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春夏秋冬  作者: keyくん
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新たな明日へ行くために ~春~

 春に入って数日。それでもまだ少し冬の名残が残っている。そんなある日、僕は幾度も歩いたいたこの桜並木の続く道を歩いていた。

 ふと、気づいて見上げると大きな時計塔の鐘が五時になったのを知らせていた。彼女との約束の時間は三十分ほど過ぎていた。

 

 僕が約束場所である公園に着いたのはさらに十五分を過ぎてからだった。

“いないで欲しい”

 そんな儚い望みとは裏腹に律儀な君は藍色の帽子を被っていつものベンチに座っていた。

「遅いよ」

 長い間待たせたにもかかわらず、君はそういって僕に微笑んだ。そんなに君に僕は「ごめん」と、しか言えなかった。

 それからどれくらい経っただろうか。いつの間にか自分の手が冷えきっていた。彼女は僕が自分の手を見ていることに気づくと、そっとその手に自分の手を重ねた。君の手も冷たいはずなのに何故か温かく感じた。その温かさにいつまでも浸かっていたい。

 でも、僕の決意が揺らぎそうになっていると理解した僕はそっとその手をどけた。そして……

「ごめん」

 そう言って僕は彼女に背を向けて歩き出すその瞬間。

「嫌!」

 消えそうな声が聞こえるとともに背中に彼女の温もりを感じる。

 いつも僕の提案には「うん」と頷いてくれる君の初めての反論。それを聞くことはできなかった。いつも優しく、綺麗で、有望な君の足枷にはなりたくないから。

「ごめな、ハル」

 最後にそう残して君を振り切るように走り出す。振り返らない。きっと今の僕は酷い顔をしているから。

 今年の春は早過ぎた。 

どうも、keyくんです。

初めなので簡単に書かせてもらいました。

気が向いたら更新と言う感じなのでちょくちょく探してみてください

では、また皆様に会える日を楽しみにしてます

アディオース

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