表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

26/86

二十六 政府の地下施設


 英介は決められたバスに乗った。三十分位で工事現場に着いた。


やはり金属製の仮囲いがあり前の現場より規模は大きかった。

指定された現場事務所に行くと菊池がいて総監督の渡辺に紹介された。

菊池は紹介が終わると自分の現場事務所に帰って行った。


今回は一緒に仕事はしないのか? と思い又始めての人と仕事をするのか? 

慣れるまで時間が掛かると思い少し不安になった。


渡辺は製図室に英介を連れて行った。其処には十人位の人がいた。


その中の武内と言う現場監督を呼んで紹介した。


英介は武内の下で施工図を描く事になり説明を受けた。


建物の概要は前の現場と同じだが規模が大きかった。

二倍近くは有りそうだったが基本的に住居部分の間取りは同じだった。


武内は平面図と今までの施工図を渡して今日は内容を把握するように言った。

渡辺と武内は言葉から日本人だと確信した。


英介は平面図と施工図を比べながら見ていた。ある事に気が付いて武内に聞いた。

「設計図には無いが施工図に描かれている物がある。土に接する厚い壁の一部が

凹んでいる。深さ三十センチで縦横一メートルの正方形の空間でボードで

塞がれている。それが各階の住居棟の通路に八か所もあるが何ですか?」


「それですか? 私も変に思って菊池さんに聞いたら外の温度を測る

場所だそうです。ボードを壊し凹部の真中に直径五センチ程の穴があり温度計

を差し込んで測るそうです」


「菊池さんの仕事ですか? なんで温度を測るのですかね?」


「詳しいことは分かりませんが空調機の性能と結露を防ぐためと言っていた。

外壁を作る時に温度計を取り付けておけば簡単だと思うが菊池さんの工事で

他にも理由があるらしいが極秘だそうです」


「また極秘ですか? 施工図で外壁に断熱材と防水シートがあるから結露はない

と思いますが? そうだ! 前の現場に避難通路が四か所程あったが此処にも

避難用通路はあるのですか?」


「あるよ、後で追加になった。やはり菊池さんの仕事で」


「何か所ですか?」


「確か八か所だと思う」


「多いですね。ここの建物は大きいですね?」


「秘密だけど有事の時には此処に政府の機能が入る予定です」


「えっ、首相も入るのですか?」


「首相も政治家も各省の官僚も入る」


「へえー 凄いですね。有事とは核ですか?」


「核と首都直下と東南海地震だと言っていたが、核か地震か? 

はっきり分かりません」


「誰から聞いたのですか?」


「政府の担当者から地震のウエイトが大きいらしい」


英介の疑問は少し晴れて来た。

地下の建物は地震による影響は少ない。高台にあるので津波の心配は無く地震に

よる火事でも対処できると思った。


「このような施設は、全国に何か所あるのですか?」


「確か、人口百万に二か所だから全部で二百六十箇所位と担当者は言っていた。

この事は極秘事項なので宜しくお願いします」                         

英介には地震は予知できないし、起きてから地下施設に行くのは意味が無い

ことと箇所数の多さに驚きまだ信じきれないものがあった。


昼食になり、事務の女の子が弁当とお茶を持って来てくれた。


それぞれ、自分の机で食べた。宿舎の異様な雰囲気の食事から比べると

美味しく感じた。


午後から施工図を始めたが前の現場の施工図のCDがあるので順調に進んだ。


武内も思いがけない事で早く進むと喜んでくれた。


定時になると門から向かえのバスが入って来た。


英介はそれに乗り込み宿舎に帰った。


バスの中は話し声も聞こえず静かでバスのエンジン音だけが響いていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ