七十六 少女の幻想
祐介の部隊も二百人程の部下が死亡した。遺体の処理を副官と数人の部下に
頼もうとした時に有刺鉄線の一部を飛ばされた塀の上に薄い影のような
3人の少女が見えた。
右の少女は総裁の暗殺の時に見た。左の少女は副総裁を狙撃した時に総裁
の側にいた。
二人はゲームの中の姉妹で真中の娘は顔が緑色だった。この子もゲームの中の
女の子だった。植物、海藻、藻などを自由に操る設定だった。
「私達は違う世界から地球を救うために来た。このまま悪い方向へ行くと地球は
放射能で死の星になる。貴方が総裁を助けて副総裁を倒して少し時間が延びて
希望が出てきた。そのお礼に私がこれから言うことを実行して下さい。貴方の
部下の遺体を埋葬して弔らって下さい。それと地下施設で貴方に感謝して会いたい
と思っている女の人がいます。会ってやって下さい」
頭の中に声が聞こえて三人の少女は消えた。
祐介は隣の副官に「三人の少女があの塀の上に見えたけれど、見たか?」聞いた。
「見ていません。大丈夫ですか?」と言われた。
ゲームの影響だと考えたが生死を争う戦闘の中で心は荒んでいた。何かに縋りたい
との気持ちで少女達が見えた。そして少女の話を信じた。
「私は亡くなった二百人の部下を埋葬し二十日間弔う。そして施設の中にいる人に
会う用事があるので此処に暫く残るが残りの兵士を連れて臨時政府に戻って欲しい」
副官は承諾して兵士を連れて帰って行った。
あの少女の言葉が重く感じられ会う相手は円華だと思った。




