。夢の中のあたしの前に、防犯カメラの映像みたいに複数のモニター(人形と同じ数)があって、それを通して見てるのは。焚き火に薪を足すように念じたら、ちゃんとその通りに動いてたから。
まさか、マリーがあたしを甘やかしたくて、演技をしてたとわ……。
……ホントにまいったなー。子供っぽい態度とっときながら、実はかなり大人だったってことだもんね。
「あー。ホントに敵わないなー」
(仕方ないわよ。あの子はあたしの加護持ちで、人の感情の機微を察するのが得意だから)
……はい?
なに、今の声。日本語でも英語でもなく、直接意味が伝わってきたような……。
(念話っていうの。あたしはそこから遠い、王都の神殿にいるからね。話しをするにも念話じゃないと通じないでしょ)
いやまあそうだとしても、イキナリ人の夢の中に話しかけられても……。
(まあいいじゃない。ちょっと話しておきたいことがあったから。あ、そうそう。あたしの名前はトパーズっていうの。よろしくね)
トパーズ……。たしかそれって、女神様の名前じゃ?
(そーよ。大地の女神、トパーズとはあたしのことよ)
えっへん、という擬音が聞こえたような。
……なんか言葉使いが砕けてるし、結構普通っぽい?
まあいいや。聞きたいことがあったし。
(あなたを誰が呼んだのかってことよね。ゴメンナサイ、今はまだ言えないの。ただ、あなたをこの世界に呼んだのは、あたしたち神じゃないわ。だからこそ、あなたに制約が掛かってないんだけどね)
?じゃ、誰が?
(それについて詳しく話したいから、あたしの神殿に来てほしいの。その時に全部話すから、お願い!)
……お願いって。
(あ、そうそう。こっちに来るのはいつでもいいわよ。お願いしてるのはこっちだし。ゆっくりとこの世界を知って、好きになってくれれば、嬉しいから)
……そうですが。わざわざ念話で来いと言っても、急ぎではないと。
(急ぎは急ぎだけど、あなたを縛る権利も義務もないもの。
あとはっと、……魔術についてだけどね、言葉について広めるのだけは、やめてもらっていい?)
……制限は言葉だけ?
(そ。実はね、今伝わってる魔術語で、大規模な魔術が使えるようなものってないの。ないって言うか、伝えてない、伝わらないようにしてるってのが正しいけどね。だけど魔術の応用については、色々考えてほしいって思ってたのよ。ただこの世界の人たちって結構固定観念みたいなのがあってね。だから、色々考えて実行してくれるとウレシいかも♪)
……いいのか……そうか……。
(ということで、待ってるからねー。
そうそう。天狼がいたらあたしの眷属だから、使い魔にすると便利よー)
……天狼とやらのイメージが伝わってきた。羽根の生えた狼、か。だけど便利って、なんで?
(いつでもあたしと連絡とれるし、魔力や気配の探知に優れてるの。あなたの助けにもなるわ)
……あたしに鈴をつけるか!
(大丈夫よー。ストーキングはしないから。じゃ、待ってるわね。バイバイ♪)
……。
女神がこれでいいのだろうか……。
この世界のカミサマって、実は人間っぽい、ってか軽い?
まあ、すべては起きてから考えよ。
おやすみー。
ちょっと設定の関係で、神様たちは人間っぽいです。
そこまで書けるよう、頑張ります。
それでは、よいお年を。




