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海を渡る蝶のように ミツコ伯爵夫人

作者: てらだまゆみ ののみやゆい

ミツコ・クーボンホーフ・カレルギー伯爵夫人

・歴史の話をモチーフにした小話です

海を渡る蝶のように


時は明治の東京

まだ 幼さが残る愛らしい顔立ちの少女

平民の少女 青山ミツ・・

一人の異国の青年が 馬から落馬して 彼を介抱したことにより

その運命は大きく動きだす


語学堪能な欧州の偉大なるオーストリア・ハンガリー帝国の外交官

ハインリッヒ・クーボンホーフ・カレルギー伯爵

「今日も綺麗で素敵だよ ミツコ」 

彼女の親には 反対されて 彼女は絶縁という高い代価を支払った

「君を守るよ」彼女を抱き寄せて 彼は耳もとでささやいた


誰にも・・ラシャメン(※現地妻または外国人相手の娼婦)などという不名誉な事を二度といわせるものか

辛い思いもさせない

「君は私の花嫁だ」 教会での正式な結婚式と日本政府へ提出した婚姻届の書類


あの哀れなマリーの二の舞などには けして・・日本に赴任する前に恋に落ちた

平民のマリー明るくて優しい娘・・彼女は 身分の違い・・私との恋に耐えられず

自殺してしまった・・恋など もう二度としない そのはずだったのに

この異国 日本で 僕の心を一瞬で 溶かし入り込んでしまった 私のミツ・・ミツコ


「貴方様 あの今日も馬の乗馬のレッスンですか?」 「食事のマナーも語学も

乗馬も大事なレッスンだよ ミツコ」

「・・・・」

「どうしたんだい?」 

最初 悩んでいたものの 意を決して 新妻ミツコは 夫に抱きつき

耳うちをした 「赤ちゃんが出来ました」

目を見開く

最初の長男ハンス・クーボンホーフ・カレルギー伯爵(日本名光太郎)

ミツコを抱え喜びの声を上げる 「ミツコ!」「貴方様」

「パパって もっとフランクに」ウインクひとつ

「あ、はいパパ」

そして この東京の地で EUの父となる運命を持った

次男リヒャルト・クーボンホーフ・カレルギー伯爵(日本名栄次郎)も授かる事となる


それから 後のこと

「まあ 貴方様 貴方 パパ なんてこと

平民で普通の娘だった私が 天皇陛下さま方にお会いする日が来るなんて・・」

楽しげに笑い それから いかにもがっかりした・・という風情で

やれやれと手を振り 夫である男は言う

「君はね ミツコ 欧州でも、もっとも巨大な帝国である皇帝の大使の妻

帝国の貴族の妻なのだよ」 クスクスと笑う

「ねえ ミツコ 皇后さまから頂いたという象牙の扇をもう一度見せて

この下賜品はすばらしいものだね」

「誇らしいわ でも 日本人として誇りを持ってゆきなさい・・と皇后さまに

鼓舞されて そうね 私は頑張らなくては」

「大丈夫 ミツコ 僕がついてる」


大使としての役割を終えて 私達は 大きな客船に乗って

海を渡る

「日本が遠くなる」「ミツコ 大丈夫 マカオに赴任する手筈になっている」

「マカオなら 日本にも近い 行き来きも楽だよ

それにあの国なら貴方も子供達ものんびりとすごせるだろうから」

「異国人との妻たちや子供らも多い」


「でも その前に 僕の故郷や巨大な帝国の皇帝にも会えると思うよ

君は最高のレデイだよ」 そっと頬を染める 「マム!」「はい私の坊やたち」

子供らを抱きしめる


そう小さな蝶や小鳥さえ 海を渡る


そして 彼女もまた・・ただ愛を灯火にして

チャイナや朝鮮半島 それから東南アジアを巡って 船はスエズ運河を駆け上る

地球を半周して帝国へとたどり着く  


だが・・運命は その帝国の地にあり

マカオに行くことなく

さらに5人の子供を授かり 夫に先立たれながらも 彼の愛を胸に

時に差別と戦いながら この地の 神聖ローマ帝国の名と歴史を受けついだ帝国で そして

その社交界で生きてゆく・・やがて来る落日の帝国と2度の戦争の嵐が レデイ・ミツコと

その7人の子供らの運命を翻弄する・・。



伝説のひとつ

有名な香水のレデイ・ミツコ   

発売当時は香水のモデルとは 関わりはないと

されたものの 当時 ミツコ・クーボンホーフ・カレルギー伯爵夫人は有名人であり

近年では そのように明記される場合もあるようです


EUの父

次男リヒャルト・クーボンホーフ・カレルギー伯爵

映画カサブランカのモデルでもある



歴史を元にしたフイクションを含む小説

しかし 出来事は実話などを参考にしてます

歴史の面白さを感じていただければ 幸いです

文章が 今回は今少しだったかも・・^^;

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