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三十五 仕掛けられた高性能火薬


 英介は武内から土曜日は定時に帰るように言われた。

怪しまれないようにとの理由だった。結果は後で教えると言われた。


 土曜日の定時になり英介は何時ものようにバスに乗って帰った。普通では明日が

休みなら嬉しくて話も弾むものだが、バスの中の男達は静かでエンジンの音が

響いているだけだった。


この人達は何が楽しいだろうと思った。


英介が狙われていると分かった時から数日経っていた。その様な兆候も

なかったので、そんな事も考える余裕も出て来た。


 武内は十八時になり菊池と大国の作業員が帰った事を確認して待機していた

作業員を連れて通路に行った。後から調査員と火薬専門の自衛隊員もやって来た。


その場所は良く見ると分かった。床より六十センチほど高さに、四角形の細い筋

のコーキング跡が見えた。


その部分は壁と同じ白で塗られていたが明らかに質感が違っていた。


武内が四角の中を拳で軽く叩くと軽い乾いた音がした。

間違いなく空洞だ。武内は作業員に指示を出した。


作業員はカッターでコーキング部を切り、コーキングの端を引くと紐のように

四辺を廻り外れた。


紙やすりで塗装を擦り、皿ビスの頭の部分を出して電動ドライバーでビスを抜き

ボードを慎重に外した。


中には座布団位の大きさの黄色いビニールの袋が出てきた。


中に何かがぎっしり詰まっていてパンパンに膨らんでいる。


袋には何か所も断熱材とプリントされてあったが、明らかにカモフラージュだ

と分かる。


自衛隊員は細い金属の筒を袋に刺し中身を確認した。そして、調査員に高性能火薬

だと伝えた。調査員は発火装置は何処にあると聞いた。


恐らく、見えないように袋の中にあると答えた。そして、自衛官は何か所あるか

と武内に聞いた。


場所と個数を知らせると驚いた顔をして全て爆発したらこの施設で生き残れる人

はいないだろうと話した。


実は武内と作業員は自衛隊員だった。武内は工兵部隊で建築専門の士官だった。


菊池がこの工事現場に廻されてくるとの情報があり、この現場の監督になった。


菊池は大物の政治家Hの手配で此処の工事現場に来た。

政治家Hの後には大国の影があった。


政治家Hは父親が大国人で母親は日本人で日本国籍を持っていた。


大国からの資金で政治家になった。多額のワイロで派閥を作り力を広げていった。


調査部は其処までは分かっていた。大国の最終の目的は把握していたが今の

状況では確信は持てなかった。


仕掛けられた火薬は政府の要人の暗殺で無政府状態にすることが目的と判断した。


菊池の逮捕も考えたがそれがきっかけで火薬を爆発されると施設が破壊される。


政治家Hの介入や暗殺などが考えられ暫くようすを見る事にした。


それに政府の要人がこの施設に入るのは一年以上も後だった。


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