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地球ダンジョン  作者: 涼夜
23/39

23、赤井涼夜


俺の名前は赤井涼夜18歳。

カキ工に通う普通の男子高校生


趣味はボーリングとゲーセン巡り。

部活は一応、美術部に所属しているが三年間ほとんど行ってない。元々、活動してなくても怒られないような緩い部活だったから入部しただけだしな。

俺は部活なんてするつもりはなかった。バイトをしたかったからな。

カキ工はバイト禁止だが俺は隠れてバイトしていたのだ。

親がお小遣いも資格取得に必要なお金もくれることがほとんどなかったので自分で稼ぐしかなかったのだ。




俺は母親と二人で暮らしていた。

俺は母親が嫌いだった。

俺が小さい頃、母親は俺をよく虐待していたからだ。

首を締めたり、蹴ったり殴ったり、持ち上げられ落とされたり……


だが小学一年に上がる頃には俺も反抗しだし、虐待は少なくなったが親とよくケンカすることが多くなった。


そんな親に育てられてたからだろう俺は小学生時代はとてもやんちゃなやつだった。


その時は俺も愚かだった。


クラスの皆を先導して新任の担任をバカにして学級崩壊を引き起したり、上級生とはよくケンカするし、小学時代だけで3人に2、3針縫わす怪我をさせたりしてしまってた。


その度に母親が学校に呼び出され一緒に謝った。


そして気づいた─

俺が他人にしていることは俺が今まで母親からされて嫌だったことではないのか……──と……


その瞬間、俺は自分自身がとても恥ずかしくなった。


俺はそれから、今までの自己中さを改め、思いやりのある人間になろうと心がけた。


そのかいあり、中学に入学する頃には落ちついた性格になっていた。だが、同時に小学生の頃にはあった何事も楽しく感じてしまう感情が無くなっていた……


─────────



俺は正直言って家族関係以外は恵まれていた方だと思う。


別に努力してるわけでもないのに

小学生の頃から50m走はいつもクラスで1番か2番目

マラソン大会ではトップ10はあたり前だった。


美術の授業では普段から絵をかいたりしているわけでもないのにいつもクラスで一番上手くできる。

また、技術の授業も人一番手先が器用で上手くできる。


テストでは普段ろくに授業を聞いてないのにテスト前日にテスト勉強ちょっと頑張るだけで90点は軽く取れていた。


そして、容姿もいいのでかなりモテていた。


だが、今まで何度告白されても付き合う気にはなれなかった。

小学生の頃に俺をめぐっての女子同士のケンカや、たいして接点のなかった男子からの僻みを経験していたからだ。


本当にモテるやつはたいへんだ……


だが、中学の時に同じ陸上部にいた黄瀬と明良の仲を取り持ったことで二人の交際が始まった。それに感化されたのだろう。

俺はその頃誰かと交際をしてみたいと思うようになっていた。


そんな時、俺は白川恵(しらかわめぐみ)という女子に告白された。

いつもなら断っているのだがその時は交際というのをしてみたかったので俺はその告白を受け入れ付き合うこととなった。

白川恵はかわいらしく、性格もいいみたいだったからな。


付き合うことになってみたはいいが交際とは最初どんなことをするのかわからなかった。

明良と黄瀬はすぐにラブラブな感じになったから参考にならなかった。

一応、下の名前で呼びあったり、メールを毎日したり、映画とかショッピングにデートに行ったりして彼氏っぽいことはしてはいたのだが……


交際開始から2ヶ月程たった頃、彼女から別れを告げられた。


「涼君、私のこと好きじゃないんでしょ!ごめんね付き合わせてしまって……」

そう言って彼女は泣きながら走って去ってしまった。


確かに、俺は交際に憧れてただけで、彼女のことをしっかり見ていなかったのかもしれない……

現に俺は泣きながら走り去っていく彼女を止めることもしなかった……


告白された時、"付き合っているうちに好きになっていくだろう"そんな中途半端な気持ちで受けてしまった結果がこれだ……


彼女に悪いことをしてしまった……


俺はとても後悔し、"もう次は中途半端な気持ちで付き合うのはやめよう!付き合うなら本気で恋をしよう!"そう決意した。



────────────



俺は中学を卒業しこの賀喜九軒工業高校に入学した。

カキ工は家から近く、俺の得意な物作りができる学校、そして何より就職率がいい。


俺は大学へ進学するつもりはない、勉強はしたくないし、お金がかかるし、さっさと家を出て行きたかったからな。



カキ工には色んな大手企業から求人がくる。

だから俺は少しでもいい企業へ行けるように頑張った。

テスト勉強も頑張り評定を高く保ち、資格検定を多く取得し、技能オリンピックに出場したりなど履歴書に書ける事にはかなり頑張ってきた。


そのかいあり、俺は3年の9月下旬、学校の求人数1枠の自動車会社生産職へ内定が決まった。


本当に嬉しかった。

もし落ちてたらまためんどくさい就活が始まってたからな……


内定が決まりひとまず一安心と思った次の日──


俺は死んだ。



そして、神様からスキルもらって異世界で生き返ったり地球に戻ってきたり、それで地球がダンジョンとなったりと色々あって現在に至る。

────────




俺は小学生の頃に色々あって変わってからからあまり楽しいと感じる事がなくなっていたのだが、こんな世界になって楽しいと感じることが一つできた。


明良、夏子、黄瀬と一緒に遠征に行ったりすることだ。


だが、この気を許したこいつらでも、俺が本当のことを打ち合けたら"こんな世界にした張本人がなんで普通に楽しんでんだよ!"とか思われるかもしれない。

だから、俺は絶対にこのことを伝えるつもりはない。


─────


そして俺はもう一つ、気づいたことがある。


それは俺が夏子のことを気になりはじめていることだ。


ふとした瞬間に夏子に目が行ってしまっていたり、夜に夏子のことが頭に浮かんで寝れなくなってたりする。

そして、偽の恋人関係になってからより意識してしまうようになった……


これが恋というやつなのだろうか?


確かに夏子は可愛い顔しているし、性格もよく、しっかり者ではあるが……


どうなのだろう?

俺自身のことなのにこの感情がわからない。


ただの憧れの感情とかか?

それともカキ工に来てからあまり女子との接点がなかったから変に勘違いしてるだけかもしれない


まぁ、どっちにしろ俺は夏子を特別に思っていることに変わりはない。


これが本当に恋だとわかったとしたら……俺はどうするのだろうか……


白川恵の件があって恋愛には少し抵抗があるが……

俺は告白してみたりするのだろうか……


………………


何考えてんだろ俺……


そもそも告白しても断られるってことぐらい想像つく。


だって夏子はあんなだから、かなりモテてきたのだろうが色恋の噂はなかったみたいだ。

つまり、かなり理想が高いか、高校生の時期は付き合う気がないとか男に興味がないとかの理由のどれかだろう。


それにフラれた後、絶対気まずくなるしな……


………………


あーもうまた夏子のこと考えてばっかいる!

もういい、夏子はただのパーティメンバーそれだけ!

それでいい!


───


そう無理やり決めつけて布団に深く潜りこみ今日も夜おそくに眠りにつくのだった


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