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Hero or Satan?

作者: 春野夜風

久しぶりの投稿です。

書くのも久しぶりです。

どうでもいいけど、

横文字タイトル初めてだ。


「これで…何人目だろうか…」


 薄暗い部屋にたどり着いた彼は心身ともにボロボロで、その瞳は活きた人間の目ではなかった。


「やぁ勇者。そろそろ来るころだと思ってパーティーの用意をしていたんだ。もう直ぐ終わるから少し待っててくれるかい?」


 彼を勇者と呼んだ男が部屋の奥から現れる。


「なぁ、魔王。教えてくれ…。俺はいつまでこんなことを続ければいいんだ?」


 魔王と勇者。相対する立場の二人が出会っても何も起こらない。剣を交えるわけでも、魔法が飛び交うわけでもなく。ただそこにいるだけ。


「他の世界の魔王と戦い続けて精神をすり減らしたのか。可哀想に」


 一つの世界で魔王を倒しても別の世界で新たな魔王が現れ、その魔王を追い、生きるか死ぬかの戦いを繰り返す。昔はいた仲間も数多くの魔王との戦いで一人、また一人といなくなり、今では独りで世界を救う旅を続けている。これが多くの勇者がたどる運命。信念は折れ、心は壊れる。

 最期は死ぬか、それとも、


「新しい魔王になるか」


 壊れた心で強い力に触れるとその力に呑まれ、破壊と破滅を求める魔王になる。


「私の仲間になれば世界の半分をお前にやろう。と、そんなことを言った魔王が昔いた。その魔王は世界の破壊を望んだのではなく、統治を望んだ。しかし、自分一人では広い世界を統治することはできなかった。だから強い力と心を持った者の協力が必要だったんだ。だから彼は言ったんだ“仲間になれば”と。さらに言うと、その魔王は独りの時間。つまり孤独に耐えられなくなったと聞く。同じ時間を共にする仲間が欲しかったんだ」


 だから彼は言った。配下ではなく、仲間と。


「もし、僕がそんな魔王なら君は僕の仲間になるかい?」


 孤独を抱えた魔王と、


「そうだな。それはいい案だ。魔王が絶対悪じゃないというなら是非そうしたい」


 孤独に追い込まれる運命にあった勇者が孤独な魔王と出会ったのは偶然か、必然か。


「俺はお前の言うような強い力を持っているだろう。だけど、強い心はとうの昔に無くしてしまった。だから、」


 勇者は苦しげに剣を構える。勇者と魔王。世界で一番高いところに上り詰め、同じ孤独を抱える唯一の存在に近づくことが叶わない。それはとても苦しいことだろう。希望を自ら切り捨てるのは凄く辛い筈だから。


「もう終わらせよう…。孤独を」


 終わる孤独は一つか。

 それとも…






to be continued?


彼らの物語は続くのか。

終わるのか。


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― 新着の感想 ―
[一言] もうひとオチほしいです。とても好きな内容でした。魔王は悪なのに、それに力尽きて屈服する勇者の挫折の物語なのか。それとも、魔王が悪でなかったことを理解する勇者の悟りの物語なのかが、はっきりせず…
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