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三十六 火薬の処分方法


 月曜日に、英介は武内と共に渡辺に呼ばれた。やはり、調査員もいた。

土曜日の調査で火薬が見つかった事を伝えられた。


英介は恐ろしい世界に首を突っ込んでしまったと感じた。


渡辺は黒岩が他に何を話したか英介に聞いてきた。暫く考えていたが思い出した。

「宿舎が道場のようになっていて地下で訓練をしているらしい。金属のスーツの

実験もしていると言っていました」


「兵士の訓練だと思いますが、宿舎には何名位がいたのか分かりますか?」

と調査員が聞いた。


「部屋数で換算すると三千人位だと思います」


「そうですか、金属のスーツは防弾の為だと思います。それで工場の概要は

分かりますか?」と調査員は聞いてきた。


「宿舎と店舗と門の間を行き来するだけだったで、それ以外は分かりません。

廻りも高い塀で中が見えません。ただ宿長が工場の敷地が低くて大雨の時は床

に水が入って来るので荷物は上に置いた方が良いと言っていた。

余り関係はないと思いますが?」


確かに関係の無い話だったが、その後の展開を変える話になるとはこの時は誰

も気が付かなかった。


「話が変わって悪いが火薬の話をしたい。菊池に分からずに外に出したいが

良い方法がないか?」渡辺が聞いた。


「リニアの工事がまだ終わっていないので掘削した土を土嚢袋に入れて

エレベーターで地上に出しています。それを利用して土嚢袋に火薬と土も

入れて地上に出すのはどうでしょう? あと避難通路は菊池の管理で将来

其処から敵が侵入してくる可能性があります。そこに置いて敵の侵入を

防ぐのはどうでしょう?」武内は答えた。


「良い考えだと思う。避難通路の図面はあるのか?」


「元々設計図には無く菊池が勝手に追加した工事で施工図は菊池だけが持って

いるので内容は分かりません」


「そうだ! 英介さん。前に私に避難用通路があるかと聞きましたね? 

何か心当たりがありますか?」武内が思い出したように聞いてきた。


英介は敵の侵入などの言葉を聞いて益々不安になっていたが前の工事現場

の事を思い出した。


「前の現場で避難通路の施工図を見た事はあります」


「簡単な間取りでいいから後で教えて貰いますか? 何処か火薬を隠せる

場所がありますか?」


「有ります。地上より三メートル降りた処に空間があります。そこには

エレベーターとホールがあって、その前に倉庫とトイレがあります。

そこなら分からないと思いますが?」


八箇所ある避難通路に五個ずつ置く事になった。


「後は時間的な事だが五十階×八か所で四百か所もあり、撤去に半年以上掛かる

と思うが支障はないか?」と渡辺が聞いた。


「大丈夫です。リニアの工事は後一年半以上掛かるようです。あとは外に出した

土嚢袋の行き先です」


「火薬を爆発させるのは災害が去ってからここを攻撃するときだと思う。

それにはまだ時間があるから考えよう」と言って会議は終了した。


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