表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/85

ダンジョン攻略前に連携を試してみた

前回のあらすじ

レイラとナタリアが強いと教えられた。

**********************


大方のゲームのパーティーメンバーはゲーマーのこだわりと言うものが存在するらしい。

一般的にバランスの取れたパーティーや推しを何とか戦力にするというものだ。


まぁ、大方は課金やら面倒なクエストを周回して装備レベルをあげるのが定番だろう。

だが、この異世界に【武具屋】があったとしても装備を揃えるのが難しければやることは一つだ。


レベルをあげてのゴリ押しで倒す。某大人気ゲームでも序盤にレベルをあげて戦力や相性をあわせてパーティーのレベルを一定するか、一定ならない場合は捨て駒を1匹~2匹を選んで犠牲にする戦法を俺はよく取る。


だが、このパーティーでの捨て駒にするならレベルが一番低い自身であるためにおこぼれいいからレベル上げが必須であるのだ。


何よりも異世界ファンタジー系のチートスキル持ちや力でゴリ押し解決する能力は持ち合わせていない【平凡】なキャラだ。


異世界転移してスキルがあるからと慢心していると即死フラグの世界であり、蘇生スキルなど存在しない。 だからこそ、状況判断や指示、パーティーメンバーの性格や癖などを把握しておく必要があった。


「ナタリア!!!先にレイラが攻撃を仕掛けて動きを鈍らせるからそれを叩き潰せ!!レイラはなるべく脚の腱を狙ってくれ!! 」


目当てのダンジョンはエデンの魔物(モンスター)避けの魔方陣の外であった為に初めて実戦相手は異世界ファンタジー系では定番の大猪であった。


まぁ、スキルから察するに魔力を持ってる魔物(モンスター)は魔族かダンジョンに住み着いて力を着けたタイプでこう言った山々や草原地帯で出くわすタイプは大型の動物が多いのも納得出来る。


「お疲れさん~後はこの猪を安楽死させてやるだけだな…」


レイラが短剣で巨体を支える脚の腱を切り、体勢が崩れた所をナタリアが金砕棒で腹部分を殴り付けて瀕死の状態にする。

そうしたら、固有スキル:【生命強奪(エナジードレイン)レベル;1】で残った体力を奪い取る。


ダメージを受けて瀕死の動物は覚悟を決めて相手から目を離さない傾向があると何かテレビ番組でいっていた気がするが、それは今の固定スキルからすれば、好都合な習性であるのだ。


まぁ、他の魔物(モンスター)の群れなどに襲われる事もあるだろうが、魔物(モンスター)も本能的にナタリアとレイラとのレベル差を本能的に察したのか襲ってくる気配はない。


「取りあえず、この大猪どうする?牙とか毛皮とかは剥ぎ取れば売れるのか? 」


生命強奪(エナジードレイン)レベル;1】で残った体力を奪い取り終わると、大猪は静かに息を引き取った。


初めて生き物を殺したが、特に何も感じなかったのは介護という業種を選んで『死』というものが近い存在の世話をする業種である為にそれを見とる仕事であるからだ。


実際にある老人ホームでたまたま利用者の死を目の当たりにしたが、丸で業務作業の様にてきぱきとやるべき事をやる職員達を見て人の『死』に手慣れてしまうのではないかと考えた事があった。


だが、死は突然訪れるもので昨日まで普通に話していた友人が次の日に亡くなる事だってあるし、国のトップの命令で他国との戦争で命を落とすかも知れない。 確かに日本は他の国と比べれば【平和】なのかもしれないが異世界に転移した今思うことは…。


「命に感謝を捧げていただきます!!!やっぱり一仕事終えた後のメシはどの世界でも旨い!!!肉最高~!!うめぇー!! 」


手慣れた手付きでレイラがさっさと大猪を解体している間にナタリアと協力的して火を起こして肉に火を通し、食していた。


どの世界でもちゃんと労働して食うメシ…特に肉は最高に旨い。これは異世界でも同じであった。


「にしてもクロは的確に指示出せるよなぁ~大猪って普通は戦士や騎士が10人いて倒せる魔物(モンスター)なんだぜ? 」


胡座をかきながら、骨付き肉をワイルドに食らうナタリアが僧侶だとは確かに思わないだろう。


「そりゃ、役割りをちゃんと指示して的確に仕留める計画が無いからだろう?

個人が好き勝手武器振り回せばら互いの邪魔になるし、例え当たったとしても致命傷にはならねぇから相手を興奮させて突進されるのが関の山だろうな…」


折角、図体がでかいならそれを支えてる脚を狙って体勢を崩させてしまえばいいのだ。

そこに強烈な一撃を脇腹でも脳天にぶちかませば致命傷になる。


本音をいってしまえば、遠距離から攻撃できる魔法使いが魔法で腕とか肘を壊す手もあるのだ。


俺だって体力と魔力しか増えないならば、魔力を使う攻撃系の魔法スキルを取得したいとは思っているが、現状にその宛がない。


実際に俺のパーティーは指示を遂行出来る機敏性と確実性が高く頭の回転の速いレイラと一撃の破壊力が荒々しいナタリアという決め手がある。


作戦と呼べるものではないのだ。 ただ単に二人に長所を活かした戦法を指示すればレベル的にも勝てる。 後はレベルの低い俺自身の立ち回りでどうとでもなる。


実際に先程の戦闘には殆んど参加していなかったが、レベル3まで上昇していたのだ。


まぁ、経験値(ポイント)は体力と魔力しか振れないが、ナタリアから学んだ癒し(ヒール)は魔力が必要不可欠である為に魔物(モンスター)からは体力と魔力があれば魔力を固定スキルで奪い取ってから倒し、レベルが上がって経験値(ポイント)は魔力に多めに振るようにしておけばナタリアとレイラの回復に当てられる。


こっちの異世界での方針はダンジョン攻略でレベルバグを解除する事だ。

その後の事は今後のイベントで決めていけばいいのだ。 黒猫になった俺に何故、女神が協力的なのかは気になるが少なくともこの異世界では女神は一番の権力者だ。


取りあえずは方針が決まるまでは巻かれてやろう。


だが、情報が揃って判断材料が増えた時に女神に牙を向けるのも良いだろうなと内心で考えた。


そして、目当てのダンジョンに着いたのであった。 ダンジョンボスはサイクロプスで中には大型のストーン・ゴーレムがいるという話である。

ならば、ナタリアの怪力無双で行けるところいって休めるポイントを見つけてナタリアに癒し(ヒール)を掛けてゴリ押しする。


異世界に来て初めてのダンジョン攻略がすこしばかりの不安と期待感、そして少年時代の様な探究心が胸を高まらせたのであった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ