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九 海底マンション


 現実的で猜疑心の強い英介は地下のマンションは非現実的で実現しないと

思っていた。


しかし行政が税金を使って非現実な計画はしないはずだと考え直した。


何故、地下に設置するのか? その理由を知りたくなってきたが、情報がなかった。


仕事をしながらテレビのニュース番組を見ていると仕事に関係ありそうなことを

放送していた。


それは大手のゼネコンが海底にマンションを計画している。


海底の深さは百メートル~二百メートルの場所で水圧を考えて形状は円柱で、

海中が見えるように外壁は強化ガラスを使用していた。

収納できる人口は五万~十万人の予定らしい。


資金は各有名メーカーの合同出費で、もう予約販売を開始していた。

詳細とプランの内容を知りたい方と購入希望者はこちらに連絡してくださいと

テレビの画面の下にテロップが流れていた。


参考に標準の世帯の価格は地上のマンションの五倍程だった。


英介はどうせ自分達のような貧乏人には夢の話で東京湾にでも建てるだろう

と思っていた。


 建材メーカーの営業マンは仕事の有無には関係なく三か月に一回程度はカタログ

を届けに設計事務所を廻って来る。


ノルマなのか英介のような小さい事務所にも廻って来る。


ガラスのメーカーの営業マンが来たので英介は海底のマンションについて聞いた。


ガラスの受注が全て海底マンション用で工場もフル稼働している。

他のメーカーも一緒でガラスが足りなくアクリルなどで代用しているらしい。


「えっ、東京湾の一カ所だけでそんなに足りなくなるの?」


「いいえ、全国に二百カ所以上ですよ。あっ、まずいカ所数は秘密事項だった。

でも直に分かることですから」


「どのようにして海底に造るか知っている?」


「細かいことは知りませんが、大まかなことはビデオで視ています」


「海底二百メートルだろ? 潜水士も無理だろ?」


「それが作業できるロボットのような潜水艇が、何台か海底にいてまず海底を

平らにします」


「テレビで良く海底の映像を見るけど直ぐ煙のような・・・・多分プランクトンの

死骸だと思うが舞い上がり作業が出来るの? それに暗いし?」


「ビデオには扇風機の大きな物が何台も置いてあり。投光機で照らして作業をして

いました。そして海上には大きなクレーン船が四隻いて大きな貨物船から

コンクリート製の半円のパネルを吊って海底に降ろします。もう一つの半円の

パネルを海底に降ろして繋げて円の筒を作ります」


「その半円のパネルの大きさは?」


「確か、半径十メートルの半円で、高さ十メートル位だと思います」


「直径二十メートルの筒になるわけだ」


「そうです。それを上に重ねて海上まで繋げます。そして中の海水をポンプで

抜きます」


「そして、床のコンクリートを打設するのか?」


「いいえ、その前に海底に固定するために杭を打ちます」


「えっ、 二百メートル下で狭い空間で杭が打てるのか?」


「打てます。径の小さい鋼管杭を何本も打ちます。小さい杭打機をクレーンで

降ろします。それから底盤のコンクリートを打ちます」


「それから如何するの?」


「表現が難しいですが、円柱の中心より四十五度ごとに外側に溝があり、其処に

平らなコンクリートのパネルを嵌めます。そうすると、工場の地図マークの形

になります」


「円を八等分するように側にパネルを取り付けるのだな? パネルの大きさは?」


「長さが二十メートルで高さが十メートルです」


「分かった、今度は半径三十メートルになり、その八分の一の円弧で繋げるだろ?」


「そうです。それを海底から百メートルまで重ねて上部は蓋をする。そして海水

を抜き。前と同じ工程で進む。次は半径五十メートルで同じ工程、最後は

半径百六十~二百メートルでガラス製の円弧を設置するそうです」


「木の年輪のような形になる様だがコンクリートのパネルは外れるのか?」


「外壁部分のガラスを設置し、防水工事が終われば後は床のパネルを嵌めこみ

構造的に問題のない壁はプランニングに合わせて外すそうです」


「分かった。手間とコストが掛かりそうな工事だが、リニアは?」


「直径十メートルのガラスの筒を海底で伸ばしながら繋いでゆく方法で、

陸地部分では先頭にトンネルを掘削する機械を取り付け掘り進むそうです」

と営業マンは話を終えた。


ますます、建設が地下や海底とかコストが掛かる方向に進み、地上の建設を

避けているように感じたが、その理由は分からなった。


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