【プロットタイプ】今世前世比較
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
転生はしたくありません。
未来が幸せである保証なんて、何処にもないから。
異世界転生とか、前世とか、そんなジャンルが流行っている。其れを見る度に思うのだ。私は絶対に生まれ変わりたくないと。
生まれ変わりたいという人は、未来が豊かで幸福で満ち足りたものだと思っているのだろう。
けれどもこの現実世界、全世界において、戦争や紛争は終わる事なく続いている。そうしてその戦火の中に居る人々は、常に死と隣り合わせな毎日を送っている。
果たしてどうすれば生まれ変わっても幸福だと言えるのだろうか? 誰が保証してくれると言うのだろうか? そんな保証が無いままに、私は生まれ変わりたくは無い。
そんな悩みを執筆真っ只中の瑠衣を片手につらつらと語り掛けた。瑠衣は話している間、質問は疎か、相槌の一つも打たなかった。ただ話が終わったのを見越した様に、口を開く。
「其れはお前が比較をしてしまっているからだろ。大抵の不幸は比較から始まる。そうして劣等感やら、懐古を感じることで、自分から苦しみを浮かべてしまっている」
瑠衣が伝えたいのは、過去さえ思い出さえなければ、『昔は良かった』なんて言葉は出ない。其れが自分の平均値として算出されるから、其れが日常である。と言いたいのだろう。
世界一幸福度が高い国が、他の国の豊かさを知って、絶望するのと同じ様に、お前は世界は世界を知らなければ、永遠に幸福だと伝えたいのだと思う。
「俺にとっては未来は未来だ。転生は転生だ。そんなのは俺でも何でもない。比べるべきもんじゃねぇ。でもお前は、其れでも比較し、傷付き続けるんだろう?」
自分と他人を比較して、『昔は良かった』なんて言うものじゃない。そもそも比較対象にさえならないということだろう。
「転生前に未練があると、過去の記憶が転生後も引き継がれるらしい。だから何時死んでも構わないように生きるのが、結局一番だろうよ」
言いたいことを言い終えた瑠衣は欠伸をした後、また何かを書き出した。転生しても幸せになれなかった子が足掻く話だった。
生まれ変わりたいかと言われば、絶対生まれ変わりたくありません。
今の生活に不満はあるかと言われれば首を振りますが、これ以上の日常があるかと言われても首を振ります。
生まれ変わっても、今より幸せになるとは限らないんですよ。だから。
井の中の蛙なんて言葉がある様に、世界を知らなければ幸せなままで居られます。
でも世界を知ってしまったら、様々な感情が流れ込んで来ます。
良いも悪いも突き付けられます。
だから瑠衣は『傷付きたくないなら、井の中の蛙でいろ。
でもこれが嫌だったら、比較するな。そもそも転生後のお前はお前じゃないだろ』と返しているんですよ。
瑠衣にとって、死んだら瑠衣の人生は終わりなんだろな。
過去とか引き継いでも、瑠衣では無いんだろうな。
其れでもきっと足掻き続ける。
語り手は何方だと思います?