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おばあちゃんの話
…とかつての東の魔女は言ったもののね、魔女は結局それから何十年も生きたよ。結局伴侶を作ることもなく、いつまでも穏やかで美しい人だった。
南の魔女は、いつしかもっともっと南の方へ旅立ってしまった。いつか必ず帰ると約束していったが、東の魔女の死には立ち会えなかったねえ…。
東の魔女は、南の魔女の一万人目の子孫に自らの名前を譲って、そして眠るように死んだよ。新たな魔女が生まれたら役目は終わると彼女は言ったがね。もうそのとき既に魔女は生まれていた。それが私さ。彼女らの会話を盗み聞きできたのも、私が知らず知らずのうちに、魔法で姿を隠していたからさ。
…一万人目の子孫はどうなったって?何を言ってるんだね、お前は。
それはお前のことだよ、ウラ。