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十七 黒岩との再会


 祐介はメーカーの実験室にいた。

耐火服はヘルメット、靴、手袋は全て繋がっていて前のファスナーで閉める物に

変わっていた。


理由を聞くと、他の実験で繋ぎ目の耐火テープの締め方が緩く軽い火傷をしたらしい。

誰と聞いたが教えて貰えなかった。


気になったが名前が分かっても戦隊で一緒になった男以外は顔も知らなかった。


今日からは二百度の一時間耐火が始まった。二百度からは五度刻みだった。


空気はヘルメットの上部から管で送られて来るので身動きが制限され実用性が無く、

この耐火服はどのような状況で使用するのか見当が付かなかった。

また、極秘事項で聞く事は出来なかった。


次の実験からは酸素ボンベを背負うと聞いて少しは理解が出来た。


 アパートに帰って来て事務所に連絡しても他に仕事は無いと言われた。

また何時ものようにゲームを始めた。


ゲームの主人公が女の子なので円華を思い出し連絡しようと思ったが撮影で

忙しそうだし、迷惑そうな声をされるのも嫌だと考えていると携帯が鳴った。

知らない番号だった。


「祐介、俺だ、戦隊の、実験はどうだった?」で面接にいた戦隊の男と分かったが

よく携帯の番号が分かったと思って聞いた。


「打ち上げで番号を交換しただろう?」と返ってきた。


「あー、で何の用?」と興味無さそうに聞いた。


「冷たいなー いま実験仲間と飲んでいるけど来ない? 情報交換したいからさ」


暇で興味があったので場所を聞いて出掛けた。


名前が思い出せなかったが途中でふと思い出した。


戦隊物で黒いコスチュームで名前が黒岩で同じだとからかった事を思い出した。


居酒屋に着き名前を伝えると個室に案内してくれた。


何人かいると思い扉を開けると黒岩と1人の男しか居なかった。

その男は坊主頭で祐介より二、三歳若そうだった。


頭の毛は染めていなく真面目そうだった。

体格は普通だったが引き締まって見えた。


対面に黒岩と並んで座っていた。


祐介は椅子に座ると店員に生麦酒の中とツマミを頼んだ。

店員は扉を閉めて出て行った。


黒岩が祐介のことを坊主頭に紹介して祐介に坊主頭を紹介した。


「メーカーの社員のヒロさんで俺の実験の担当をしている」


「日本の人じゃないの?」祐介は雰囲気から気になり聞いた。


「あー 大国からの研修生で日本に来たばかりで心細いと言うので友達になり。

連れて来た」


「ハジメマシテ、オネガイシマス」とたどたどしい日本語で挨拶した。


それから話はしなかった。


黒岩は祐介の実験内容を聞いた。


祐介は酒の影響もあり抵抗も無く話した。


そして黒岩は自分の実験内容を話したが、祐介は実験条件が自分と同じで驚いた。


「酸素ボンベは何時から背負っている?」と黒岩に聞かれた。


「200℃で2時間から」


「耐火服の生地は堅い? 柔らかい?」と又聞かれたので

「柔らかい」と答えた。


「メンテナンス用だな、俺は百度から酸素ボンベを背負っていた。極秘事項

らしいが耐火服には三種類あるらしい。だから、同じ条件になる。祐介の

実験のメンテナンス用と俺の実験の警備用、そして自衛隊用だ」


「その自衛隊用の実験はかなり大変らしいよ。耐火服自体が防弾仕様で厚く

重くなり、筋肉を補助する装置を体につけて実験する。きつくて、

もう1人辞めたらしいよ」


「誰が辞めたか分からない? 前の実験で軽い火傷をしたと聞き誰だか聞いたが

教えて貰えなかった」


「分からない。名前がわかっても付き合いがないので顔が分からないから

意味が無い。秘密漏洩を防ぐため四年間は何処かで隔離されるらしい」


「えー、其の人は隔離されている? そんな事許されるのか?」と祐介は驚いた。


「もう隔離されている。政府の仕事で極秘だから、後は其の人の変わりにならない

事を祈るだけだ」と言いながら黒岩は麦酒のジョッキを持ちあげ飲んだ。


「月に一回位はこうやって飲もうよ。また連絡する」黒岩は話した。


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