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◽️プチストーリー【あまかぶり】(作品No_12)

作者: かんすい
掲載日:2026/06/08

青い雨が降り注ぐ。世界に平等に、均等に、色鮮やかに。


街中で、青い雨にうたれている女の子がいた。

傘は無造作に女の子の横に放られていた。


女の子の髪の毛、まゆげ、つめ、そして、洋服、靴

徐々に雨と同じ、青色に染められていく


女の子は、ときおり、空から落下してくる青い雨に

逆らうように、両目を細めながら、少し右目だけ深くつぶりながら

上空を見上げる。

顔を上にあげすぎておでこにすこしシワが浮かぶ。


女の子から、すこし口から吐息が漏れ出た。


行き交う周囲の おとな は、傘をさしている人はいない。

みんな、頭からつま先まで、カッパを着て完全防備をしている。

中には、宇宙服のような完全密封でいる おとな もいる。


雨は、人間の肌以外、着ているファッションすら

色を変えさえてしまう。

そして、色は落とすことができないのだ。

上書きすることはできる。


「ちょっと!!止めなさい!何しているの!!ねぇ!あまかぶりは、ダメ!」

歩きづらそうな宇宙服で、声から おとなの女性 だろうか。

遠くに何かを見つけて向こう見ずに走っている男の子を追っかけている。


男の子は、髪の毛も白く、服も白く、靴も白く。

肌以外、全身まっしろだった。


目をつぶって青い雨を浴びている女の子の横に

男の子は辿り着いた。


女の子は、右の目をゆっくり開けて、横にいる男の子を確認した。


男の子の白い髪の毛、白いまゆげ、白いつめ、

そして、白い洋服、白い靴

徐々に雨と同じ、白から青色に染められていく


女の子の左の目も開けて、顔の向きはほぼ変えず、

目だけ男の子をみた。


男の子と目が合った。


女の子は、口元が少し緩んだ気がした。

わずかに首が下にゆっくり2回動いたようにみえた。


青い雨が降り注ぐ。世界に平等に、均等に、色鮮やかに。


(了)

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