6、帰還
異世界三日目──
今日は異世界二日目のような憂鬱な目覚めではない。地球に帰れるかもしれないという希望に満ちた目覚めだった。
まずは、宿の井戸で顔を洗い部屋に戻った。
よし!瞬間移動で地球に帰るにあたって起こりうる可能性を考えておこう。想定外のことで焦らぬように!
1、色んな理由で地球には瞬間移動できない説
条件やマナ関係的にありえる。
2、地球まで瞬間移動できても死んでしまう説
海水魚(淡水魚)が淡水(海水)で生きられないようにマナが存在するような異世界で創られた体が地球の環境に耐えられないかもしれない。
3、地球まで帰れるがマナがない世界のため【収納】スキルに入れてた槍や岩が出てきてしまい怪我をする説
ありえる。槍や岩は捨てとこう。短剣はポケットに入れて、刀は……まあ、鞘あるしそのまま収納に入れといていいか
4、地球まで無事に帰れるが「死んだ人が蘇った!」と大騒ぎになる説。
これは、確実に起こるよな……。
異世界の事とか信じてもらうために証拠として魔石とかをしっかり持って帰ろう!
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帰還準備オッケー!…………というか、色んな説を考えているうちに死んでしまう説まででてきたなー……
…まぁ、悩んでも仕方ない、もう一度死んでるんだし
俺は帰る!!!
俺は決意してイメージ強く唱えた!
「「地球の日本にある俺の部屋へ瞬間移動!!!!」」
ヒュンッ
そうして俺はその場から消えた───────
…………パリーーン
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シュンッ
俺は恐る恐る目を開けた。
そこに映るは懐かしさを覚える現代の部屋。
たった二日ほど前の事なのに懐かしくてしょうがなかった。
俺は地球に帰ってこれたのだ。
「や……やった!!日本だ!俺の部屋だ!俺はついに帰って……うっ!……やば……」
喜びにうちふるえた瞬間、異様なほどの目眩と頭痛が俺を襲った。
《地球まで瞬間移動できても死んでしまう説》
あの説が頭をよぎる
「……くそっ!……こ…こまでき…て…」
俺はそれを最後に倒れてしまった───────────