六十八 災害の通過
恒星が最接近する日の十五日前になった。地上の人々は覚悟をしていた。
夜は段々短くなり最接近時では夜がなく一日中明るかった。
温度の予測では五十度のはずだったが、三十度と春にしては少し暑いくらい
だった。温度は除序に上がったが最接近で五十度までだったが、人々はまだ
信じられないで避難施設に籠っていた。
それが十日近く続いた。
地上の人々は温度が高くなく生きていることに狂喜乱舞したが年寄りや体の
弱い者が脱水や熱中症で大勢亡くなっていた。
その後に温度は四十度位に落ち着き夜も少しずつ戻ってきた。
恐る恐る地上の人々は施設や家より外に出てきた。
空を見上げると熱気の中に二つの太陽が見えたが、一つは小さくなって
遠ざかっていった。
ライフラインと工場は稼働し始めた。
しかし、山、河原、公園などに煙が幾つも立ち上がった。
遺体を火葬場が処理しきれず、皆自分達の身内を焼いていた。
それは全国的で暫く続いていた。
余りにも亡くなった人が多いので遺体を燃やす、又は燃やす為の燃料を売る
などの商売が繁盛していた。
温度が低かったことは地下施設も海底マンションの人々も感づいていた。
地下政府や管理者は外に出ることを禁止した。
大国の兵士が少数だが施設の廻りに待機していた。
それに暴徒が組織化した民兵も反政府の思想を掲げて政府の地下施設
を狙っていた。




