七十二 大国兵士の侵入
地下政府の首相は総裁から副総裁が亡くなったこと大国軍が近く攻撃する
だろうと連絡を受けた。
それは祐介の上官つまり、警備隊の隊長とメンテ隊の隊長の武内にも知らされ
警戒するように指示された。
武内は全国の地下施設へ避難通路を施設側で封鎖するように連絡した。
英介は監視カメラの映像を見ていた。
すると、金属製の門の上部に梯子の先端のような物が幾つも見えて門に固定された。
金属カッターを持った兵士の姿が何人も見えて有刺鉄線を切断し始めた。
英介は急いで武内に状況を連絡した。
武内には静観してくださいと言われた。
英介とリーダーは不安だった。
特に避難通路のことを知っていた英介は不安で武内に聞いた。
武内は大丈夫です。但し、避難通路の廻りには近づかないようにと、指示した。
武内は警備隊の隊長に状況を伝えた。隊長から祐介に連絡が入った。祐介は、
駐屯地から組立て乗って来たトラック二十台に千人の兵士を分乗させ政府の
地下施設に向かった。
英介はモニターを見つめていた。門の上の有刺鉄線は全て取り除かれ兵士が
次々に三メートルの塀を降りてきた。
そこは長さ千メートル四方の塀で囲まれた、広い空間だった。
ガラスのドームは収納され、緑地帯はステンレスの板で塞がれていた。
他に障害物が無いので塀の中は良く見えていた。
兵士達は広い空間に散らばって行った。兵士が集合している場所は八か所あり
避難通路の上だと英介は分かった。
祐介と兵士達は地下施設に向かう道路の手前でトラックを止めて徒歩で進軍した。
門の前と橋の上と橋の袂に千人程の兵士が見えた。それは待機を命じられた暴徒
の民兵だった。
こちらに気が付き発砲してきた。応戦し銃撃戦になった。
祐介は駐屯地から持ってきた重機関銃数台を全面に出して威嚇射撃をした。
待機していた民兵達はその音と迫力に怯えているようだった。祐介は拡声器
で停戦を呼びかけた。
待機民兵の隊長は、地下政府に恨みはあるが臨時政府には共感している。
大国は占領を目的にしているので、何時かは、衝突するだろうと停戦を受け入れ
臨時政府に合流するために引き揚げて行った。
大国兵士の二千名は全て塀の中に入っていた。
大国の兵士達は外の銃撃戦の音には気が付いていたが動揺もしないで目の前の
任務に専念していた。
各避難通路には二百名ほどが集まっていた。二百名は二列になり,一列は入口
の前に並んだ。
もう一列は地上に残り、待機するようだった。総勢千二百名が地上に残るらしい。




