四十五 臨時政府
祐介は佐藤氏の日程を確認していた。
今日の警護の担当は祐介だった。午前中は首相と会談して、午後は病院だった。
病院へ向かう時は伴走車に乗っていたが、帰りは佐藤氏の車に同乗するよう
に言われた。
佐藤氏の指示だった。車に乗ると佐藤氏が聞いてきた。
「祐介君は今の世の中の状況どう思う? 国民点数制とか地下施設とか?」
「すみません。学歴がないので旨く答えられませんが正直言って国民点数は
意味が分かりません。地下施設は地震と核の為の施設だと噂されています。
米軍の撤退、核装備など物事が早く進み過ぎると思います。もう一つは大国人
で何を企てているのか分からなくて怖いです」
「そうか、多分、国民もそう考えているだろう。病院で私はある病気で長くて
後五年と言われた。2025年の四月に国民点数の結果を発表する事は知って
いると思うが、その後にこれから起きることも発表する。それは、絶対の
極秘事項で今は言えないが、発表後、政府の組織は地下施設に入る。中に
住居施設もあり其処に入る資格が国民点数の高い順になる。地方にも地下施設
があり、やはり、点数の高い順となる。地下施設と海底マンションを合わせても
国民の二十五%しか入れない。政府が地下に入ったら日本は無法地帯になる。
それが大国の狙いで占領目的が予想される。私は首相の依頼で地上に残って
臨時政府を立ち上げる。恐らく、大国も臨時政府に諜報員を潜入させて私を
狙ってくるだろう。その時に、祐介君が警護でいてくれたら心強いが君にも事情
があると思う。まだ先の事なのでゆっくり考えてくれ、また断わっても地下施設
で首相の警護をすることになるだろう」
「分かりました。考えておきます」祐介は答えた。
次の日、上官に佐藤氏と話した事を伝えた。
「祐介君は地下に入って警備隊員になって貰う予定だった。まだ時間があるから
良く考えて決めて欲しい。臨時政府も狙われ崩壊することも考えられる。もし
生きていたら地下施設に戻って欲しい。実は警備隊員は元自衛隊員で全国に
分散しているので人数が少ない。ましてや政府の地下施設に二千人しかいない。
1DKも用意してあるので」
「でも封鎖してあるから後から施設に入るのは難しいのではありませんか?」
「今は、一か所だけ秘密の通路がある。かなり、出入口から離れているが口頭
で説明する。首都郊外線の谷山トンネルの中央部の左側にドアがある。其処
から入れば通路になっている。連絡はこの押しボタンを押せば解錠してくれる。
それと、あと何か所か計画しているようだが位置は未定だ」
と話し上官はボタンを渡してくれた。




