表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

おばあちゃんの話

 なんだい?宿題?こんな年寄りを巻き込もうとは…なんて面倒くさい宿題だろうね。

 仕方ない、話してやろう。何がいいかね?…そういうのが一番困るんだけどね、何でもいいなんて。

 まあいい、それじゃ、心を欲しがった人形の話をしてやろう。

 なんだ、知っているのか。じゃあどうしようね…。ん?そうだよ。お前の部屋にある絵本の…何を言ってるんだい、知ってるんじゃなかったのかい?違うよ。おとぎ話なんかじゃないよ。お前の宿題はこの土地にまつわる話を大人に聞いてくるってんだろう?

 そうだよ。あのお話は、この土地で確かにあった出来事さ。私は聞いたんだよ。まだお前くらいの歳のときにね…。


 この村には子どもが多いと思わないかい?こんな寂れた村にさ。魔女が祝福しているからなのさ。この土地に住む魔女たちは揃って子ども好きが多くてね。

 だが昔はもっともっと多かった、私が子どもの頃は。力ある魔女がいてね、彼女の祝福のおかげだったのさ。私たちは魔女の家に入り浸っては遊び散らかして帰ったものさ。あそこにはお菓子もおもちゃもなんでもあった。だがなによりそこで聞かされるお話に、子どもたちは目を輝かせてね、皆一言も聞き漏らすまいとしていたよ。

 今でも覚えているよ。安楽椅子に座ってね、ほとんど目を閉じながら、歌うように老婆が語るんだ。

 「むかし、むかし、この婆がまだ歳若い少女の姿だったときの話だよ…」

 ってね…。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ