王都到着、クリーム作成
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読んでくださった方々、ありがとうございます!
広い、でっかい、お祭りか。
はい。王都に到着しました。道中は特に何にもなかったし、省略ってことで。
で、王都。とにかく大きい。
プレナイトの数倍あるなー。
「驚いたかい。ここは国中の全てがあつまるんだよ。で、こっから転位門で他の国に送られるんだー」
そう。この世界の国どうしは、海で分割されている。そのため、輸送は海岸に沿っての船での移動か、神々が設置したという転位門を使うかになる。
転位門は各国の王都にあるため、王都がもっとも栄えることになる。
「それでは、わたしはここで失礼します。お世話になりました」
御者さんは挨拶して行っちゃった。
「それじゃ、ボクは先に神殿に行って報告してくるから。キキョウさんたちはお昼どっかで食べてから神殿に来てね」
「神殿よりも、町の食堂の方が美味しいものが食べられますから」
神殿は粗食が主だしね。
ヤマブキさんと天狼さんはそう言って、先に神殿に向かった。
「じゃ、町をぶらぶらしながら、うまい飯屋を探すか」
「さんせー」
到着したのが昼前だったので、みんなで観光がてら美味しいものを探しに出発した。
「ん?なんかいー匂いする?」
「そうねー」
あたしとマリーが向いた先、一軒の食べ物屋さんがあった。お客さんは、女の人が多いみたい。
「気になんなら、入ってみるか?」
トキワの一声で、あたしたちは店に向かった。
入ってみると、やっぱりあまーい香りがする。
食べてるものは、パンケーキにシロップをかけたものとか。
席についてメニューをみると、全部パンってなってる。ただ、甘味を練り込んだり、ドライフルーツ入れたりと、バリエーションはけっこう豊富。
ふむ。これは、やっちゃおっか。
「ちょっと注文待ってもらっていい?」
「もちろんよ。楽しみにしてるわ」
「あー、すくにしろ」
うんうん。
……最後のはシオン。特に言うことはなしっと。黒羽はずっとソワソワしてる。
よし、やるか。
「すみません。このプレーンのもらえますか?
あと、大きめの器にミルクをタップリ、液糖、ボールも。
あ、それと、ここの料理長さんも呼んでほしいんですけど」
「はあ?」
ま、こうなるか。
「液糖作ったの、あたしなんです。ここのパンを見て、ちょっと思い付いたことがあるんで」
「!わ、わかりました」
さすがに注目されてるな。あたしとしては、すでにここら辺のが伝わってたことに驚きだけど。
「……あんたがこの液を作ったのか?」
「あ、料理長さん?作ったと言いますか、作り方を教えたと言いますか……。取りあえずちょっとやりたいことあるんで、見ててもらえますか?」
……。
無言でうなずいてこっち見てる。それじゃ、やろっか。
まずはミルクの脂肪分を分離する。この世界のミルクって牛乳じゃないから、なんか自然とは分離しないんだよね。
上澄みの脂肪分を掬ってボールへ。
ここでちょっと味見してもらう。
「……こっちはずいぶんさっぱりしたな」
脂肪分抜けたからね。
「これを水の代わりにいれても、味が変わっていいと思いますよ」
うむ、とうなずいてる。
次にこっち、分離した方を泡立てる。クリーム作りだね。
液糖をいれ、泡立てはじめる。泡立て器は自前。
キレイに作りたいから、ボールを魔術で冷やしつつ泡立てる。
うん。角がピンと立ったら出来上がり。これも味見してもらう。……って、そろそろまわりの視線がキケンかなー。
「これは……」
料理長さん、うなってるし。
最後、このクリームをパンケーキにのっける。その上で小さめにきりわけた。……すいません。パンケーキ追加しといてください。
お店の人が取りに行ってる間に、こっちは試食会。
よし、美味しい。
マリーたちも、料理長さんも、うなずいてるし。あ、黒羽ちょっとがっつきすぎかも。
追加できた分にもクリームのっけてお客さんたちに味見してもらった。なんかみんな幸せそうになってるな。
「一つだけ注意してもいいですか?」
「なに?」
まわりのお客さんたちが首をかしげる。
「これ、甘いもの食べ過ぎると……太ります」
ピキっと音がしたようだった。プレナイトでも一応伝えて、みんなちゃんと注意してたけど、こっちまでそれは伝わってなかったか……。
「あ、あとこのクリームに、果汁とか入れてもいいですよ」
「確かにな。だが、この分けるのはどうすればいいんだ?」
あーそれは。
「これ、ミルクの中の脂肪分を分離したんです。専用の魔道具を作ればいいんですよ。あと、泡立てるときは冷やした方がいいです。これも、魔道具作ればいいですね」
「作ればって、何を簡単に……」
簡単でっす。
リュックから大きい寸胴鍋(何かに使えっかもと持ってた)に分離と刻んで染料を刷り込む。これで分離用の魔道具完成。
あとは同じように、さっきのボールに冷却と刻めばおっけー。
「出来ました」
「……」
なれてるみんな以外の人たちが絶句してる。この光景も慣れちゃったけど。
「あ、この魔道具の代金は、今日の食事代とお土産代でいいですよ」
「……あ、ああ……。?土産?」
「はい。クリームがのった小さめのケーキをいくつかください」
「ケーキ?」
あ、そっか。
「あたしの故郷では、こういうのケーキって呼んでたんです」
「なるほど、ケーキか。よし、その呼び方もらった。ケーキも好きなだけ持ってけ!」
……というわけで、ヤマブキさんたちと、女神様たちのお土産ゲット♪
さっそくやっちゃってます。
食べ物に冠しては、少々暴走ぎみ、かも。