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なろうラジオ大賞7(1000文字以下の短編)

オルゴールってどんなゴール?

作者: 葉山麻代

「ねえ、オルゴールって、どんなゴール?」


 ランチを食べていたフードコートで、女子高生に未就学児くらいの男児が質問していた。女子高生たちは、好きなオルゴールについて話していたらしい。


「え、なに?」

「オルゴールってなあに?」


 もう一度言われ、質問の意味を理解したらしい女子高生たちは、現物を鞄から取りだし、ネジを巻いて素敵な音を奏でて見せていた。


 ♪ポロンポロン♪


「これがオルゴールだよ。わかった?」

「サッカーのゴールじゃないんだね」


 少し残念そうに男児が呟く。


「あー!そこのモニターでサッカーの中継していたね」

「うん」

「そっかぁ、サッカーのゴールの種類だと思ったんだね」

「うん。おねえちゃんたち、ありがとう」


 ペコッと頭を下げ、手を振っていた。


「はーい。どういたしまして。ばいばーい」


 すぐに、親御さんが女子高生たちにお礼を言っていた。



「うちの息子にもあんな可愛い時期が、有ったような気がする」

「有ったのか?」

「ちょっと、本人ここにいるのに何言ってんの? 今でも可愛かったら怖いだろぅ?」


 妻が笑いだし、息子が怒っていた。

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