威嚇
『…あれ?雀だ〜!こんなところで何してるんだ?』
深琴とクレープを食べてから1人で帰路に着いた時、見計らったかのように雀が現れた。
まぁ雀にストーカーなんてやる脳は無いだろうし、まずまずやる意味が無いだろうから偶然だろうけど。
『…逃げねぇのか?怪我でもしてんのか?』
近付いても逃げない雀を不審に思った僕はもう少し近付いてみることにした。
だってここ、都心じゃねぇぞ?
田舎で人馴れしてる雀なんざめったにいねぇっつーの。
『ほらこっちにおいで〜?』
怖くないよー?と付け加えながらさらに近付こうとした時。
シャー!!!
と何かが威嚇するように鳴いた。
『…?あ、猫もいたのか。』
雀を威嚇しながら僕と雀の間に割り込んでくる猫。
なんというかシュールとも言い難い状況だ。
つーことは鳴いたのはこの猫だな。
他に仲間がいるようには見えないし。
…いやでも猫って雀に威嚇するか?普通に考えて。
雀が猫から逃げるのは予想が着くんだが…。
この状況はどっちかって言うと雀を猫が警戒してるように見えるぞ?
数分睨み合ったあと、2匹(1匹と1羽)は雀が飛び去ったことによって睨み合いを辞めた。
まぁまぁ異様な光景ではあったが特に猫の方はずっと僕を護る様に立っていた気がするのは気のせいだと思う。
『…帰るか。』
家に帰るのが憂鬱なのは変わらないがあの光景を観ると何かを思い出さなくては行けない気持ちになった。
とりあいず家に帰って部屋にある古いもん、漁ってみっかな…。