ダンジョン探索へ
あらすじ
ナタリアが怪力過ぎた件
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ダンジョンの定番は大昔に立てられた遺跡であったり、洞窟であるのだ。
今回のダンジョンは大きな洞窟が出入り口になっているタイプであった。
こう言う広いダンジョンだと大型の魔物を複数相手をしないとならない為に攻略は困難なのだろう。
「結構広そうな場所だな。 食料と水って備蓄どんなもんある? 」
「取りあえずは三人なら一週間は持つ程度はマジック・バックには入ってるわよ? 」
3人で一週間分ならば、食える魔物と湧き水があれば何とかなるだろう。
普通に考えれば、ゲームだとそういうのは無しで宿屋で体力さえ回復しておけばいいシステムであるが現実的に食料と水はダンジョン攻略の必需品であり、レイラが持ってるマジック・ポーチの存在はありがたい。
「ここのダンジョンはこの辺りだと一番大型の魔物が出るし、サイクロプスが何か門みたいな所を守護してるから莫大な富があるとか言われてるんだよなぁ~ 」
「あくまで噂だし、クロが女神様達から助言されたらなら何かしら役立つものがあるって事でしょ? 」
「これでしょうもねぇガラクタとか使えない魔道具だったらアイツらの石像ぶっ壊して良いからな。 ナタリア 」
「プハッ!!それ最高に良いじゃねぇか。 ならさっさとダンジョン攻略に乗り込もうぜ? 」
あくまでも使えなくてどうしよう魔道具ならばの話であるから大丈夫だろう。
まぁ、マジでろくでもねぇガラクタだったら次は国にある石像をぶっ壊してまわってやって魔王と手を組んで異世界をモノにするのも面白そうだと考えてしまった。
いかんいかん。人間性を無くしたら獣と同等に成り下がるが半分は猫入ってるし、飼い猫に嫌われた体で行こう。 あの女神様らが信用できるかはこのダンジョン攻略の結果を俺がどう受け止めるかだ。
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ダンジョン内に突入すると、中は広い上に暗いために人間には視界が見辛いというハンデがあった。
たが、小猫族は薄暗い場所でも目が効くし、微かな物音にも敏感である為に大方の魔物の位置がわかる。
「う~ん 何か思ってたストーン・ゴーレムと違うというか… 巨大な泥人形に岩や石着けただけだよなぁ~あれは… 」
ゴーレムといえばファンタジー系小説やゲームでもわりと強敵で腕力に優れた魔物という認識があった。
だが、実際に目の前にいるストーン・ゴーレムは大型の泥人形に岩や石が混ざった様な魔物であったのだ。
しかもこう言うのは、水を掛けてしまって頑丈な岩や石が剥がれたりするか、逆に熱で粘土部分を加熱してひび割れしやすくすれば倒しやすいタイプだ。
「ナタリア、前方から2体くる。左の奴の片足をぶっ飛ばして転けさせてくれ 」
「あいよ。オラァォァァァァーー!!!!」
あ、これ余計な小細工無しでもいいわ。ナタリアの怪力舐めてたわ。普通に左側にいたストーン・ゴーレムの右足が吹っ飛んで後ろの洞窟から出て来てた奴にそのまま直撃したわ。
「レイラ、これならナタリアに好き勝手暴れさせて経験値稼ぐのもありじゃねぇかな? 軍隊でも苦戦してダンジョンボスがサイクロプスで門番みたいな事をしてる以外情報は無いんだろ? 」
「まぁね。その情報は私が実際に見て来たものだから信じて良いわよ? ただゴーレムは倒せてもサイクロプスがわりと難敵なのよね…力自慢の戦士や騎士を一撃で吹き飛ばすし、身体強化魔法も使うから厄介なのよね…」
あぁ、斥候で確認してきたのがレイラなら情報は信頼出来る。 ただの力自慢のサイクロプスなら倒せる手段はいくらでもあるのだ。
まぁ、俺は特に戦力にならないからどうしようも無いんだけどなぁとため息を吐くとレベルアップしたようだ。
レベルアップすると立ち上がった時に頭をぶつけたり、振り向き様に壁にぶつかってクラクラする感覚があるのだ。
ハッキリいって気持ち悪くなるが、レイラ達はレベルアップしてもそのまま平気で戦闘できるまで慣れてしまったと言うのだ。
「ぶっちゃけ、ナタリアと夜通しで晩酌を朝まで続けるより全然ましな方よ…何十本も酒瓶開けて気がついたら二人とも全裸で寝てたわ…」
「あぁ…悪酔いして間違えて抱いたパターンか。まぁ、良いんでねぇ?案外お似合いだしさ~ 」
ぶっちゃけレイラとナタリアが同性愛者でも良い。
が、何だっけ?百合に挟まれる雄は万死に値するとかいうタイプもいるって琴音と梨央奈から教えられたが、女の友情で性行為まで進んだ関係程度にしか捉えていない。
そもそも言葉の意味がわからないが、ようはレイラとナタリアの恋愛におれが邪魔だから始末しようって事だったのか。
異世界にそういったタイプの人間害無ければ良いなぁ~と気楽にレイラにおんぶされていたのだ。
「体力が伸びても敏捷ないと意味がないって辛いわ…レベルがあがったなら何かスキルの一つでも覚えろってぇの…ん? 」
レイラにおんぶされた状態でステータス画面に目を通すと選択スキルに新たに忍び足のスキルを修得していたのだ。
え~とっ何々、忍び足レベル1『自分と振れている人物の気配を消すことが出来る』
…うん。これのスキル使えるわ。サイクロプスから体力と魔力も奪いたいし、この作戦で行こう。
「ナタリア~!!ゴーレム大方片付けたら一回サイクロプス戦の作戦伝えるから気が済んだら休める場所でも休憩挟んで作戦会議なー!!!」
「わーかったよ!!けど、サイクロプスに勝てんのかよ?少なくともアイツはレベル30位あってレイラがいってたし… 」
それは正々堂々と真っ向から勝負した場合の話であるからだ。 そもそも俺は『正々堂々と真っ向から勝負する』とはいっさいいっていないからだ。
魔物相手に正々堂々堂々戦ってられるかよ。 時間も掛かるし手っ取り早く倒せるならこれが一番だ。
異世界転移させられていちいち正々堂々の勝負なんて馬鹿みたいな事やってられるか。
効率よく物事を進めていかなきゃ手詰まりでそこで御仕舞いだ。
だったら、手段を変えて勝つ方法に切り替えればいくらでも何とでもなるのだ。
ある程度のゴーレムを片付けて休憩できる場所を見つけると対・サイクロプス戦での戦法について説明するとナタリアとレイラの顔が青ざめてしまったが、所詮魔物相手だからこっちか痛くも痒くもない。
待ってろよ。ダンジョンボスのサイクロプスの野郎が、地獄を見せてやるぜ。
サイクロプスは終盤に出てくるイメージですが、ちょっと可哀想な倒したをしようと思ってるので同情してやってください。