052 王都旅立ち
朝晩が涼しくなって来ました。今年もあと僅かですね。
最近、災害が増えているので、災害に遭われた方は、希望を捨てずに頑張ってください。
災害に遭われていない方は、災害はいつ起こるか分かりません。事前に準備など心がけてください。
朝日が、王都に差し込むよりも早い時間。空は闇の様に真っ暗な状態から少しずつ明るくなり始めているぐらいのそんな時間帯に一人。宿屋の裏庭で型稽古を行う。
王都と言ってもこの時間から活動をし始める者は少ない為、大都市と言ってもとても静かな空間が生まれている。その空間を型稽古により風を切る様な音が微かに聞こえていた。
「ふぅー」
最近、朝の訓練をさぼり気味だったレオンハルトは、久しぶりに早起きして訓練を開始していたのだ。
さぼり気味と言っても魔族が王都襲撃してくる前の日までは毎日行っていた日課なので、それ程さぼっていた訳でもない。
何かに集中したい時とか、気合を入れ直すと言う意味に今回は近いのだが。と言うのも昨日、王城に呼ばれて戻ってくると仲間たちが心配そうにしていて、食堂に集まって事情を説明した。各々は、その事情に安堵し戻っていく中で、レオンハルトはシャルロットを呼んで、お茶会の事を話す。
前世から好意を寄せていた彼女に対して、黙って他の女性と会うと言うのはどうにも気が引けてならないからだ。シャルロットは、その話を聞き少しだけ表情を崩したようにも見えたが、直ぐにいつもの明るい表情で「うん。わかった。あんまり粗相をしないようにね」と声を掛けてくれる。
彼女に現在も好意を寄せているが、今はそれよりも彼女を守る。幸せになってほしいと言う別の使命感・・・・・いや前世で達成できず、後悔した事を優先している。
その一瞬みせた僅かな表情は、果たして幸せにさせてあげられているのだろうかと再度考え直し、朝早くから今日のお茶会を含めて、自分自身に対して覚悟を改めるための訓練だった。
「さて、次は走り込みをしてくるかな」
型稽古を終えたレオンハルトはランニングを行う為、そのまま王都内へとくりだした。
(今日から始めたんだ・・・本当は、行って欲しくないと思ったけど、これって我儘だよね?)
レオンハルトが、外で訓練をしている中、一人その様子を自室から眺める少女。昨日の事を聞いて不安になり始めている少女は、それを止めるすべがない事も理解しているから、無理やりに納得したというそんな寂しいような悲しい表情で窓際に立っていた。
(私、前はどうやって彼にアピールしてたっけ?)
前世の時は、彼の同期の子や自分の同期の子と一緒に食事に行ったり遊びに行ったりしていたし、二人だけでも出かけていた事も何度もあった。その時はお互いが声を掛けて誘っていたが、今は幼馴染と言う近すぎる存在にどうしても彼との距離感を掴みあぐねているのを実感する。
傍から見れば、幼馴染羨ましいと思うかもしれないが、これは実際、距離が近すぎるがゆえに恋愛に発展するのはかなり勇気がいる。特に時間が立ちすぎると余計にそう感じ取れるものなのだ。
友達以上恋人未満。そんな間柄に加えてレオンハルトとシャルロットの間には、他にも前世の記憶を共有するパートナーであり、共に孤児院で暮らした家族。この中途半端な立ち位置が余計に悩む原因となっていたのだ。
レオンハルトが戻ってくるまで、シャルロットも心の整理を行った。
「では、其方の名前は今日からレオンハルト・ユウ・フォン・アヴァロンだ。これからもこの国の為に最善を尽くせ」
謁見の間で、アウグスト国王陛下から新たな家名を正式に授かる。家名をアヴァロンとし、ミドルネーム的なものに前世の名前を使用した。
アヴァロンを選んだのには、これと言って理由は無いが、簡単に言ってしまえば紋章官と話し合いを続けてもこれと言って良い名前が思い浮かばず、悩んでいた時にふとある過去の貴族の名前に目を向けた。そこには百年程前にディースターヴェーク子爵と言う名前があった。ディースターヴェーク家は、戦争で一族が潰えた為、無くなってしまったと記述していたが、その最後の当主の名前はアーサー・クロイツ・フォン・ディースターヴェーク子爵。そのアーサーと言う名前に着目したのだ。
前世でアーサーと聞けば間違いなくアーサー王と連想する。有名な物で言えばエクスカリバーやキャメロット城、十二人の円卓の騎士等があげられる。アーサー王の名前はペンドラゴンで、その名前でも良いかと思うが、連想が安直な感じもしたため。
アーサー王が最後を迎えたと言われるブリテン島にあると言われる伝説の島アヴァロン。そのアヴァロンをそのまま家名としたのだ。
家紋は、弓と日本刀をモチーフにした代物にしている。本当は前世の物を持ち込みたかったのだが、今後の事を考えてやめる事にした。具体的には弓と日本刀と日本の国旗か日本列島を背景に持って行きたかった。
謁見後に宰相のエトヴィン、ラインフェルト侯爵家の当主リーンハルトと会談をし、お茶会の時間になると王城の中庭でお茶会をしているティアナとリリーの元に向かった。
「いらっしゃいませ。レオンハルト様・・・いえ、アヴァロン様」
主催したティアナがお出迎えの為に此方に歩み寄り、丁寧な挨拶をしてきた。
「お招きしていただき、ありがとうございます。到着が遅くなってしまいましたこと申し訳ございません。それと、今まで通りレオンハルトと呼んでいただければと思います。何分、若輩な上に先程、家名を正式に陛下から頂戴したばかりですので」
ティアナに対し、レオンハルトもその場でお辞儀する。アヴァロンと名前を付けたが、呼ばれ慣れていないので、自分に話しかけられているのかどうか一瞬分からなくなるのだ。
ティアナは、武術大会の時の様な戦う時の服装ではなく、可愛らしいフリルをあしらったドレス姿、舞踏会で着る様な本格的なドレスとは違う少しラフな感じのドレス。カクテルドレスに似た風なドレスだ。
淡い青色が彼女の金色に輝く髪と良く合っていた。
こういう姿を見ると、戦っている時には感じられない高貴さと可愛らしさを同時に感じてしまうが、それは恋愛対象としてではない。良い年をした大人が、背伸びをして大人になろうとしている子供を見た時の様なものだろう。
ティアナに案内されるまま中庭にあるお茶会の会場へ向かった。
「・・・・・」
話では、ティアナとリリーの二人が居るはずなのに此処に居るのは予定の二人とは別に二人の少女がお茶会に参加していた。
「これは、王女殿下。到着が遅くなってしまい申し訳ございません。それにラインフェルト様、シュヴァイガート様も申し訳ございません。殿下がおいでになると分かっていれば、もう少し早くお伺いしたのですが・・・」
レオンハルトはすぐさま、膝をついて貴族が行う正式な挨拶を行った。
彼は、別にお茶会に遅刻したわけではない。寧ろ呼ばれていた時間よりも四半刻とまでは行かないがかなり早めに到着していた。
今回主催したのは、フォルマー公爵家の息女ティアナ嬢とラインフェルト侯爵家の息女リリー嬢の二人だ。そして、俺以外にこの場に呼ばれていたのは、この国の第二王女レーア・エル・フォン・アルデレール様とシュヴァイガート伯爵家の息女エルフィー嬢までが、この場に参加していた。
「いえ、レオンハルト様。どうか、面を上げてください」
王女殿下の言葉で、顔を上げる。
「私たちが早く来過ぎたので、お気になさらないでください」
そのまま、ティアナたちに連れられてお茶会の席に座った。
「皆さま、今日はとても可愛らしいですね」
これは事前に、王城に勤める給仕係から教えられていた事で、貴族男性は女性を褒める事を忘れてはならないと言う事だそうだ。特にこの様な催し物が行われている場でオシャレをしていたら。
王女殿下は、参加者の中で一番派手な装飾をあしらった赤いプリンセスドレスを見に付けており、髪も少し巻いた感じに手を入れていた。お姫様らしい見た目をそのまま再現していた。
逆にリリーは、この中では一番庶民的に近い格好で、ワンピースタイプの緑色のフレアドレス。それもフリルなどは無いがレースで着飾った落ち着いた服装。これもドレスと言う事で、粗相にはならないらしく、ただ子供が着る場合、着る物を選ぶ服装なのだが、違和感は全くなかった。
エルフィーは、黄色のフレアドレスで、リリーの物よりも少しだけスカート丈が長い。此方のドレスはレースではなくフリルとリボンで可愛らしくアレンジされており、色も淡い黄色をグラデーションの様に変化させていた。
「ありがとうございます、レオンハルト様。レオンハルト様にそう言っていただけたのなら、本日オシャレをしたかいがありましたわ」
「はい。皆さまと違って私は子供っぽいので、とても心配でしたが、レオンハルト様にそう言っていただけたのでうれしいです」
王女殿下とエルフィーが彼の言葉に対して頬を赤くして返事する。
「レオンハルト様も、とてもかっこいいです」
リリーも皆と同じような反応をしていた。
「それでは、お茶会の続きを致しましょうか」
ティアナの合図と共に後ろに控えていた給仕係数名が、準備を始める。
テーブルに置かれたケーキスタンドには、フルーツを使ったタルトや軽食用のサンドイッチ、スコーン、カラフルなゼリーがあった。
時間的には昼食を食べ終えた後のお茶をする時間帯なので、小腹がすいていた場合にはちょうど良かったりする。
飲み物の紅茶はダージリン。前世と同じ物があると言うのは、非常にありがたい事だ。
お茶を飲みながら、それぞれ会話を楽しむ。基本的にはレオンハルトに対して全員が色々聞くという構図ではあったが・・・。
「そう言えばレオン様は、近いうちに王都を離れるのですか?」
このお茶会の間にそれぞれの呼び方が決まった。冒険者になる前からの知り合いエルフィーは、レオンハルトさんと呼んでいたためそのまま継続して呼ぶようになり、第二王女のレーア殿下は、レオンハルトの事も呼び方をこれまで通りのレオンハルト様と呼び続けている。本当は愛称で呼びたいのだそうだが、立場上それは敵わない。もっと厳密に言えば、レオンハルト様と呼ぶのも実はかなり怪しい部分ではある。以前は家名が無かったので、そう呼ばざるを得なかったが、今はアヴァロンと言う家名があるので、アヴァロン様若しくは、アヴァロン騎士爵と呼ばなければいけない。
それに引き換え、王女殿下の様な立場をそれ程気にしなくても良いティアナとリリーは、それぞれレオン様とレオ様と呼ぶようにしたらしい。この辺りはユリアーヌたちが、レオンハルトの事をレオンくんとかレオくんと呼んでいたのを参考にしたようだ。
ティアナの問いに他の三人も興味深そうにレオンハルトの顔を見る。
「そうですね。出発の準備は今日中に終えるので、明日には出発するつもりですよ?」
準備自体はかなり前から済んでいたのだが、昨日の王城の呼び出しを受けて、若干予定が狂ってしまったが・・・・。ただ出発日時の変更はない。あくまでもレオンハルト個人の用事が遅れただけだ。
彼の答えを聞いた三人は、落ち込んだ。特に王女殿下は、国王陛下から聞かされていなかったのか、出発日時が明日と知り、酷く落ち込んでいた。
「やはりそうでしたのですね?御爺様から旅の準備を整える様に言われておりましたから」
・・・・・ん?
今のエルフィーの発言に色々確認しなければならない事が出来る。
それもそのはずで、実はレオンハルトたちには内密にエクスナー枢機卿自ら率先して動いていた事案なのだ。
「エル・・・さん?それは、どう言う事で・・・・しょうか?」
「ええっと・・あっ!!これをレオンハルトさんに渡すように言われていました」
エルフィーからエクスナー枢機卿の家紋が押された封蝋の手紙を受け取る。その場で給仕係からレターナイフを受け取り、切り開ける。
上質な紙が数枚入っており、それをその場で読み始めた。
手紙を要約すると、レオンハルトが冒険者兼行商人として王国内外を旅する事を聞き及んでいる。それに伴い、自分の孫をその旅に同行させてくれないかと言う内容だった。
孫は、聖魔法を使えるだけではなく、家事全般を現在習得していると言う事、また薬学や薬草学についても少し学んでいるので、きっと何かの役に立てるとあったし、世界を回る事で新たな知識や経験を身に付ける事も出来るだろう。それを自分には経験させれないと言う事まで書いてあった。
教会の仕事で、色々な地域の色々な人に治癒魔法を使ってきたのは、彼女に世界と言う物を知ってもらう為だったらしい。
(んーそんな理由だったかな?)
ちょっと綺麗に書き過ぎではないかと疑ってしまう。そもそも博識を持たせるためにあっちこっちの町や村に行っていたような感じではなかったはずだ。まあ実際はそう言う部分もあったのかもしれないが。
レオンハルトにとって、別に悪い話ではないが、これと言って困っていない部分の人手の補充は、かえって邪魔になりそうな気がすると考えた。
普通の冒険者のチームであれば、治癒魔法が使える人物は、喉から手が出るほど欲しい人材だろう。だが、自分たちのチームには、治癒魔法が使える者はレオンハルトにシャルロット、リーゼロッテ、ヨハンの四人もいる。
薬学は、当然レオンハルトとシャルロットの方が上だし、薬草学も同様だ。
治癒魔法だけは、ヨハンよりも上なので自分たちのチームでもそれなりには活躍してくれるはずだ。それにそれぞれの役割を考えると、居ても良いかもしれないと気持ちもあった。
治癒魔法が使えるレオンハルトとリーゼロッテは前衛、シャルロットは弓と魔法を使用した中衛と後衛、ヨハンは魔法の攻撃と補助を行う中衛。全員が全員、治癒魔法が使えるがそれが専属ではないのだ。
それに、この旅からローレたちの非戦闘員までいるのだ。最悪、其方の方に回ってもらうのもアリではないのかと考え始める。
「エルフィー様ッ!?それは狡くなくてッ?」
三人の少女が、一番年下のエルフィーに対して迫る様に問う。急に三人から攻められたエルフィーはあたふたしながら、此方に助けを求めてきた。
「エル。今日、エクスナー枢機卿は教会にいる?」
真顔で訪ねてきたので、四人ともが固まったように静かになり、エルフィーだけは、彼の問いに答える。
「・・・はい、います。今日は面会の予定はなかったと思います」
「では、お茶会の後で伺いましょう。その時に同行の承諾を正式にお伝えしましす」
色々と考えた結果、エルフィーに同行してもらう事にした。
一番は、やはり治癒魔法の質の向上と薬学や薬草学だけではなく、いずれ医学や医術、調薬等にも手を貸してもらおうと考えたからだ。
エルフィーの表情は一気に明るくなる。今日見た中では一番良い笑顔だった。
しかし、それをこの場で話してしまったのは、ある意味間違えでもあり、エルフィーが旅に同行できるのであれば、同じように考える者も必ずいる。
「レオン様、私もその旅に同行させていただけませんか?」
「レオ様、私も」
「レオンハルト様、あのー私も一緒に・・・」
ティアナは興奮気味にしかも、可憐な姿で居た彼女から武術大会の時の様な迫力さを感じさせながら迫ってくる。リリーはそれ程迫力を出していないが、同じ感じで聞いてきて。最後の王女殿下は、とても気まずそうというか恥ずかしそうに訪ねて来ていた。まあ此方は給仕係たちから強制的にストップが掛けられていたが・・・。
そもそも冒険者兼行商人としての旅に王女殿下を同行させられる訳が無い。そんなのが出来るのは、御伽噺の世界だけだ。
そう言う理由では、ティアナとリリー、エルフィーにも言えるが、エルフィーは治癒魔法の関係で各街へと旅をしていたし、ティアナとリリーも旅はしていないが、卓越した剣の腕がある。公爵と侯爵の令嬢ではあるが、その腕はユリアーヌに匹敵する強さを持っていた。
だが、あくまでも腕があるだけで実戦経験は魔物よりも対人戦闘の方が豊富なので、大型の魔物相手に何処まで通じるかは不明だ。
「レーア様はともかく、ティアナ様、リリー様は行かれるにしてもまず私ではなくご両親にお話ししなければいけませんよ?」
まあ、たとえ俺が許可したとしても、フォルマー公にラインフェルト侯が許可するはずもない。それに出発は明日だ。準備に間に合わない事は理解しているはず・・・。
二人は何故か生き生きとした表情で「わかりました」とだけ返事をし、喜んでいるように見えた。
・・・・事前に許可を取っていない・・・よな?
王女殿下も二人がいけるかもしれないと聞き「わ、わたしも・・・・」と何かを決意した様に見えない所で手を握りしめていた。
話が変な方向に向かった為、話題を変えてお茶会を続ける。
ダージリンのおかわりを貰い飲みながら、ケーキスタンドにあるフルーツタルトを食べる。ベリー系のタルトだったため、甘酸っぱさが口の中に広がり、それがまた紅茶とよく合う。
「タルトのお味はどうですか?」
ティアナは先程の元気さとは異なり、すこし恥ずかしそうに尋ねる。
「美味しいですよ。これは、ブルーベリーとレッドベリーでしょうか?甘さとちょっとした酸味が丁度良いバランスで美味しいです」
ブルーベリーは、前世と同じ物を同じ呼称として存在していたが、レッドベリーは前世で言う所のフサスグリと言うベリー系の仲間。それ以外にストロベリーもあった。
「ありがとうございます」
恥ずかしそうにしていたのが、更に一回りも二回りも小さくなったように見える程縮こまるティアナ。
「そちらのタルトはお嬢様がお作りになりました」
こっそり教えてくる給仕係、恥ずかしそうにしている理由もわかり、更に褒めると、顔を真っ赤にして下を向いてしまった。
公爵令嬢でもお菓子作りはするんだなと考えていたら、折角だから此方も貰うだけではなくて何か提供しようと思い。魔法の袋に手を入れる。
取り出したのはケーキスタンドにあるゼリーが入っている器と同じぐらいの器を合計七つ。給仕係に声を掛けて皆の前に配ってもらうが、二つ余分に出したのは、毒見役用だ。
王女殿下に流石にそのまま食べさせられないので、毒見役がランダムに選んで食べてもらうようにしたのだ。
クリーム色のゼリーの様なそれは、スプーンで掬うととても滑らかに掬い取れた。早速、毒見役の給仕係が一口それを食すと、見る見るうちに表情がとろけだし、そのまま勢いよく食べる。
「―――ッ!!!」
突然、毒見役の給仕係の動きが止まる。
「お、美味しいーーっ」
幸せな表情とはこのことを言うのだろうなと感心していると、王女殿下から質問が来た。
「レオンハルト様、これは・・・これは何ですの?彼女があんなにも幸せそうに食べるなんて・・・」
「あれは、プリンと言うデザートです。色々の種類や食べ方があるのですが、今回はオーソドックスな物を選びました」
レオンハルトが取り出したものは、前世では大人から子供まで好まれているプリン。此方の世界にはない存在だったが、作り方は簡単なので、シャルロットたちと一緒に作り置きをしていたのだ。
「プリン・・・・美味しそう」
今にも涎を出しそうな王女殿下やティアナたち。毒見も終わり、もう一つを別の給仕係に食してもらう事になり、食べた後に安全と判断され、皆でプリンを食べ始めた。
「な、なにこれ!?」
「お、美味しいですわっ」
初めて食べるプリンに皆が大絶賛する。周りに控えている給仕係も羨ましそうに見ていたので、人数分渡した所、非常に喜ばれた。
(まあ、美味しいものは正義だよな)
何故か、それ以降の話はお菓子作りについて盛り上がり、プリンの作り方について尋ねられたので「非公開です」とお断りしておいた。これは、いずれ何処かでお店を構える事になった時のメニューなので、公表は余りしたくは無い。
「お店を作るのであれば、援助しますので直ぐに作りましょう」と王女殿下が言い出した時にはどうしようかとも思ったけど、お店を管理する人や作る人の信頼性などに不安があるなどの理由で見送る事になる。
如何にか交渉で、王城に勤める料理長にのみ条件付きでレシピ公開をする事にした。その条件は第三者にレシピを公開しない事。これはたとえこの国の王様であっても。第二に、レシピ公開の対価として珍しい調味料を少し分ける事。第三にプリンのアレンジで成功した場合、此方のアレンジと異なる物があれば互いにレシピ共有する事の三つだ。
これだけ条件を出せば、レシピが公開されることは無いだろう。まあ仮に何処からか、例えば材料を知りそこから作り方を何度も試行錯誤して作成したとしても此方にはまだ無数にデザートのレシピが頭の中にあるのだから、問題が無いと言えば問題は一切無い。
その条件をすぐさま呑み給仕係に料理長を呼ぶ様向かわせた。今の時間仕込みを行っている頃なので、連れてきて大丈夫かとも思ったが、料理長が抜けただけで料理が出来なくなる程、王城の厨房のレベルが低いとも思えないので、スルーする事にした。
料理長が来る前に素早くレシピを書き上げる。絵やポイントとなる事なども加えて記載。後は魔法で、のぞき見できない様にするのと使用者を固定する魔法を使用した。
完成を見計らったかのように給仕係が料理長を連れてきた。
「何なんだ?今忙しいんだっ!!これは王女殿下ッ!とんだ御無礼を」
料理長はその場で跪く。王女殿下は此処に呼び出した経緯と理由を説明。最後にプリンを実食してもらう。
「ッ!!!」
一口食べただけで、身体全体に電気が走ったかのような感動を味わう。
かなり詳しく書かれたレシピを受け取り、しかもその時に料理長の登録を行う。これでレオンハルトが作ったレシピは、料理長を除いて誰にも見る事が出来なくなった。
カラメルソース何かは何度か失敗すると思うが、作り続ければ失敗する数も減らせるし、プリン自体作るのはそれほど難しくはない。レシピ参照と口頭説明だけで十分できる品だ。
約束の調味料は帰るまでに準備して届けると約束してくれた。
仕込みがあるため、プリン作りは夜からと言う事だが、夕食作りよりもプリン作りに興味が向いているのは、見なかった事にしよう。
それから半刻ほど滞在したのち、お茶会はお開きとなった。
王女殿下や主催したティアナ嬢にリリー嬢へ挨拶を済ませ、レオンハルトは王城を後にする。帰りに教会に居るエクスナー枢機卿と面談を行う為、エルフィーには一緒に行動してもらった。
「お父様ッ!!お願いがあります」
国王陛下の執務室でアウグスト陛下と宰相のエトヴィン、リーンハルトが話をしている所に突然それぞれの娘が執務室に入ってくる。
開口一番に口を開いたのは、一番立場が上の父親を持つレーア。
娘が強く主張してきた内容を聞く。ティアナとリリーも同様との事で、その場に居たそれぞれの父親は、頭を悩ませた。
「レーアよ。幾らお前の頼みでもそれは出来ない。どこかの領地へ行くと言うのならまだしも旅に出させるわけにはいかない」
普段娘に対して優しい父親でも譲れない部分は厳しくなる。例え、それが娘にとって幸せな道であろうと常に危険と隣り合わせにしてはおけないのだ。
「ですが・・・」
「異論は認めん。下がりなさいッ」
厳しい言い方かもしれないが、心を鬼にして言うアウグスト陛下。
エトヴィンとリーンハルトは、国王陛下の圧力で言葉を発する機会を失い、去り際に愛娘たちへ「今日は早く屋敷に戻る。話はその時に・・・」と伝えて、レーア王女殿下と一緒に下がらせた。
三人の少女が部屋から離れた事を確認し、アウグスト陛下は深いため息をついた。
「エトヴィンよ。儂は間違えておったかの?」
娘の幸せを考えるのは親として当然の事。だが、王侯貴族に生まれた以上、自由恋愛で結婚させられないのも事実。娘が誰に思いを寄せているのか分かってしまってからは、こういった悩みを常に考えるようになっていた。
それは、エトヴィンやリーンハルトも同じことであった。
「父親としては間違っているのかもしれませんが、貴族として考えるのであれば正しいと申し上げる他ありません」
「彼が貴族として成り上がってくれば、可能性はありますが・・・・・今はまだ難しいでしょう」
王族や公爵家などの上級貴族と婚姻を結ぶ場合、最低でも同じ上級貴族でなければならない。レオンハルトは現在、騎士爵の爵位を有しているが、貴族の中では最も下級の爵位だ。騎士爵、準男爵、男爵、子爵、伯爵、辺境伯、侯爵、公爵と連ねているが、せめて伯爵の地位まで上がらなければ降嫁させられない。
しかし、陞爵を本人が望んでいるかどうかで大きく変わってくる。何らかの功績を得たり、国に貢献したりする事で陞爵できるのだが、そもそもレオンハルト自体貴族になりたがらない傾向にあった。
今回は、上級魔族の討伐に多大なる功績を収め、それに見合う報酬として騎士爵の爵位を授けたのだが、本当であれば準男爵の爵位でも十分問題は無かった。
準男爵の地位にしなかったのは、単に彼が貴族になりたがらない理由ともう一つは年齢だろう。雰囲気や発言、思考の速さ、戦闘技術どれをとっても大人顔負けの実力だが、それでも彼はまだ、十二歳と言う未成年。元々貴族の生まれでも無ければ、後ろ盾する貴族もいない。
まわりに認められるには、実績を積み重ねる他ないのだ。
「彼は、我々上級貴族から見ても異端の存在です。十二歳で上級魔族三体を一度に相手をするというのは、勇者であっても不可能ではないでしょうか。それに未知の知識や技術、仲間たちの育成にしてもそうです」
騎士団長や勇者に匹敵する力を有しているだけではなく、彼の実力で霞んでいるが、彼の仲間も異質なほどの実力を身に着け始めていた。
勇者の血筋を持つティアナたちであれば、分からなくもない。しかし、それを凌駕するほどの人物、それらの殆どが孤児院出身。普通に考えればあり得ない。一箇所の孤児院に運よく一人いたとしても、七人ぐらいが同じ時期に居る事は普通に考えたらあり得ないのだ。
「彼はこの先、色々な風をこの王国にもたらしてくれそうだな・・・」
アウグスト陛下の発言は、良くも悪くも何らかの変化が常に起こると考え始め、彼に対して何らかのトラブルが起こっても良いように、今の段階から支援体制を整える様に宰相に言い渡した。
「まさか、教会の者としての同行ではなく、冒険者としてか・・・・」
王城からの帰り道で、エルフィーを旅に同行させる最終確認を行う為、教会に居るエクスナー枢機卿の元へ立ち寄った。
何の約束もしていなかったが、修道女たちが俺たちの来訪を伝えると直ぐに面会してくれた。
此方としての意見を伝え、エルフィー本人の思い、教会としての考えを聞いたのだが、今回の俺たちの旅の同行にエルフィーの立場は教会の同行者ではなく、冒険者として同行させる事だった。
エルフィーの年齢は十歳。冒険者ギルドで冒険者として登録が出来る年齢でもあった。冒険者として活動する事は、教会としては何の問題もないらしく、教会に勤めている修道女や司祭など半数近くの者は冒険者登録をしているらしい。
結局、誰一人反対する者は出ず、その足で今度はエルフィーの冒険者登録を行う為に冒険者ギルドに向かった。
いつもと違う担当者が対応されたが、王都の冒険者ギルドでは既にレオンハルトの存在を知らぬ者はいない。入ったと同時に冒険者たちらしい威圧を掛けられたが、相手が自分だと知ると途端に威圧を消し去り、道を譲る始末。
不思議がるエルフィーに適当に誤魔化して、手早く登録を済ませ、冒険者カードが出来る間に明日王都を発つ旨を伝えた。
事前に仲間たちからも伝えてあったが、リーダーとしては伝えていなかったので改めて伝える事にした。
(そう言えば、チーム名を決めていなかったな・・・家名も決まった事だし、ついでにそれに由来する名前にでもするかな)
レオンハルトの家名は、アヴァロン。アーサー王物語に由来するアーサー王の眠る伝説の島からとった。アーサー王物語から関連する物であれば、まず初めに考えられるのが円卓の騎士、次が聖杯、他にも湖の乙女やマビノギオン、エクスカリバー。少しマニアックな物だとカンブリア年代記やブリタニア列王記などがある。
伝説の島アヴァロンから関連させるのならば、林檎の島、至福の島とも呼ばれていたし、同じよう伝承にするとアイルランド神話にはティル・ナ・ノーグ。ギリシャ神話にはヘスペリデスの園がある。ヘスペリデスの園は黄金の林檎でも有名だ。
流石にチーム名として聖剣の名前や年代記・列王記を持って来るわけにも行かない。人物名もおかしい事になるので却下。
ティル・ナ・ノーグやヘスペリデスの園も言いにくいため却下する。
湖の乙女は、女性のみのチームなら良いかもしれないが、少し悩む部分ではある。となると円卓の騎士、聖杯、黄金の林檎あたりが無難だろう。
聖杯の杯は、カリスかグラスと呼ぶはずだったので、聖杯だとホーリーカリス若しくはホーリーグラスか。
円卓の騎士は、西洋の剣を持って方が多いので違和感は無いが、リーダーのレオンハルトは東洋の剣の為、騎士と言うよりも武士に近い。弓や杖は、どちらにも当てはまらないイメージ。そもそも騎士と付けて良いのかもあやふやだ。円卓の冒険者とかの方がしっくりくるかもしれない。
黄金の林檎は、まあ一番無難だが、何故それにしたという気持ちが候補の中では一番強い。
悩んでいる間に、エルフィーの冒険者カードが出来上がった。
「此方をどうぞ。レオンハルト様どうか致しましたか?」
冒険者ギルドの受付の女性が、真剣に考えこんでいるレオンハルトに声を掛けた。
「チーム名をついでに考えようかと思ったのですが、どう決めたらよいのか」
何も考えずにそのまま思っている事を口にしてしまった事で、受付の女性は相談に乗ると言い出したので、幾つかの質問をした。
騎士でもないのにチーム名に騎士を使ってよいのかとか、そもそも皆はどうやって決めているのか。
騎士については問題ないらしいが、現在ある騎士団の名前などは使えないらしい。また、国の名前や地域の名前、街の名前を使う事も出来ないとの事。例を挙げるのなら、レカンテート騎士団と名前は付けれないが、子供騎士団なんて名前は付けられる。
中には、傭兵団や師団と付けているチーム名もあるそうだ。
「チームの名前の決め方ですが、多くは仲間を結びつける何かだったり、リーダーの持つ武器を由来にしたりするそうですよ」
そう言われてみれば、前にアーミーアント討伐の折に一緒に戦ったチームは、赤い一撃や影の牙という名前だった。由来までは聞いていないが、恐らく火属性の攻撃や牙を使った武器を当初使っていたのかもしれない。
「黄金の林檎は既に使用されていますね。Eランクの冒険者たちで構成されているようですよ。活動場所はこの国ではないようですが・・・」
黄金の林檎は、早々に使用できない事が発覚し、結果的に円卓の騎士か聖杯のどちらかになった。
アヴァロンと言う家名と騎士爵と言う部分から円卓の騎士と言う結び付け、最終的にレオンハルトのチーム名は円卓の騎士となった。
「円卓の騎士ですね。承りました」
冒険者ギルドを出るとエルフィーを教会まで送り、そのまま宿屋に帰った。仲間たちに今日の出来事を説明し、治癒魔法の使えるエルフィーがチームに明日から加わる事を話した。話の中で大剣使いのティアナと細剣使いのリリー、第二王女のレーア殿下も参加したそうにしていたが、エルフィーと違い何も準備をしていないので、参加はしてこないし身分が違いすぎるため可能性はゼロに近いと話す。
ただ、シャルロットだけは、その話を聞いてチームに参加したい理由をすぐさま悟った。
翌朝、今日は訓練をせず朝早くから出発の準備を始めていた。
「そっちの荷物は、向こうの馬車に乗せてくれるか」
「レオン、ハーネスの装着完了だ。馬車と連結させておけばいいか?」
「ご主人様、宿屋のお支払いと朝食、昼食のお弁当を受け取ってまいりました」
仲間たちと共に積み荷の場所を移動させたり、馬具の装着をしたり、馬車の最終確認を行った。その間に、エリーゼとラウラ、ソフィアの三人には、お世話になった宿屋で朝食と昼食のお弁当をお願いしていたものを受け取りに行かせ、その支払いを任せておいた。
「レオンくん、騎士の人が来たけど?エルちゃんかな?」
馬車が四台とそれを護衛する数名の兵士や騎士。合流するとしたらエルフィーしかいないのだが、馬車四台で来るとは聞いていない。
「レオンハルト君、準備は順調のようだね?」
最初の二台から降りてきたのは、エルヴィン宰相とリーンハルト侯爵のお二人、その後ろにはそれぞれの奥方とティアナとリリーの姿があった。
「遅れて申し訳ございません」
後の二台からはエクスナー枢機卿とハイネス伯爵、申し訳なさそうに謝ってきたエルフィーの姿もあった。
「大丈夫ですよ。それとおはようございます。フォルマー公爵閣下、ラインフェルト様、エクスナー様、シュヴァイガート様」
上級貴族、それも王都の中核を担う人物たちが姿を現した事で、その近くに居た民衆たちは大慌てで道を開け、膝をつく。基本的にはそこまでしなくても良いのだが、これだけの面子が集まれば仕方がないとも言える。
「おはよう。それにしても初めての行商に馬車三台とは驚いたね」
リーンハルトは、準備を終えている馬車をまじまじと見る。雲の上の存在である彼らを目のあたりにして奴隷たちは、動きを止めてしまった。貴族に対して無礼を働いた場合、最悪処刑もあり得るからだ。
これが民衆なら罰金や体罰などで済む事も多いが、奴隷はかなりひどい扱いをされる事もある。一応奴隷にも人権を持たせているのだが、どうしても優劣の差と言う物を分からせようとする酷い貴族も居るのだ。
「ああ、すまない。手を動かしてくれて構わないよ」
その事に気が付いたリーンハルトは、ローレたちに優しく微笑んだ。
「皆、出発時間には間に合うだろうけど、人の往来の邪魔になるから手早く済ませよう」
間髪入れずシャルロットが彼女たちのフォローにはいる。こういう時に率先して動けるのは彼女とリーゼロッテたちぐらいだろう。
「それと、レオンハルト君・・・ちょっと・・・」
手招きをされてエルヴィンたちの元へ歩く。何だか嫌な予感しかしないのは気のせいだろうか?
「・・・はい、どうしましたか?」
「君も薄々勘づいているだろうけど、ティアナとリリー嬢がどうしても行くと言ってきかないのだ。だから・・・・」
だから、諦める様に説得を手伝ってほしい。そう続きを期待したのだが・・・。
「だから、・・・娘たちを頼んでも良いか?」
ああ、やっぱり・・・―――ッ!!同行を許可してきたッ!?
同行する可能性は限りなくゼロに近いと昨日の夜に仲間たちにそう告げた矢先に、まさかの同行許可ッ!?あの発言が返ってフラグでも回収したのではと疑わしくなる程、真逆の展開にレオンハルトは、思考を一時整理し始める。
「やはり、そうなってしまいましたね」
後ろから笑顔なのに感情が笑っていないシャルロットがゆっくりと歩み寄ってくる。普段優しい分、こういった時は迫力が増すので、今の彼女を見て思う事は単純に怖いと言う一面だけだ。
流石のエルヴィンたちも驚いた表情と困惑した態度をしていたが、そこに対処したのが、二人の奥方だ。
「うちの娘たちがすみません。シャルちゃんだったかしら、安心して?私たちは序列に口出しするつもりはありませんから、主人にもその事は良く言っておきますので」
序列?口出し?何を指しているのか分からなかったが、二人の奥方の言葉でシャルロットの雰囲気もいつもの優しい感じに戻った。
その後は何故か、エルヴィンたち男勢には「苦労するな」と励まされ、シャルロットは奥方たちに可愛がられていた。
結局、予期せぬ事態となったが、エルフィー、ティアナ、リリーの三人が新たに加わり、大所帯で旅をする事になった。
と言うか今更ながらに思うけど・・・・人数多くないか?と出発時に思った事は心の中に留めておく事にした。王都に入った時は六人での旅だったのだが、出る時はその三倍の十九人ッ!!
数多の御伽噺でもこれだけ一気にメンバーを増やしているのは、聞いた事が無かった。
「国王陛下やレーア王女殿下もお見送りをしたかったそうだが、流石にそれは今以上に騒ぎになるので自重してもらっている。偶にで、良いから手紙などをくれるとありがたい」
一台目にユリアーヌとクルト、ヨハンが乗り込み、二台目にレオンハルトとシャルロット、リーゼロッテ、エルフィー、ティアナ、リリーが乗り込んだ。二台目は十五人乗りの大きい馬車にしている上、他よりも少し手を加えていたりもする。それに乗っている人物は身内以外だとみな貴族令嬢なので、委縮してしまう。三台目にはエッダ、ダーヴィト、アニータが乗り、それぞれの馬車にローレたちを配置している。
お見送りに来た人たちに手を振り、見えなくなるとレオンハルトは、小さくため息をついてもう一度振り返り、王城を囲う壁を見つつ、色々な事があった・・・思い返した。
大所帯過ぎて、行商に見えないと見送る人たちも心の中で呟いていた事は、誰にも語られる事はなかった。
誤字脱字の報告ありがとうございます。
時間が無くてまだ修正しておりませんが、近いうちに修正いたします。
読んで下さった方は、また読んでいただけると嬉しいです。
次回も日曜日のこの時間に投稿いたします。