指導者・先導者がいなければこんなもん
爆乳女神ヴィッセル
薄い桃色の髪に聖母のような穏やかな顔をしており、爆乳の持ち主である。
おおらかな性格の持ち主であり勇者から黒猫に変えてくれと直談判と脅しをした知哉を気にかけている。
貧乳女神・レティアラ
性格のキツそうな眼鏡のお姉さんタイプの女神。聖職国【エデン】の女神である。黒髪のロングヘアーと僧侶のような格好をしている。
信仰者であったナタリアに自身の石像を破壊されて破門する形になってしまったが一番の高レベルであり、僧侶でありながら前衛で戦えるナタリアが国から出ていくをとめたかったが無理だった。
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二度寝した事により、貧乳女神と爆乳女神が夢の中に現れた。 普通なら夢精とかしそうレベルの美女であるのは間違えない。
しかしながら、内容はエロい系では無く、真面目系な話である為にそうなることはない。
つーか、こういうのって勇者の梨央奈の夢の中に出てくるイベントである筈だ。
俺は勇者が嫌だからハズレ種族である小猫族の黒猫に選ばれた梨央奈と入れて変わった立場の人間である為に女神に安眠妨害される理由はない。
「んで、わざわざ人の安眠妨害して夢の中に出てきた理由きいてもいい?
職業入れ替えの代償で発生してる レベルバグのせいで選択スキルレベルが上がっても経験値で体力と魔力にしか割り振りできないから高レベルのレイラとナタリアに助けて貰いながら何とかするしかネェとは考えるけど… 」
「取りあえずは貴方のモチベーションをあげない事には話しても実行してくれるとは思いませんからね。 実際に何度か夢の中に入ろうとしたのにダメでしたが、廃教会に寝泊まりした事でこうやってまた話す機会が出来たので… 」
「あー…そう言うことか。で?このレベルバグも女神様の力で治してくれるの? それとも何かイベントパターン? 」
「まぁ、簡単には行かないと思いますがレベルバグの解除にはダンジョン攻略が必須なのですよ… 」
貧乳女神・レティアラの口から出た【ダンジョン攻略】という言葉に怪訝な表情と面倒くさいというオーラを滲み出し、冷ややかな目を二人の女神に向けた。
絶対に裏がある筈だと疑心暗鬼になっていた。
レベルバグの件で今後の方針が定まっておらず、聖職国【エデン】の僧侶で破門になった戦士型の僧侶と幼馴染の高レベル女盗賊の組み合わせは明らかにダンジョン攻略の手助けキャラとして選出されたに違いない。
仮にそうだとしてもそれを勇者になった梨央奈ではなく、黒猫になった俺に助言するにはタイミングが良すぎるのだ。
興味が無くて忘れていたが、元々異世界に転移させられた理由が『魔王がいてグラード3世の娘が拐われている』からだ。
だが、レイラから聞いた情勢とは色々と違うのだ。 そもそもの話【ダンジョン攻略】は国の軍隊を動かさなかればならないほど大きな仕事である筈だ。
色々と女神側と認識のずれというのがどうにも気になる。
「ダンジョン攻略って国の軍隊を動かさないとダメな位大掛かりな仕事じゃねぇのかよ? 」
「こちらの世界ではそうですが…たまに不規則なパターンが起こってしまうのですよ 」
不規則なパターン?つまりは軍隊を動かさなくても良いような小規模なダンジョンが産み出される事か?
「レイラとナタリアのレベルはこの世界の常識のレベルよりもとても高ランクなのですよ…」
「…はっ?ど、どういう事?この世界の平均レベルよりも高いって事か? 」
貧乳女神・レティアラけらレイラとナタリアはこの異世界でもかなり高レベルな扱いであり、エデンとラインヴッセル王国の高レベル者であると教えて貰った。
だが、レイラは元々ソロの女盗賊で国に使えるタイプには見えないし、ナタリアもエデンの司教をぶん殴ったりとハッキリと国には非協力的なのは明白であったのだ。
そもそも、どの職業でもレベル30になる事が難しいらしくレベル45とレベル32の二人をとめれる人材がいないというのだ。
元々、戦闘タイプの戦士なら10~15で強く軍隊に所属するレベル平均は12程だというのだ。
「あー…つまりは高レベル二人がいればダンジョン攻略もいけるからわざわざ10前後のレベルの兵士達を集めて軍隊で攻略しなくてもいい…と? 」
「普通ならばあの2人もそのラインにいてもおかしくないのですが、単独での魔物討伐が多く他の者より経験値が多く加算されるためにレベルアップが速くて… 」
「当たり前だろ… システム的に経験値が魔物へのダメージや討伐による貢献度による者ならソロで魔物討伐する方がレベルアップはしやすいし… 」
何と無くではあったが、この異世界は効率が悪い上に古い風習や言い伝えを信じすぎている節がある。
実際にナタリアも修道院か教会かが定めた身を清める修行よりもソロで魔物討伐する方が手っ取り早く強くなれる事を知ってるからアホらしいと出てきてしまったのだろう。
「ようは効率的に高レベルを育てられる育成論よりもレベルアップには時間が掛かる集団戦法が主流でレベル的にも魔族に負けてるから『戦って成長レベルが早い異世界人を転移もしくは転生させる風潮』があるってこと? 」
「ハッキリといってしまえば異世界人の方のがシステムを理解して成長戦略を立てられるので…どうしても異世界からの転生・転移に国が頼ってしまうのですよ… 」
「プ○野○の助っ人外国人でのチーム補強かよ!!? 役割に合わした主力級が育たなきゃそりゃ弱いし、独学の理論で結果だして高レベルなったやつが対した実力も結果も出してないやつの持論に耳貸すわけネェじゃん!!?そりゃ負けるわ!!! 」
「なので、クロさんはレイラさんとナタリアさんという高ランクの方といるので普通の軍隊よりも強い力を持っているのでダンジョン攻略でバグを治すという手もあります。
残念な事に我々女神は定めた職業以降の問題を解除する力を持ち合わせていないので… 」
ようはあれだな。いい指導者や先導者がこの世界にはいなくて集団戦法で戦って経験値をわけており成長が遅く、レイラ達の様に単独で高い経験値を稼げる者がいないと言うことだ。
これ普通に考えたら○ロ○球のドラ○ト会○で騒ぐだけ騒いで全然活躍出来なかったパターンでいい指導者うぬうんよりも自身の才能で一軍で戦える様になれっていう才能任せのギャンブル転移のようなものだ。
逆にいえば、即戦力二人が仲間になったからダンジョン攻略してさっさと強くなった方が得策だが、レベルバグの件で体力と魔力しか増強できないが、ダンジョン攻略の宝で解除できる可能性を教えにきてくれたのだろうが、俺はそう簡単に信じない。
言葉と行動は表裏一体であり、どちらかが弱ければ受ける取る相手に誠意や真剣さが伝わってこないのを知っているからだ。
だが、これといってやることはない為にダンジョン攻略の件を了承すると、貧乳女神と爆乳女神は胸を撫で下ろしたのであった。