私の召喚獣(小鳥)と優秀な男子達
構想2日。作成期間1ヶ月。
こんなに大変だと思いませんでした。。。
これからも皆様の作品を大切に読みたいと思います。
ここは16~18歳の子供達が、恋愛ドキドキとは無縁かもしれない、将来を見据えた学舎、魔法アカデミー☆高等学園。
基礎となる教育は中等で学び終え、ここではひたすら実践経験を積む場となる。
1学年は魔力の成績関係なくクラス分けがされており、それ以降はA~Eの成績で分けられる。
それでもある程度、中等での成績で分けられているようだが私はAクラスにいる。
「来週の魔獣討伐訓練だが、4人でチームを組むように」
今朝の連絡事項で担任が言った。
まだ相手の実力がそれほど分かってはいないのにバランスよく組めるわけがない。
それでも中等で優秀だったり珍しい魔法を使う生徒は、すでに取り合いがおこり勧誘でざわめいていた。
口説かれている人たちを眺めながら、頭上の白い生き物を撫でる。
私の得意魔法は召喚だ。今のところ応じてくれるのは、私の頭が定位置となった白いふわふわ毛が特徴の小鳥、命名「ぴーちゃん」のみ。
見た感じ、戦闘力ゼロ、防御力ゼロ、回避力ゼロ!の召喚獣は人気がない。
手紙を運ぶおつかいレベルしか出来ないだろう、と。
そんな私はお声がかかるのを待つのみ。そのうち足りないチームへ強制的に加えさせられるだろう。
なーんて思っていたら、一緒のチームに入らない?とまさかの時間切れ前にスカウトされた。
「初めまして、僕はリオン。得意なのは結界と治癒だよ~」
―――銀の髪に金の瞳ですか。女神のような容貌ですね。
「防御だけって思うでしょ?でも魔法攻撃なら、結界でくるっと反射できるんだよ~」
ニコッと女神の微笑みでおっしゃられた。
しかもこの結界、自由な角度に変えられるので狙った敵にピンポイントで撃ち返せるそう。恐い。
「俺はガラン。将来は魔法剣士を目指している。得意魔法は炎。刀身にまとって戦うから火傷には注意なっ」
―――得意魔法は炎なのに、涼やかな水色の髪、そして更に淡い透き通る水色の瞳ですか。言葉遣いは格好いいですが見た目は麗人ですね。
「あと空間魔法もあるが、瀕死のケガしたときすぐ回復できるようエリクサーで満たしてるから安心していいぜ」
攻撃特化と思いきや治療が完璧とは。
たぷんたぷんに満たされてるエリクサーはどこから持ってきたのでしょう。私にも少し下さい。
「最後になったが初めまして。わたしはバルト。攻撃魔法全般が得意かな。全属性が使えるからね」
―――私をスカウトしてくれた男子は凄い事を爽やかに言った。
「攻撃特化だけど、防御もできるから安心して」
それは自分の身は自分で守れるという事でしょうか?
確かに全属性あるなら、氷や土などで障壁を作れば魔法も物理も防げますね。
なるほどなるほど。
この3人は攻撃、防御、回復をそれぞれが2つ担当してる完璧なチームなのね。
例え、なんっっの役にも立たない者が一人加わったところでなんっっっっの問題もないってことですね。
だから数あわせで入れたのか?
「ん?君をスカウトした理由?男しかいないから女子が欲しかったわけ。癒し担当ね」
………癒し担当。ぴーちゃんを含めてですね。
「さて癒し担当の君は何が得意なのかな」
演習場は人が多いので広場にやってきた。隅の方には、学園で育てている毒草や薬草、香草が植えられている畑がある。
香草は料理につかうのかな。
まずリオンの結界範囲を知りたいと言ったら、広場全体にかけてくれた。まだ余裕ありそう。
さて、時間切れ前に受け入れてくれた3人には、特別に真の姿を見せてあげましょう。
いでよ、ぴーちゃん!!!
あ、待ってそこで巨大化すると私がペチャンコになるから降りてからにして。
4人を乗せてもまだ余裕がある大きさになったぴーちゃん。もちろん飛べます。
ふわふわした毛は空気抵抗を受けないよう滑らかな毛並みに変わり、シュッとしたお顔に変わっている。
続きましてぴーちゃんのお歌発表です。
思い切り唄っていぃよーと言ったら、巨体に見合った音量になると思ったのか、皆、慌てて耳を塞いだ。
優しい声で唄う巨鳥ぴーちゃん。奏でる音色は、およそ人間では出せない複雑な旋律なのに、大変心地よい。
聞き終わったバルトが、ポツリと呟いた。
「身体が楽になった。まるで、浄化、されたみたいな…」
リオンも両手を胸にあてウットリしながら、「間違いなく浄化だよ~」と肯定した。
ガランは目を瞑り余韻に浸っている。麗人はそれだけで絵になりますね。
そう、これがぴーちゃんの能力。身体の収縮と浄化、つまり悪意や毒となる災いのようなものを清めてしまうのだ。
戦う前から戦意喪失ね。
ところで畑の毒草、毒がなくなってしまったようなそうでもあるような………
*
演習までの一週間、討伐計画を立てながら各チーム固まって過ごしていた。
そうすると出てくるのが「嫉妬」だ。
美男子に囲まれた逆ハーレムが羨ましいのだろう。
ふっ、両手に美男子、眼の保養~と言ってる場合じゃない。
討伐前に怪我なんてしたらチームの迷惑になる。
そもそも私を攻撃してどうするおつもり?そのポジションに収まりたいの?
ムリムリ、あなた達では癒し担当になれないわ。
たとえ入れたとして、今度は自分が同じ目にあうかもしれないって考えないのかしら。
いいえ、違うわね。
私が非力に見えるから余計、大胆に攻撃してくるのね。
なるほどね、、、
ぴーちゃんに唄ってもらおうかしら。
学園の規則で、授業以外での魔法使用は原則禁止である。
ただし召喚獣は信頼関係を築くためいつでも出し入れ可。
罰則は一週間の魔法使用停止。授業には多大な支障がでるけど、地味に一番キツイのが寮の部屋に入る時。
みんなが手を翳し魔力識別で鍵を解除していく中、首から提げた鉄の鍵を鍵穴に差し「ガチャ」と開ける姿は滑稽だ。
ルールに従う良い子の1年生は、魔法を使わない微妙な嫌がらせになったけど、私が何かする前にいつも助けが入った。
足を踏まれれば、「治癒ができればすぐ痛みを取り除けるのにゴメンね~」とリオンが無力を嘆きつつ牽制し、足を引っ掛けられればガランが抱き止め「大丈夫か」と心配そうに見つめてくる。
嫌みが聞こえてくると、「わたしが君を選んでしまったばかりに悲しい思いをさせてすまない。でも君(の召喚獣ぴーちゃん)が必要なんだ。(癒しと体調管理の為にも)全力で護るから離れないで」とか嬉しいことを言ってくれてるけど、バルトは護ってる?煽ってるの間違いじゃ。
魔獣討伐計画は早々に立て終わった。3人があまりにも優秀なので、攻防バランスよくなんて考えるまでもない。
それでも今回は生徒だけの初訓練なので、もっとも安全な策にした。
■敵に遭遇したらバルトとガランが攻撃、私とリオンは結界で待機
■数が多ければ、ぴーちゃんの歌声で無力化し一気に殲滅
■強敵が出現した時はぴーちゃんに乗ってすぐさま逃走~
明日はいよいよ魔物討伐演習日。
逆ハーレム生活も残り一日と半日。さぁーてお昼ごっはん。
[本日のメニュー:鳥の香草焼、香草スープ、香草プリン]
何コレ。
謎は食堂の人に聞いたらすぐ解決しました。
犯人は…
ぴーちゃん、あなただ!!!
犯人はまず浄化の歌で香草の不純物を取り除いた。そこへ清らかになった水、清らかになった土の栄養分をギューンと吸い上げ一気に成長したのだ。
謎は解決したけどこれは迷宮入りね。
勘のいい3人もそっと口を閉じた。
しかし、その後の香草ランチで不穏な出来事があった。
私が美味しく食べていると何やら視線を感じる。
デザートの香草プリンも食べ終わり、香草茶…いや、ハーブティーを飲んでいると、二人の女子生徒が戸惑いながらやって来た。
「あの、具合が悪い、など、何かありませんか?」
―――えぇ、特に何も。珍しいメニューでしたが不思議とどれも美味しいですね。
女子生徒達は、本当に珍しいですわねと言いながら去っていった。
演技ヘタねぇ。毒盛ったってバレバレよ。
3人も気付いたのだろう。ハーブティーを苦い顔で飲んでいる。うん?ホントに苦い?
それより不特定多数の生徒が利用する学食で毒を盛るとは、大胆で危険な行為だわ。たとえうまく渡せても、少しこぼしでもしたら紳士な3人なら交換してくれるでしょう。
今回は毒なし毒草で助かったし、親切にも犯人がわざわざ自首してきたので疑わしい食堂関係者と女子生徒の事は、一旦保留となった。
ぴーちゃんがいれば問題ないし、明日の訓練に備え夕飯は部屋で取ることにした。
翌日、討伐日和の爽やかな朝を迎えた。
不参加にしたかったようですけど、昨日の香草+毒草が全身を巡りすこぶる体調が良いので元気に参加します。
訓練場所はAランクの魔獣が棲息する森の中。
深く潜れば潜るほど危険な魔獣が棲息する所で初訓練。
過酷なようだが、3年間で即戦力になるよう育てなければならない学園側からすれば、優しい訓練などありえない。
生きるか死ぬか、その危機感と恐怖を教え、今後の進退を決める指針を示すのも担っている。
なのでチームに1人引率が付くなんて中等のような手厚い保護はない。
4人で助け合い魔獣を倒し、その数と魔獣のランクで競うのだ。
危険な森ではあるが、高ランク魔獣の棲みかは本当に奥深くなので、数時間で辿り着ける所にはいない、と言われている。
けっしてフラグではない。
魔獣の好む悪意に満ちた場所から離れると弱るので、強い魔獣は濃度の濃い所に居続けるのだ。
なので私達はC下位~Eランクの討伐を目指している。
C上位ランクも単体なら頑張ればいけると思うがBランクはすぐ撤退だ。全速力で逃げないと死ぬ。
Aランクが出てしまったら、結界がもてば魔法騎士団の到着を待つしか助かる見込みはない。
遊びではないのだ。幼稚な嫉妬で毒草を盛るなど、チームを危険にさらす行為を理解できない愚か者は、この討伐で消えるだろう。
Eランクは小型が多く、たいてい群れで襲ってくるので、バルトが炎以外の広範囲魔法で一気に殲滅している。
Dランクは速さもある狼型が多いので、ガランが物理攻撃で倒しバルトも防御しつつ確実に仕留めている。
私とリオンは結界内で待機。何もしないのが正解なのです。
「Cランクいないね~」
ガランが倒した魔獣から素材として使える部分を切り取り、空間魔法へ入れるのを眺めながら、リオンが呟いた。
「まだ森に入ってそんなにたっていませんから、これからでしょう」
―――バルトの言うとおりですが、いきなり高ランクが現れても困るので、余計な事は言わず今まで通りにいきましょう。
と言ったそばからランクBに近いCランク魔獣が出現した。
【珍しいカラフル茸が現れた。敵は威嚇している】
この魔獣は単体で出現し、攻撃を受けると色とりどりの茸に延々と分裂する。
―――やがてカラフルな茸の花畑になり、目にも鮮やかな光景が広がる頃にはこの世にいないでしょうね。
他にも色に合わせた色々な胞子攻撃をしかけてくる。麻痺、幻覚、睡眠etc...
攻撃すると分裂し終わりの見えない敵なので、Bランクに近いといわれている魔獣なのだ。解説終わり。
倒す方法はただ1つ、一気に高温で焼ききる。
棲息地域である森の中で炎を出すのは、森林火災の危険性と他の高ランク魔獣を刺激する可能性がある為、出来れば撤退が望ましい。素材も取れないし。
攻撃される前に逃げきれば、それ以上襲ってくる事はない。なぜ逃げなかったのか、それはただの茶色キノコだったので反応が遅れただけ。
経験不足であるのは否めない。言い訳もしないけど一つ言わせて。資料には、単体で出くわす色として赤、青、緑など鮮やかな色しかなかったわよ。茶色?添付の花畑状態に混じってあったかもね。
胞子が届く前にリオンの張った結界で助かったが、攻撃胞子が漂っているので迂闊に出られない。
そうしている間にも、カラフル茸は結界に体当たりし分裂を繰り返している。
―――ちょっと君達、やめなさい。もう赤青黄緑紫茶白ピンク水色きみどりオレンジと揃ったから。それ以上増えても色被りするだけだから。
あぁ、景色が色んな胞子の色に染まってきた。地面もカラフルな茸畑になりつつある。
他チームが近づいたら大変危険な状態になってしまったので、作戦その2、ぴーちゃんに歌ってもらいましょう。
まずは浄化し、戦意喪失している間にリオンが器用に逆結界でカラフル茸と胞子をまるっと包んで凝集し、結界を解いた瞬間バルトとガランの合体火炎魔法で攻撃、すかさずリオンが結界で閉じ込め炎の広がりを防ぎ他に被害が出ないようにした。
素晴らしい連携を、私は傍で眺めていた。合体火炎魔法って赤色じゃなく青色をしていたわ、すごーい。
魔獣を倒した後、珍しい魔獣は報告義務があるのと3人の魔力消費が激しかったので、ぴーちゃんに乗り一同帰還した。
教師からは、何色まで出たのか、胞子は吸い込んでいないか、どうやって倒したのかを聞かれた。
ほぼほぼ全種類出たと言ったら、花畑みたいだっただろと言われた。
えぇ、思わずあの感動の場面を再現してさしあげたいくらいにキレイでしたわ、茸畑
他の生徒達も帰還してきたが、1チームだけ戻ってないので教師達が捜索に向かった。
例の女子生徒がいるチームである。
私達は待機場所の広場で、他チームと討伐した魔獣について話したり、素材の見せあいっこをしていた。
空間魔法の使い手がいないと持って歩くしかないのに、全部の牙と皮を採取していたのには畏れ入った。
しばらくして教師が戻ってきたが、その場で解散となり見つかったチームの安否は知らされないままだった。
次の日は、討伐したランク、数、素材の質で成績が出た。
Bに近いCランクの魔獣を倒した私達のチームがトップで、次点は全ての素材を手で持ち帰ったあのチームだ。
女子生徒のいたチームは全員欠席しているらしいが、教室が違うので担任は何も言わない。もしくは言えないか。
そして知らないまま退学していた。
女子生徒達以外のチームメンバーは在籍しているが、怪我がひどく休学しているそう。
やがて復学した生徒は、学園から黙秘するよう言われていたのだろうが、傷の残る身体を見ているうちに耐えられなくなったのだろう。
女子二人の愚かな行動により連携がとれず魔獣に襲われたと話した。
あの人達は懲りずに、また毒草に手をだした。
愚か者は自ら破滅を招き入れ消えていった。
真相は単純で、魔獣のいる森の毒草なら効くのではないかと考えたのだろう。
――えっと、先に訂正させて。毒草はどれでも効くから。
殺傷力はないが、一週間程のたうちまわる痛みが続く毒草を探していた。
――えぇっと、もう一回先に訂正させて。死ぬから、普通に痛みで死ぬから
そして何と貴重な空間魔法の使い手であった女子生徒の一人が、切り傷の手当てに薬草を取り出したけれども、まさかの毒草と間違えた。形状が似ていたというが、これが仲間を危機に陥れた。
もう一人の女子生徒も、たかが切り傷、訓練後に治せばいいのに薬草もとい毒草を手にした。
そこからは痛みで悲鳴をあげながらのたうちまわり、その騒ぎで魔獣が集まりだした。残された二人は必死に戦うが、防御、回復メインの二人が戦闘不能で役にたたず、手持ちの回復薬でなんとか凌いでいたが、Cランクの双頭ヘビが複数出現し、瀕死の状態になったところで教師の助けが来た。
毒草で苦しんでいた二人は、双頭ヘビの噛み千切る攻撃を受け続け、治癒はしたが心が壊れてしまい、実家で療養することになった。
残酷な結末になったけれど、嫉妬と安易なミスで仲間を陥れるような人間はこれから一緒に戦うに値しない。
早々に退場してもらってよかったわ。
食堂の件は直接学園長に報告した。何人か入れ替わっていたので内々に対処したのだろう。
将来有望な3人+1人とはいえ、証拠もなく状況説明だけで訴えたのに、曖昧にせず対応してくれた。
問題が解決した後も変わりなく、討伐訓練のたびに別の生徒とチームを組み、様々な状況での生き残る試練を学んだ。
私も優秀だったのだろう。
学年が変わっても私達4人は同じクラスになり、度々チームを組んでは優秀な成績を修めた。けっして楽はしてません。他のチームの時はぴーちゃんが頑張ってくれるもの。
卒業後、ガランは魔法騎士団に所属した。魔法剣士として討伐に参加できるようになるのはもう少し先になりそう。前衛なので剣技を磨かなくてはどうにもならない。ただし魔法の威力はあがったようでを以前は赤色だった炎の色が白色になっていた。目指せ青色。
バルトも魔法騎士団に所属しているが、すでに討伐隊として活躍している。攻撃・防御が出来るのは、思ってた以上に戦闘に有利みたいだ。
リオンは私と一緒に旅をしている。
温泉や観光目的の遊びではありません。仕事です。
各地に溜まった、魔獣が好む温床を浄化する為、ぴーちゃんに乗って国中を飛び回っている。
たまに他国の要請で赴く事もあるけど、ぴーちゃんがどれほど速く飛んでも、結界で守られた私達は抵抗を感じることなく安心安全に飛行できます。
今さらの発表だけど、ぴーちゃんの召喚獣ランクは最高ランクの【S】
ぴーちゃんが牽制するから、他の召喚獣が出てこれない。
気に入ってくれたのね、私の頭。
なのでどんな魔獣でも浄化し敵意喪失まで出来るのよ。
そんな凄い召喚獣を召喚してしまったので、国にこき使われる人生と諦めていた私をリオンが助けてくれた。
魔法騎士団の後方支援部隊に配属されたリオンは、女神の微笑みを活かし騎士団だけでなく国の重鎮も落としていたようで一つの提案を国に出した。
私とリオンとぴーちゃんは家族になった。
けれどプロポーズを聞いてガッカリした。
【国内の浄化を効率よく進める為に必要なのは移動時の負担ゼロが条件、また途中で放棄させない為にも国の信頼がある自分と夫婦になることで管理する】って事になったから永遠に一緒だね~という内容だった。
私、愛のない結婚をさせられたのかしら?
包み隠さず言うと、仲良く仕事という名の国内旅行を満喫しているわ。浄化もしているけど、温泉のある町はついつい逗留してしまうのよ。
泥温泉、いいわ~。肌がとゅるんとゅるんになるの。
美味しいものを食べて次の町へ。途中、魔獣が好みそうな場所を見つけると寄り道しているので、しっかり働いている。と思う。
国外に派遣される時は、寄り道せず最速で行って最速で帰ってきている。余計な問題を増やすつもりはありません。
女神やら神の鳥とか言われてるけど、私の旦那様と小鳥のぴーちゃんです。
思えば、リオンとは初めてチームを組んでからずっと同じチームだった。バルトやガランは別チームが多かったけれど、私はいつも安心安全リオン結界で護られていた。
もしかして物理的に囲われていた?
愛のない結婚?
いやいや、国を巻き込んだ愛のある結婚です。