八十 首相と総裁の死と新政府
議事場では降伏か否かの結論は出た。
大国の歩兵による占領は不可能で空爆による攻撃も地下施設で防げて
徹底抗戦をする。ゆえに降伏はしない。
その事は大国の代表に通知した。
その時に臨時政府の兵士達は地下で訓練していた。捕虜達は50人程の監視兵と
共に地上に居た。
その中の数人が通信装置を持っていた。大国に首相と総裁の居場所が連絡された。
相模湾の空母から戦闘爆撃機十機が発進した。轟音と共に、国会上空に
戦闘爆撃機が現れた。対空ミサイルはなく、十機で猛爆撃をして帰った。
議事堂を主に爆撃された。
首相、総裁は地下に避難しようしたが大量の爆弾により死亡した。議員達も殆ど
死亡した。八百人いた捕虜も七百人ほど爆撃で死亡して残った百人が少ない武器
を持って抵抗したが全員が戦死した。
総裁と一緒にいた副官も爆死したと祐介にも連絡があった。
これがあの娘の言っていた礼だったのか? と感じた。
国会の爆撃で日本は一時的に無政府状態になったが、首相の甥の渡辺を代表に
して新政府を急遽立ち上げた。
新政府は地下施設を本拠地にして活動することにした。
当分は空爆による攻撃が主体に行われると予想した。
また首都を守るために地方の地下施設の警備隊の半分をリニアで招集する事にした。
暫くして、渡辺に生物学者から深刻な報告があった。
それは前に首相に報告してあった藻の件であった。
(突然変異の藻の特徴が分かりました。藻の好物は半導体の材料になるシリコン
で付着されると計器が故障を起こします。まだ増殖中で収まるのは気温が落ち
着くまでで長くて十年は掛かります。その間は半導体を使った機器は動かなくなる。
最悪の場合は電気、水道、ガスなどが供給できなくなり。江戸時代と同じ様な
生活状態になります。ただ一つだけ可能性があるのは藻が十度以下では活動が
停止するので地下の原発の操作室は室温を十度以下にすれば電気だけは暫く
大丈夫でしょう)との内容だった。
でも話はそんな簡単ではなかった。原発の計器室を十度以下にするには空調機室
の機械を昔のようなアナログに替える事だった。そして藻に侵入される前に作業
が終了することだった。
地下の施設ではまだ藻に侵入されるまで時間があったが原発関係の故障は致命的
になるとの理由で新政府は原発の停止を決定してその時期を検討した。
地下ではまだ機器、計器は動いていた。時々テレビの画像に線が入ったり、
消えたりしていたが放送局か? テレビか? どちらが原因か不明だった。




