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五十八 円華からの電話


 夜八時頃、宿舎で祐介はゲームをしていた。

夢中になるソフトが二つあった。一つはハーフの姉妹が銃と剣でモンスターと

戦うゲーム、もう1つが緑色の体の少女が色々な能力を駆使して地球を救うと

いうゲームだった。


祐介の携帯が鳴った。知らない携帯番号で女性の声だった。


「祐介さんですか? 円華です」祐介は以外な相手に驚いた。


「円華なの? どうした?」


「政府の災害の発表を見ました?」


「見たよ。円華はもう地下施設に入っているだろう?」


「入れなかった・・・・ 事務所の社長とか偉い人は入れたが普通の芸能人では

無理でした。私の後輩の女優Sが落ち込んで鬱になっている」


円華のような有名女優が入居出来ないのは信じられなかった。


「臨時政府がビルの地下とか地下鉄に避難施設を作るから、其処に入れて

貰えば良い」


「私も調べて問い合わせたら、ビルの地下はその会社の社員や関係者だけで、

地下鉄は鉄道関係の人と利用している人しか入れなくてもう一杯と言われました。

やっと見つけたのが山の中の洞窟で自由に入れるが、食料とか日用品は

用意出来ないと言われました。場所も狭く食料も一週間分しか置けなくて、

無くなれば外へ調達に行くしかない。外は高熱で出ていけない。そこで前に

祐介さんが耐火服の実験をしていたことを思い出しました。耐火服を借りて

食料の調達をしようと思って電話しました」


「女の子には無理だ。酸素ボンベを背負い耐火服を着たら何十キロにもなるから

歩けないと思う・・・・ そうだ! 私が入る予定だった地下施設がある。

1DKで二人では狭いけれど良かったら話をしてみるがどうだ?」


「祐介さんはどうするの?」


「私は臨時政府の要人の警護をしていて国会の地下に入るから大丈夫だ。

上官に確認して又連絡する」言って携帯を切った。


自分から縁を切ったのに心配して地下施設を紹介してくれる祐介の気持ちが

円華は嬉しかった。


祐介は上官に事情を話して女性二人を祐介の住居に入れてくれるように頼んだ。


上官は前例が無いことと廻りが全て警護隊とメンテナンス員の男達で女優達が

いる事が分かると色々な面倒が起きて指揮にも関わると反対した。


祐介は災害が過ぎたら千人の兵士を率いて大国と戦うことを総裁に約束した。

もし駄目なら此処を出て彼女らと一緒に暮らして助けると訴えた。


上官は困って検討して後で連絡すると言って電話を切った。


「2LDKで空いている処は無いか? または入居して無い所はないか?」

上官は地下施設の事務局に電話した。


「空いていないですね。入ってない処は一か所だけ有りますが?」


「何故、入っていない?」


「政治家のS氏で自分達の5LDKと愛人用に3LDKを用意して、2LDK

を予備で予約しているみたいです」


「入れない国民が大勢いるのに酷い話だな。愛人は百歩譲って我慢するが予備

とはふざけている。どのような理由で?」


「予備にするのは二人分の食料が余分に貰えるからです」


「他に予備にしている処は無いか? あと政治家に連絡して予約を取り消すように

伝えてくれ」


「他に予備は有りませんが、政治家に連絡するのは怖くて嫌です」

女性事務員が答えたので上官は直接政治家に連絡した。


「警護の隊長ですが。先生の予約している2LDKは人が入っていないようなので

取り消して下さい」


「なんだー 貴様、誰に向かって命令しているのか!」


「命令ではありません。国民の八割近くが入れないのに予備とはどういうこと

ですか? 愛人のことは目をつむります。でも予備のことは渡辺さんを通して

首相に連絡します」


政治家は暫く考えて「分かった。予備を取り消す」と渋々承諾した。


上官は、早速、祐介に2LDKを用意できたこと知らせた。


祐介は上官に感謝して円華に伝えた。


円華は喜んでいたが祐介には申し訳なさそうだった。


祐介は秘密通路の場所と入居する時間を連絡するための電話番号を円華に教えた。


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