表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もう一度。  作者: ななこ
7/8

7

私の一番古い記憶は、空腹だ。

いつもお腹をすかせていた。

母はいつも私ではない誰かを見つめていた。

気がつけば、母がいない。

当たり前の事だった。

誰もいない部屋で空腹の私は、いつも母を待っていた。

ねぇ、早く帰ってきて。


目が覚めた。

ソファーではなくてベッドにいた。

洋服もムームーのようなワンピースを着ていた。

こちらのパジャマのようだ。

昔の夢を見ていた気がする。

いつも体調が悪いと昔の夢を見る。

背中の痛みは、消えていた。

どうやらずいぶんと寝てしまったようだ。

すっかり真っ暗になっている。

喉が渇いた。

一回自覚すると、どうしても水が飲みたくなった。


そろそろ、寝るか。

アレクは執務室の光を消すと、部屋を出た。

寝る前に日課の戸締りを確認しにいく。

コトっと何か音がした。

いつも持ち歩いている短剣に手をかけ、そろりと中を伺う。

月明かりの中で、迷い人が膝を抱え椅子の上に座っていた。

何をしているんだ。

確認しようと黙って見守る。

どうやら水を飲んでいるようだ。

ほっとしてもう一度迷い人をしっかりと見た。

本当に小さい。

背中を治療して、ベッドに運んだときの体の軽さに驚いた。

しがみついて来た時は、さすがに動揺したが。

けれど、帰りたいと言わないし、わがままも言わない、泣いたりもしない。

その様子は達観した大人のようだ。

見た目が子供の様だから、その様子がかえって痛々しい。

くしゅん。

小さなくしゃみが聞こえた。

「夜は冷える。そろそろ部屋へ戻れ。」




















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ