二十二 自衛隊用の耐火服
この一年間に二回の国民点数制が発表された。
一つは公共奉仕⑥で現在公共の仕事に関わっている人で工事が五十点、物品の
製作等が四十点、他は五~二十点の間でリストに書かれてあった。
二つ目は国への貢献度⑦ではノーベル賞は五百点、オリンピックで金メダル四百点、
銀メダル三百点、銅メダル二百点、映画、音楽で国際的な賞が三百点、サッカー、
野球なども国際的なもので三百点、国内の有名な賞で百点となっていたが一般の
市民には関係の無い事だった。
祐介に行政から封書が届いた。(貴方の点数は合計百七十点です)と
書かれてあった。
今回は何故か興味を持って見た。
点数が増えているのはメーカーの実験のことか? と考えた。
其処まで行政が知っていると考えると少し不安になったが、封書を机の
引き出しに入れて残した。
実験は順調に進んでいた。ボンベを背負って三百度で二時間の段階が終わっていた。
祐介は次の実験の話を聞いていた。
前に黒岩が話していた自衛隊用の耐火服だった。
実験者が四人居たが二人は離脱し一人は休養中で残り一人で実験している。
もう一人いれば今年中に終わるとの話だった。後は契約書にサインするだけだった。
実験の予定が早く進み四年が二年で契約終了だったので仕事の無い祐介は
サインすることにした。
実験は一年の予定だった。毎日体を作るように指示された。
毎日ジムに通う費用も出してくれた。
二か月程経ってかなり筋肉が付いて来た処で実験は始まった。
二百度の一時間からだったが、酸素ボンベ、耐火服、模擬銃、その他の装備を
加えると六十~七十キロになり、大人一人背負っているようなものだった。
それに歩き廻って、腰を降ろして射撃の構えをする。
かなり過酷だったが祐介はこなして行った。
暫くするとこれは自分に合っていると思えて来た。
目的に向かって努力して進んでいる充実感が出て来た。
テレビでは円華も次の映画の主演が決まり、撮影の最中だと放送していた。




