四十七 臨時政府の地下施設
祐介は警護で佐藤氏の車に乗っていた。今日は国会の工事の視察だった。
議員宿舎に向かえに行き国会に向かっていた。
国会の建物の端の一部分が鉄板で囲われ工事が行われていた。工事用の出入口を
通り建物の中に入ると、幅三メートル位の階段が折り返し地下に向かって
作られていた。
暫く、降りて行くと通路に繋がった。
すると現場監督がやって来て進捗状況を説明した。
監督は渡辺といって政治家の身内だと佐藤氏は祐介に紹介した。
渡辺が此処は地上より六メートル程下った場所で宿泊施設、会議室、小ホール、
武器室等があり、この下の階は今工事中で主に倉庫と設備室を予定している
と話した。
「此処は臨時政府が一時的に災害から避難する為に作った。もし、私の警護を引き
受けてくれたら此処の施設で暮らすことになるので連れて来た」
「武器庫がありますが、臨時政府は戦闘を想定しているのですか?」
「恐らく、大国との戦いになるだろう。警護隊員は君を入れて十人しかいないが、
戦闘員は民間人を集める。そして君達に訓練して貰うつもりでいる」
「臨時政府には政治家・官僚の人も大勢参加するのでしょうか?」
「いや政治家は私の他に一人だけで、それが大国の息の掛かった大物の政治家H氏
で何かを企んでいる。残った官僚は新人で数が多いがやはり民間からも選びたい
」
「臨時政府は東京中心で動きだしますけれど、地方は如何なるのですか?」
「地方にも臨時行政府を作る。全国に二百三十程の地下施設があり、地方の行政
で管理していて政府の地下施設と繋がっている。そこに私の息が掛かった地方の
政治家が地下施設に入らず、ここのように地下を作り臨時行政府を立ち上げる。
そして、連絡網を作り大国軍と暴動に対処する」
祐介は地下施設の数と規模の大きさからどんな災害を想定しているのか想像は
出来なかった。
地震は一過性のもので地下を作る必要がないし、核なら地下に入っても一時的な
避難で意味がない。そのどちらでも無いように思え不安になった。




