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二十一 週刊誌


 祐介の処に行政から封書が届いた。

(貴方の点数は合計百三十点です)と書かれてあったが封も開けずにゴミ箱に捨てた。


黒岩のこともほぼ忘れかけていた。


テレビで円華を見た。今度は映画の主演女優で主演男優と並んで映画の

紹介をしていた。これから撮影に入るようだった。もう有名な女優になっていた。

もう普通の男には手の届かない存在になっていた。


でもその女優と昔付き合っていたと思うと優越感が少し湧いて来た。


そんな時に玄関のチャイムがなった。


宅急便も頼んでなく、誰も来ないはずで不信に思って恐る恐るドアを少し開けた。


中年の眼鏡を掛けた中肉中背の男が立っていた。


すでに手に持っていた名刺を渡しながら

「私はS出版社の芸能部の記者で橋本と言います」と話したので直ぐに円華の

件だと思い中に入れた。


玄関のドアを閉めて立って話をすることにした。


「祐介さんですね?」


「はい、そうですけど?」


「女優の円華さんのことでお伺いしたい事があります。昔付き合っていたよう

ですが? それなりの関係はあったのですか?」


「いいえ、それは無いです。友達でした」


「そうですか? 円華さんが一目惚れして付き合ったと聞いていますが?」


「戦隊物の撮影で知り合い、当時の脇役で仲間を作って良く食事や飲みに

行っていただけです」


「分かりました。祐介さんとの事は過去の話なので記事にはしませんが、

今映画で共演している男優と交際している噂があるのです。そう、祐介さんと

同じで円華さんが一目惚れしたらしい。あと円華さんから最近連絡など

ありました? 例えば口止めとか?」祐介は少し動揺した。


「連絡は無いです。もう一年以上もないです」


男はまだ納得しなかったようだったが又来ると匂わして礼を言って帰って行った。


祐介は円華が普段は大人しいが一目惚れしやすく、夢中になると大胆になる。

でも直ぐ醒めて行く性格と分かっていた。


それ以来記者が尋ねて来る事は無かった。


円華の記事も週刊誌に載る事もなかった。


また一年が過ぎ、円華の映画も完成したらしく試写会の券が祐介の処に

送られてきた。記者に黙っていたお礼だと思った。


祐介は試写会には行かなかった。芸能活動もしてない事もあり興味が薄れていた。


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