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087 陛下との会談

おはようございます。こんにちわ。こんばんわ。

今回は、かなり短い内容になります。ご了承ください。

「申し訳ありませんが、コンラーディン様にレオンハルト様。陛下が別室にてお待ちです。一緒に同行してもらえますか?」


王太子殿下やレオンハルトに話しかけてきた騎士は、先程話をしていた人物。守護八剣の第一席、煌光(こうこう)のアルフレッドだった。


 帝国最強の騎士にして、帝国内最強の称号である守護八剣の第一席。アルフレッド・ディル・フォン・アストレア。アストレア子爵家の当主でもある人物。白っぽい金髪の三十代後半の男性。


 アストレア家は元々男爵家の家柄で騎士を生業にする家系だったが、彼が一族の中でも類を見ない剣の才を見出し、手柄を上げ陞爵した家でもある。言うなれば騎士になるべくして生まれた人物だと言う事だ。


 (レオンハルト)を誘ったのは、恐らく俺がアルデレール王国の貴族当主であり、魔族殺しの英雄と呼ばれる人物だからであろう。それに・・・・恐らくアレの事も十分考えられるとジークフリートからこっそり教えてもらった。


「分かりました。他の者は?」


 王太子殿下の問いかけで、呼ばれたのは王太子殿下に俺、シャルロット、リーゼロッテ、ティアナとリリーにエルフィーの八名、それと護衛としてジークフリートを含め三人の騎士。


 他の者は先程の応接室に戻りゆっくりした後、皆の所まで送ってくれるそうだ。


 ティアナとリリー、エルフィーが呼ばれた理由も恐らく上級貴族の御令嬢だからであろう。シャルロットとリーゼロッテは、三人を誘っておいて二人を誘わないからだろう。もしかしたらリーゼロッテの事は知っているかもしれないが・・・。


 アルフレッドに連れられて別の部屋に案内される。


「すまないな。再度呼び出してしまって」


「いえ、此方としましても妹の件でご迷惑おかけした謝罪を行いたかった所なので」


 同室にいた使用人が席に案内してくれる。陛下と王太子殿下が話をしているうちに飲み物が運ばれてくる。


「そうじゃ、其方たちの事を聞きたくて呼んだんじゃった」


 ジギスバルト陛下は、此方に向かって陽気な表情を浮かべて話しかけてくる。謁見の間での様子とはかなり違って見えた。と言うか実際にかなり柔らかい雰囲気(オーラ)をしている。


「きちんと自己紹介しておこうか、儂はジギスバルト・ルードルフ・フォン・アバルトリアだ。公の場では話しにくかろうが、今は非公式だ。ジギスとでも呼んでくれ」


「いえ、流石にその様にお呼びするのは・・・陛下と呼ばせていただきます。それで自分はレオンハルト・ユウ・フォン・アヴァロンです。アルデレール王国では、準男爵の爵位を得て冒険活動を行っています」


 レオンハルトに続く様に彼女たちも自己紹介をした。


「レーア王女を救ってくれたとか、儂からも感謝する」


 他国の姫の事を何故ジギスバルト陛下がお礼を言うのか理解できなかったが、その訳を同席している宰相が教えてくれた。


 宰相曰く、アバルトリア帝国の公爵の息子とアルデレール王国の第二王女のお見合いと言う名前の縁談。その最中に何かあれば、此方の領土でなくても国同士で争いが起きかねない出来事なのだそうだ。その話を聞いた時コンラーディンは顔を暗くしていた。


 確かに自国の王女様が他国へ縁談に向かっている時に何かあれば、時と場合によってはかなり大事になっていただろう。いや、実際は大事なのだが、それよりも遥かに・・・・そう、国が争ってもおかしくない。


「先程もお伝えしましたが、縁談を此方から話を持ち掛けておいて破棄しました事、申し訳ありません」


「それは致し方なかろう?甥も気にしておらんようだしな。本人が気にしておらんのだ儂らが気にする事もなかろう?」


「ええ、陛下のおっしゃる通りかと。コンラーディン王太子殿下、謝罪はしかと承りました。それでレーア王女様は今どうされていますか?」


「其方のレオンハルト殿と婚約を致しました」


 その言葉に驚く陛下たち。それもそのはずで、一介の準男爵の地位の者が王族と婚姻をしたのだ。降家にしても上級貴族までで、下級貴族の分類に入る準男爵ではどうしたってあり得ない。あり得るとすれば、それは陞爵を前提にしていると言う事。


 その後、会談中にまさかの帝国子女を勧められそうになり、ティアナとリリーが懸命に阻止していた。


 この場に居る五人とも婚約していると知ると、流石の陛下も顔を引きつっていた。


「魔族殺しの英雄ともなれば流石だな。英雄色を好むと言う言葉もある事だしな。ガハハハッ」


 豪快に笑う陛下を他所に、俺自身もどうして嫁が六人もいるのか不思議でならなかった。元日本人からすれば一夫一妻が普通・・・と言うか複数人居る場合社会的に制裁を受けるのだ。だから男は、妻に内緒で他の女と遊んだり、浮気したりするのだ。


 しかも何が凄いかと言うと、そういう事を旦那が行い始めると女の勘と言うもので、高確率で怪しまれて突き止められたりする。


 とまあ話は逸れてしまったが、そんな世界で生きてきたレオンハルトこと伏見(ふしみ)優雨(ゆう)は、果物の時同様、戸惑う案件の一つがこの一夫多妻制だった。


 これまでは、あまり意識をしてこない様にしてきたが、コンラーディン王太子殿下やジギスバルト陛下たちがその会話をすると嫌でも意識してしまう。


 別に彼女たちが嫌いなわけでもない。まあ恋愛感情かは兎も角、普通に好きな人たちではある。


 それに、想い人であるシャルロットこと窪塚(くぼつか)琴莉(ことり)から複数の女性を娶る事に対して嫌悪感を与えたくない。


「正妻は、やはりレーア王女か?」


 どの時代、どの世界だろうと男の話の中でこういう女性関連の話は良く盛り上がる。特に自分以外の時の話は・・・・。


「妹は第二夫人の予定ですね。第一は彼女(シャルロット)ですよ」


彼女(シャルロット)か?何処かの王女か何かか?」


 ティアナやリリーたちは公爵令嬢の娘たちと貴族の娘と言う事を説明しているが、シャルロットとリーゼロッテは普通に紹介して終わっている。だから、何処かの王女かと勘違いしたのだ。


「まあ、容姿は帝国内でもトップクラスの美少女だろうな。それに頭の回転も凄そうだな」


 何故そう感じたのかと言うとこれまでの会話の内容を聞き理解した上で話をしてきていたのだ。教養を身に付けていなければ難しい話も含めて。加えて物怖じしない度胸もそう感じさせる要因となった。


(レオンハルト)の事を誰よりも理解しているからだろうね」


「なる程の」


 結局この会談は途中から変な方向に話が進んだが、王太子殿下にとっては謝罪がしっかりでき良い会談になったそうだ。


 王太子殿下はこのまま婚約パーティー開始日まで帝城内の客室に滞在する事になり、俺たちは馬車で仲間たちが居る城下町へ送ってもらった。











 それから数日後、レーア王女と縁談の話が上がっていた現皇帝の甥にあたる人物、この国の重鎮の一人で皇帝の弟にあたるエーヴァルト・アルバン・フォン・ブラント現公爵。その息子のヘンドリック・ディル・フォン・ブラント次期公爵とその婚約相手である同じ帝国の公爵家、ハウゼン公爵の次女のフリーダ・エラ・フォン・ハウゼンの婚約パーティーが開催された。


 二人は、同年代の幼馴染で、お互いに好意を寄せていたそうだ。本人には内緒でレーアとの縁談の話をしたところ、とても寂しそうな表情をしていた。理由を聞いても分からなかったが、ある時使用人の一人が、ハウゼン家の三女と仲が良いと言う話を聞いた。


 その少女も息子の縁談の話を聞き酷く落ち込んだ様子だった事から、互いに好意を持っていると知ったのだとか。


 偶々、縁談の話が白紙に戻り息子たちは元気になり、ハウゼン家の当主と話をして、息子の嫁に来る気はあるのかどうか本人に確認して現在に至る。


 この内容は、ジギスバルト陛下と会談している時に聞いた話だ。


 婚約パーティーに出席したのは、コンラーディン王太子殿下は招待状を貰っているのだから当然なのだけれど、何故か俺まで参加させられることとなった。しかもシャルロットたち仲間も全員参加させてくれるらしい。


 おかげで、洋服屋で大至急パーティー用の服を作ってもらうことになり、大急ぎで製作してもらうよう頼んだ。おかげで、かなりの出費をしてしまったが、臨時収入もたんまり入ったので、まあ問題はなかった。


「おいレオン。着替えは済んだのかよ?そろそろ時間だから出発しないと」


 仲間たちに連れられて婚約パーティーが行われている帝城に向けて準備を進めるのだった。因みに他の冒険者は入れないそうで、今も帝都内を満喫していた。


 騎士たちは、帝城の外の一角を警備していたりするのであった。


次回は、婚約パーティーについて書いて行こうと思います。

今後も応援よろしくお願いします。

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