031 新たな武器制作
急に冷え込んできて体調を崩しやすくなってきましたね。
先月投稿予定だったのが大幅に遅れてしまうと言う大失態・・・申し訳ございません(´;ω;`)。
そして、本日から海外出張。その前にと思いまして投稿しました。
仕事しながら、小説のネタになりそうな物や風景などいっぱい取材もしてこよー。
孤児院を旅発つ年齢になったアニータだが、彼女自身がこれからどのように生きて行くのか、どんな仕事をしたいのか、分からない上に教えてもらえないとアンネローゼからの言葉を聞き、レオンハルトたちアシュテル孤児院の先輩三人は、アニータに詳しい話を聞く事にする。
しかし、先陣を切ったリーゼロッテが得られた内容は、アニータが何かに悩んでいるとの事。その次にレオンハルトが尋ねるも、答えらしい答えは得られなかった。
だが、アニータの悩んでいる内容の断片を知る事は出来た。
彼女の悩みは、姉であるシャルロットとの才能の差。自分自身が何か一つとっても姉のシャルロットに劣ってしまっていると言う現実から、彼女の本当にしたい事を彼女自身が閉ざしているのではと推測できた。
シャルロットが夕食後に話をする事に決まったが、レオンハルトはアニータの悩みの一つに目星をつけ、その解決をするための作業をする事にした。
仲間やアンネローゼに午後の講習の欠席を伝え、アンネローゼからの許可をもらったところで、一度『短距離転移』である場所へ飛んだ。
「すみません。トルベンさんを呼んでもらえますか?」
武器や防具の修理や購入時に御贔屓にしている店。と言うよりは、協力関係にある店と言う方が正しいかもしれない。
そんなトルベンの店にやってきたレオンハルトは、店主のトルベンを呼び出し、ある作業の為に頼みごとをするためにやってきたのだ。
「ん?どうした?まだお前らの武器は出来てないぞ?」
現在、レオンハルトたちの武器は修理や手入れの為に預けている状態だ。トルベンは、それを取りに来たのだろうと思い、先に現在の作業状況を話そうとしたが、それはレオンハルトの言葉で遮られる形となった。
「いえ、トルベンさんの工房を又使わせてほしいんです。それも人払い付きで」
普通に考えれば、まずありえない内容のお願い事だ。
自分の作業場であり、命よりも大切な道具がある工房を他人に貸す。しかもただ貸すだけではなくて、工房内に誰も居ないようにしてほしいと言うのだ。
「・・・・・」
黙り込むトルベン。現在、レオンハルトたちの修理以外に細々した依頼も受けており、弟子数名が毎日作業に追われている状況だ。どう考えてもレオンハルトのお願いと突っぱねるのが当たり前の中、トルベンが出した答えは。
「ああ。構わない。期間はどのくらいだ?」
渋い顔一つせず、その願いを聞き入れた。
「期間は今日の夕方まで大丈夫です。後できれば、素材も幾つか使わせていただきたいのと、作った物を実際に使える様な場所もお借りしたいのですが」
「工房内の物は好きに使ってくれて構わん。それと制作物を試す場所は裏の庭でも使え。魔法で結界でも張れば問題なかろう。それより俺はどうすればいい?」
トルベンは、自身も人払いの対象に入るのか、それとも知恵を貸したり、作業の手伝いをした方が良いのかと尋ねてくる。
勿論、手伝いのお願いを申し出る。
金属の配合率や加工方法、素材の見極めなどは、一流の職人の方が詳しい。
レオンハルトの言葉を聞き、弟子たちが作業をしている場所に向かい。人払いを始めた。お店の方も当然のように店じまい。
店内及び工房内にはレオンハルトとトルベンの二人しかいない環境を作った。
「それで、何を作るんじゃ?」
レオンハルトは工房内にある机の上にある設計図を広げた。そこに描かれているのは、孤児院時代から作成し続けている実弾銃の設計図だ。しかも、最初の時に比べてかなり手が加えられており、前世の時の様な銃の構造とは、かなり異なっている。
「これはまだ名前がない武器だが、敢えて言うなら銃と言う武器になる」
銃と言う言葉を聞いて、トルベンの表情が険しくなる。
「銃と言ったか?それは古代聖遺物の実弾銃と魔法銃の事か?」
やはり、武器職人だけあって知っていたのかと、心の中で思うレオンハルトだが、彼自身は表情を変化させず、そのまま説明を続ける。
「はい。その銃で間違えはないかと、ただこれも古代聖遺物の二種類の銃とは異なる第三の銃に分類されるかと思います」
その言葉を聞き、トルベンはこれまでの中で一番驚き、腰を抜かしそうになった。刀制作の時でもかなり突拍子もない事をやってのけているのに、それをさらに上回る事をしようとしているのだ。
これまでにない武器の作成は並々ならない努力と研鑽が必要になるが、古代聖遺物に関しては、それを努力や研鑽などと言う言葉では、言い表せない程の事を越えようとしているのだ。
「ええ。実弾銃に関しては、既に九割近く完成して、実際に使用する事も出来ました。ただ、若干威力を高めすぎて、使い手側が大怪我をする失敗はありましたが」
トルベンの驚きは、姿勢を治す前に追加で、驚きの事実を突きつけられたことで完全に尻餅をついてしまった。
前世の記憶を使って作成したに過ぎないレオンハルトからすれば、特に気にした部分ではない。寧ろこれから作ろうとしている物の方が余程異常とも言える。
トルベンが尻餅をついているのを放って作業をするための準備を開始した。何せ今は時間が非常に限られている。
先ずは、図面を見ながら、何処の部品に何の素材を用いるのか、具体的に決めていく。トルベンは、図面を見ても何が何なのか分からないため、口出しをせずに待つ。時折、レオンハルトから素材の相談を受け、その部品がどう言った用途で使用するのかを聞いた後に適する可能性が高い素材の候補をいくつか伝える。
素材の洗い出し作業だけで、半刻を有してしまい。レオンハルトとトルベンは、急ぎ素材の加工作業に移行した。
「トルベンさんは、この鋼鉄を黒鉄と混ぜて形を整えてください」
厳選した素材を主に混ぜたり、簡単な成形をお願いする。その間に細かい部分のパーツ作成を行い。作っては微調整、作っては微調整を繰り返した。
時には、パーツ同士を合わせて、動きの確認をし、予想よりも動きが悪かったり脆かったりする度に、新しく作り直す。
「おい。ここの溝は、もう少し深くないと入らないぞ」
「トルベンさん、此処の部分もう少し強度を上げたいので、組み合わせを修正して作り直してください」
「ボウズッ!!―――――」
「トルベンさん!!――――――」
お互いに作業をした場所のダメ出しから構成の修正案まで幅広く言い合う。トルベンに至っては、途中から自分の弟子に言うような言葉使いに変わっていた。
刀を作った時に比べて、時間の余裕がない分、素の状態になってしまうのも仕方がない。
そして気がつけば、空は暗くなり始め、作業をしていた二人はぐったりとして床に座り込んでいた。と言うのもレオンハルトの座っている場所の前にある机の上には二つの魔道具が完成された状態で置かれていた。
まだ、試し撃ちはしていないが、理論道理であれば問題ない。そもそも今の物が完成する前の二つ前から部品や形成などは完成しており、実際に試し撃ちもしていた。
その時は、発動するはずの魔法の出力が弱く、普通に弓矢や最悪、そこら辺に落ちている石を投げた方が、威力があるのではないかと言うほどの威力だったからだ。
二回目は、出力調整で威力を上げた事で、照準が不安定になり、明後日な方向に飛んで行った。
その二つの修正に加え他にないか念入りに確認して今に至るのだ。
「・・・さて、試し撃ちをしないとな」
レオンハルトが立ち上がるとトルベンは、的となる物を手に一緒に工房の裏の広場へ向かった。
的を設置して、レオンハルトの後方まで移動したトルベンは、一応何かあっても良いようにタワーシールドと呼ばれる盾を身構えた。
「では、始めます」
新しい銃に埋め込まれた魔法石から魔力を取り出す。魔力はそのまま、銃身を通って銃口に魔力を集める。この一連の動きは、自身が操作しなくても自動で行えるようにかなり手を加えた。最初の時の威力がなかったのもこの場所の作業が若干上手くなかったのが原因だった。
銃口に集まった魔力は、そのまま魔力の塊となりその場に留まる。次の工程でもあり、発動させるトリガーとも言える引き金を引き、魔法を発動させる。
実弾銃の様な大きな音は無く、僅かに聞こえたかなと言う程度の発砲音しかしない。
打ち出された魔法は、高速で的に当たると、的は物の見事に粉砕された。
「よっしゃー」
ガッツポーズと共に大声をあげたレオンハルト。たった1日で古代聖遺物を作り上げてしまった事に呆れるトルベン。
「さて、最後の仕上げをして終わろう」
レオンハルトの言う最後の仕上げ、実はこれで終わりではない。あとこの銃を入れるケース(ホルスター)の準備、細かい装飾の刻み込みが残っているのだ。
因みにこの新しい銃の分類の名前も決める必要がある。実弾銃と魔法銃は既につけられているので、別の名前が必要だ。
魔法と実弾の軌跡を導く銃。魔導銃。作業の合間に名前を決める。魔法銃としても実弾銃としても使用できる混合銃だ。そのままでも良いかと最初は思ったが、口に出した時にトルベンからどう言う意味なのか質問責めにあったため、魔導銃の方を採用した。
混合何て説明が面倒な事もある上、混合銃だと意味も分かりにくい為、分かるようにしている。
名前とは、分からないように隠蔽する事も必要になるが、その逆もあり得る。分かりにくいものはそれだけで、相手に舐められる事もあるからだ。
それに加えて、手に持つ二つの銃にも其々銘を付けた。魔導銃の最初の武器アインスヴェルグと同型銃のツヴァイトレーゲの双魔導銃。因みにどちらの武器も頭に試作武器と付いている。
完成したにも関わらず、試作品と名がついているのには理由があり、この二丁の魔導銃は、実際の所未完成品であるのだ。
故に試作品としている。未完成品では、格好がつかないだろう。それに、一応は完成しているとも言える。
何処が試作品なのか。まずは、この魔導銃はあらゆる場面を想定した物で仕上げているが、その場面に対応する機能をまだ搭載させていない事が一つ。次が、魔石から魔力を吸い出して魔法を打ち出す魔法銃の要素は使用できるが、実弾銃の機能がまだ途中でもある。
と言うのも、使用する実弾の火薬にあたる部分の調節がうまく行えていない。以前使用したものは火薬の量が多すぎたことと、実弾の強度にも問題があった。そのため、実弾の改良が必要になる。今回は、そこまで手を出す時間はなかったので、銃の方に機能だけ搭載して終わっている。
そのまま細部まで仕上げて終わるとそのままトルベンにお礼を述べて、孤児院に戻る。孤児院では、すでに夕食を食べ終えており、子供たちは食器を片付けたり、年少組の寝る準備の手伝いをしていた。
「すまない、遅くなってしまった」
レオンハルトは、二人に遅れたことを謝り、アニータと話をするために場所を移した。
行き先は、孤児院時代にロック鳥などを狩っていた場所で、とある山の中腹にあたり、草木は少なく、岩肌が広がる場所だ。此処を選んだ理由は、景色がとても良いからで、落ち着いて話す場所としては適していると判断したためである。
時間的に山から見える景色は薄っすらと灯す明かりでしか街や村は確認できないが、代わりに空を見上げれば、薄暗さが広がる夜空に無数に煌めく星々がお互いに自己主張でもしているようかのよに輝いていた。
こう言った山で周りに光が少ないからこそ星の輝きがよく分かると言うものだろう。それに大気自体も前世のように汚染されていないから、その輝きがよりはっきり分かると言うものだ。
満点の星空の下、シャルロットとアニータは何処か座れる場所へ移動し話し始める。レオンハルトは、その間少し離れた場所で、二人の様子を眺める事にした。
「アニータ、もう孤児院を出ないといけない年齢になったけど、貴女はこれから先どうして行きたいの?」
これまで、遠回しに聞いてきたリーゼロッテ、レオンハルトとは異なり、ストレートに尋ねた。
シャルロットは、アニータの悩みを大方理解している。だが、それでも彼女から悩みを口にしてもらわなければ、この場を設けた意味がない。
暫く考え込んでいたアニータだったが、それを追求する事をシャルロットは行わず、黙って彼女を見つめる。
「お姉ちゃんの夢って何?」
アニータの口が開いたと思ったら、シャルロットの言葉に対する事ではなく。別の質問を投げかけてきた。彼女が将来なりたい夢について語ろうとしているのが分かると、シャルロットは、アニータに嘘偽りなく話す。
「私の夢は、好きな人と一緒にいる事かな。好きな人と一緒にいる時間はすっごく幸せに感じるし、何かをするにしても一緒だと普通の事でもそれが、いつの間にか自分の好きな事になっている事もあるもの」
シャルロットは、その言葉を発すると共にとても幸せそうな笑みを浮かべる。
一度無くした命だからこそ、生きている事の素晴らしさ。第二の人生をどのように過ごすのか、後悔だけはしないようにお互い生きて行くと心に誓っている。
姉の答えを聞いたアニータは、その意味を何となく分かったようで、姉に同調した。
だが、それと同時に自身の悩みをどうすれば良いのか分からず、一瞬表情に影が差したように視えた。
「お姉ちゃんの夢・・・私も分かる。・・・私も好きか分からないけど、一緒に居たいと思うから・・・」
何処か寂しそうに発する言葉にシャルロットは、先程までの表情を一遍し、アニータの言葉を真剣に聞いた。
「けど・・・私、やってみたい事が・・・たくさんあって、どれを選べばいいか分からないの」
二兎を追う者は一兎をも得ずと言うが、アニータは当にそれに該当する。
誰しも一度は経験した事があるであろう人生の選択。将来なりたい職業が複数ある事なんてあって当たり前だし、子供の頃には、何故か複数の職業に憧れさえもっていたはずだ。
それが大人になるにつれて、無数とも言える道がどんどん狭くなり、残った職業は二つ三つからしか選べない。もしくは、一つしかなかったり、道自体が無くなって仕事に就かないと言う場合もあるほどだ。しかも選べる仕事が、なりたかった仕事である人は、果たしてどれ程いるのだろうか。
そんな苦悩を多くの者が経験し、またその苦悩に今まさにアニータも直面していると言うこと。
兎に角、まずはアニータのなりたいものを知ることが必要だが、そこは聞き上手のシャルロットが優しく尋ね答えを聞いた。
俺たちと共に冒険をしてみたいと言う事。アシュテル孤児院でアンネローゼと共に子供の世話をしたい事。そしていずれは自分も同じように別の土地で貧しく生きる子供たちを救いたいと言う思いまで持っていた。
後は、経験してみたいぐらいの思いで、薬師や行商人に興味もあるようだ。仕事とは別になるが街での生活にも興味を示していた。これは、先日イリードの街へ連れて行った事でのちょっとした憧れ的な物だろう。
シャルロットは、アニータの頭をなでて優しく微笑む。アニータは、何になりたいのかの夢を初めて他の人に伝えた。これを頭ごなしに否定してしまうのは、折角話してくれたアニータへの絆を壊しかねない。この程度では姉妹の絆は壊れないだろうが、それでもお互いに感情を持つ人間だ。否定されて嬉しい者などほとんどいないだろう。
アニータの気持ちを受け止め、そこから更に何故選べないのかを聞く。今の彼女はなりたいものに自ら否定している部分も見受けられる。
これは、日頃の様子から分からないが、今のこの雰囲気では直に分かってしまうそんな空気を漂わせていた。
「もし、冒険者になってもお姉ちゃんの様に・・・強くないし・・・、皆に迷惑をかける・・から」
アニータは、シャルロットと同じ弓師で、戦い方もレオンハルトやシャルロットから教わっているので、どうしても同じ風に戦ってしまう。それが悪い事ではないが、経験も実力も上で、加えて魔法も使用できる。そうなってしまえば冒険者としての自分の居場所が俺たちの中にないと考えたそうだ。
確かに、剣を使ったりするものが重複する事はあっても弓師や治癒師が複数いるチームは少ない。
それに別の人と組んで冒険者としての活動もあるが、それは考えていないと言う。
まあ、その悩みは粗方理解して解決方法も既に用意しているレオンハルトだが、今はその事を話さない。
続いて、孤児院の手伝いや自身で経営してみたいと言う思いを口にする。
孤児院を経営するには知識や経験、それにそれなりの資金が必要になる。アンネローゼは現役時代にかなり蓄えたようで、やって来られて居るが、今のアニータでは確実に出来ない。アンネローゼから知識や経験は学べても、資金はどうする事も出来ない。また知識も子供世話のみで他の知識や経験は得る事が出来ない。これもアンネローゼは冒険者として国中を回ったからこそある下地だ。
薬師や行商人もまたしかり。準備という準備を何もしていないので、今からでは旅立った後に学ぶので時間的な余裕がない。
結局の所、レオンハルトたちに付いて冒険者になるか。他の街などで住み込みの出来るお店で働くぐらいしか道がない。
「なら、私たちと一緒に旅をしたら良いよ。弓のことで悩むなら、アニータが弓師としてチームに貢献したら良い。私は別の武器で戦うから」
「でも・・・それだと、お姉ちゃんが・・・」
泣きそうな表情を浮かべたアニータをシャルロットは優しく抱きしめる。
「・・・・・レオンくんもそれで大丈夫かな?」
「ああ。けれど、シャルはそのまま弓を使ったら良い、アニータには別の物を用意した」
そして漸く魔導銃二丁を取り出し、アニータに手渡した。その武器を見たアニータはどんな武器なのか分からない様だが、シャルロットは非常に驚いた様で、すごい勢いでレオンハルトを問い詰める。
何故問い詰めるのかと聞きたくなるが、その理由も理解している。
孤児院時代に失敗して大怪我をした事があるからだ。それから、改良が加えられているのは理解しているが、以前のように怪我でもしたらと思うと一言ぐらい言いたいのだろう。
「これ、大丈夫なの!?前の物とかなり形状が変わっているけれど・・・」
シャルロットには安全だと知ってもらう為、アニータにはその武器が何なのか知ってもう為にも魔導銃の二丁のうちの一丁を受け取り、実際に試し撃ちをする。少し離れた場所の岩に向かって引き金を引き、打ち出された魔法の銃弾は、岩を穿ち一部を粉砕させた。
「これの使い方は、また教える事にするが、シャルは見ての通り安全なのはわかっただろう?」
シャルロットは、頷き今見た物を後で説明してもらうと言って、取り敢えずアニータに声をかけた。
「これなら、問題ないわ。けれど、この武器は強力だから使い方を間違えないようにしないといけない・・・・明日から練習だね」
その日は満点の星空の元、アニータを仲間として迎える事が決まり。時間も遅くなってしまっているのもあり、直ぐにアシュテル孤児院へ転移して戻った。
アニータはそのまま疲れて、シャルロットと一緒に部屋に戻り、深い眠りについた。シャルロットもアニータに付き添い。その後の始末をレオンハルトへお願いして、一緒に寝た。
レオンハルトは、リーゼロッテたちにアニータの同行を説明。それに加えてアンネローゼにも同様の説明をした。
ただ、明日からアニータへの戦闘訓練を行うために予定期間よりも長く滞在する事を説明した。アンネローゼからは、依頼の継続と言う形を取ろうとしたが、それは丁重に断りアニータを指導する期間、他の子供たちへの指導も無償で行う事を説明。その代わりにアシュテル孤児院での寝泊まりの了承を貰った。
まあ、全員が付き合う事もないので、依頼達成の報告と共に一度ダーヴィトとエッダをイリードで待機させる。まあ一日から二日おきにアシュテル孤児院で指導してもらうようにする。
それと、アニータの防具を正式にトルベンたちに追加依頼をしなければならないので、何処かのタイミングで街に連れて行く事も説明した。
「その時に同行させてもらえないかしら?」
アンネローゼもイリードへ用事がある様なので、同行を許可する。それとは別に近々孤児院を離れる他の子供たちも一緒に同行できるかも聞いてきたので、其方は後日馬車を手配すると言う話で済ませた。
あまり転移魔法を知られたくないと言うのもあった。これはアンネローゼも同意してくれた。後は街でもし子供たちのなりたい職業の紹介か伝手があればその時はよろしくと頼まれたので、子供たちのなりたい仕事を聞いて、対応する事にした。
その日、工房を飛び出したレオンハルトの背中を見送ったトルベンは、今日の出来事を踏まえ新たな武器の創作意欲に駆り立てられていたが、体力も気力も既に限界が近い状態なので、弟子たちを呼び戻すと、工房の片付けを任せて、工房を後にした。
向かった先は、馴染のお店で席に着くなり、エールを注文。届くや否や直ぐに中身を飲み干した。
ドワーフは基本酒豪の者が多いので、この程度の飲み方ではそうそう酔う事は無い。
トルベンは、新しい武器の完成を一人で祝い。その後、疲労からか数杯飲んだだけで鼾をかいて寝てしまった。後日、訪れた時に弟子たちが、酔いつぶれた師匠を連れて帰るのに苦労したと呟いていたので、彼らに気持ち程度のお小遣いを渡しておいた。
ちなみに出張中も投稿しますのでよろしくお願いします。




