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カイとの出会い

私は自身を落ち着かせるために深呼吸をした。


そして私は奥の部屋に入る決心をした。




「失礼しま~す....」


と私は囁き声で呟きながら部屋に入った。


先程の人達は部屋の中に居なくて安堵する。


多分裏口から出ていったのだろう。


それよりも先程に人魚のような女性は


案の定閉じ込められていた。


しかもそこにはNo.003《人魚》と


書いてあった。


それだけじゃない。


横には(失敗作)と書いてあったのだ。


いくら人魚でも失敗作と書かれるのは


違うと少し思う。


それよりも顔の火傷が酷く痛そうだ。


さらに奥には沢山の人魚達が捕らえられていた。


下半身が腐敗している者や盲目を患っている者。


他にも難聴を患っている者だって居た。


しかもそれは生まれつきとかではなく


研究の薬の作用によるものだった。


本当に許せない。


いくら同じ人間でもあの人たちは酷すぎる。


そんな苛立ちはどこにも当てようがなく、


ただため息を吐くばかり。


またもや奥にも部屋があるらしく、


入ってみると中には1人の少年が居た。


しかもその少年もまた、人魚のようだった。


その子は茶髪だが瞳の色は空色のようだ。


「なんかこの子見たことあるような....」


そんなことを言いながら顔をまじまじと


見つめると夢の世界で会った少年と


同じ顔をしていることに気づいた。


「え」


と声を漏らすと突然その人魚は動き出した。


そして


「やっと会いに来てくれたんだ!」


「早速だけど僕に名前をつけて」


と言った。


名前?


何故名前を付けなければいけないのだろうか。


それで何か救われるのだろうか。


そんな考えが頭をよぎるも、


私はその少年に『カイ』と名付けた。


そのときのカイの顔は少し寂しげに見えた。


するとカイは


「ありがとう」


と言った後に自身が閉じ込められている


ガラスを割った。


その時、室内に警報音が鳴り響く。


私が驚いて硬直している間もカイは


他の研究品....いや研究の被害者達を


助けていた。


先程のクラゲや人魚など。


何もかも1人で助けていた。


そんな時、勢いよく開く扉の先には


研究者のような人達が多数居た。


「お前どこから入ってきた!!」


そう言いながら私に怒鳴る。


「着いてきて」


と小声でカイは私に伝えた。


私は頷きながらカイに着いていくと


「これ読んでて。すぐ終わらせてくるから」


と言って私を置いて先程の部屋に


戻って行った。


カイに渡されたものは


何かの巻物のようなものでそれには


『人魚の歴史』と書いてあった。

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