黒猫になったらコンプレックスの身長がぁ!!!
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異世界の爆乳女神こと、ヴィッセルにそれぞれの勇者と黒猫のステータスを見せて貰ったが、固有スキルは人によって能力が変わるらしいのだが、梨央奈の黒猫の職業は定まっておらず、逆に俺は盗賊が記載されていたのだ。
「盗賊か。まぁ、逃げるが勝ちって事でよしとするか? ヴィッセル、多分能力の説明する前に俺は城から出されると思うからこの世界のシステム的な要素教えてくれるか?」
「もし、断ったらどうなりますか・・・?」
「勿論、羽交い締めにして梨央奈に胸を弄ばれるか話すまで擽り続ける系で行こうと思ってますが?もう日本じゃ無いし、ちょっと過激的に行こうと・・・」
「えっ?川口くんが揉まないの・・・? 」
まさかの梨央奈の言葉に驚いたが、ぶっちゃけ程よい大きさがベストで桃尻派の女がタイプだと性癖を暴露してら少し引かれた。
「日本だとセクハラになるから控えてたけど、わりかし好みとかあったぞ?」
「なんか、異世界転移されてから私の知ってる川口くんの性格がどんどん遠退いていくんだけど?」
まぁ、普通に下ネタは人並みに好きだし、看護・福祉科選んだのも女子が多いのと社会情勢的に資格あったら介護で職は楽できると安直な考えで選んだ道だった。
しかし、異世界に転移させられていつ戻れるかわからないのならば、俺ら生徒側の人生はどのみち【死亡ルート】なのだ。
例え、元の世界に帰還できても行方不明扱いになっており、何年も経過していたら中卒の無職は確定だろうし、戻って職につける技術や知識を異世界で取得するのは難しい。
つまりは生徒側は元の世界への帰還を諦めてこちらの世界で生きる術を身に付けた方が得であるのだ。
「それに梨央奈が黒猫で職業がないのは奴隷か黒猫だから何処かしらで死ぬって意味かも知らねぇからな。
なら、勇者って立場で色々と保護して貰った方がいいだろ?
俺は…何とかするからさ。つー訳でさっさと話せ」
女神・ヴィッセルは俺の目を見て本気だと悟ったのか素直にこの異世界のシステムについて教えてくれたのだ。
固有スキルは人によって能力が変わるらしいのとレベルが上がれば能力が向上し、レベル10になると更に強力な固有スキルに進化するらしい。
そして、選択スキルというのは固有スキルとは違い鍛練や指導によって習得できるスキルであり、それも熟練度を上げれば、固有スキル同様に強力になるというのだ。
「その為には多くの魔物を倒して経験値が必要になりますが、人によっては鍛練で経験値を習得出来るので… 」
「黒猫にはそれは無理だろうな。そもそも関わろうとする以前に討伐対象になるリスクもあるし…勇者とか戦士辺りの固有スキルに加算されてるかもなぁ…」
「け、けど、本当に良いの?川口くん…」
「俺、あのおかっぱとハゲ王が嫌いだからいいよ?ぶっちゃけ元の世界なら即効で退職選ぶ自信はあるぞ? 」
梨央奈は申し訳なさそうな顔をしていたが、こちらからしたら勇者って立場にしてしまって申し訳ないと思うけどな。
まぁ、森田らに任せておけば大丈夫だろう。
アイツらゲーマーで知識もあるだろうから。
梨央奈はまだ悩んでいたが、覚悟を決めたようだったので女神・ヴィッセルに向き直った。
「変な人ですね。彼女でもない女の子為に身体を張るなんて・・・」
「まぁ、それが出来ないダメな男を何人も見てきたからそうなりたくねぇって俺の意地って事にしておいてくれ。後、セクハラしようとして悪かったな。女神・ヴィッセル様、2度と会うことはねぇだろうから謝っとくぜ。梨央奈達を導いてやってくれよ?」
あー・・・柄にもなくカッコのいい事いっちゃったよ。俺、そんなキャラじゃないでしょ!?
もっとのらりくらりと上手く長いものに巻かれて生きるのが正解だって教えられて育てられた。
わりと聞き分けのいい子として育っていったが、俺が家族に対して唯一反抗した事は「俺が好きで絡んでる友だちを否定するな」と口喧嘩をして最終的にテーブルをもあげて壁に投げつけて脅して友だちだけは好きに付き合わせてくれる事になったのだ。
だから、友だちを助けて異世界で死ぬって人生でもいいと思っているのと勝手に異世界に連れてきて悪びれる気もないおかっぱと王が家族と重なって仕方なかったのだ。
まぁ、こっちの都合で仮にも女神様にセクハラしようとしたし、最初で最後かもしれないし、悪いことをしたら謝る筋は通さないといけない。
最後に女神・ヴィッセルが微笑むと俺と梨央奈は暖かな光に包まれて気を失ってしまったのだ。
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目を覚ますと、召喚されたあの場所にいたが、何故皆が俺を見ていたが、黒猫になったのだから仕方ないだろうと楽観的に考えていたが、どうにも『目線が低い』と感じたのだ。
俺よりも背が低い筈の梨央奈や琴音を見上げなければならない状態だったのだ。
すると、及川が申し訳なさそう口を開くと、背が縮んでいると教えてくれたのだ。
「身長を返して下さい!!!ただでさえ、163cmしか無かったのにー!!!」
「やかましい!!そのものが黒猫だ。つまり出せ!!」
おかっぱのアルムニスの指示により、俺は騎士に首根っこを掴まれて外に投げ出されてしまったが、その前におかっぱのアルムニスと王さまであるグラード三世に対して固有スキルを発動させて魔力と体力を少し頂戴し、ついでに首根っこを掴んだ騎士の体力も少し頂戴したのであった。
名;カワグチ・トモヤ 種族;小猫族職業;盗賊
レベル;1
固有スキル:【生命強奪;1】
能力:一定時間見つめた相手の体力・魔力を強制的に奪い取る事が出来る
選択スキル:なし
筋力+0 敏捷+0 体力+15 魔力+10
器用+0 知能+0 幸運+0