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地球ダンジョン  作者: 涼夜
10/39

10、明良

明良に合いにいこう


この世界で生き残る為に物資確保が最優先だろうが、まずは幼稚園からの大親友である明良と合流したい。


明良は学校に居るはずだ


異世界から俺の部屋に瞬間移動してから気を失う前、確か窓の外の陰り具合的に12時ぐらいだった。

そして1日ぐらい気を失ってたとしても今日が金曜日だから……魔物が出現した時に明良は学校にいたはずだ。

俺が地球に帰ってすぐ魔物が現れたと仮定した場合だが。


そしてあの学校は平地にあるが丈夫で高いフェンスができたばかりだし校門や入口にしっかりバリケードを作ってその中で生き残っているかもしれない。



学校まではだいたい1㎞だ。


学校までは歩いて行こう


できるだけ町の現状を知りたいし出現している魔物も把握しておきたい。

それに瞬間移動は極力人に見られたくないし……



俺は私服の上に薄いフード付きコートを着てマンションの駐車場に瞬間移動した。



「う゛っ!」


駐車場に着いた瞬間軽い目眩がした。


だが、すぐ持ち直し当たりを確認しながら物陰に【潜伏】した。


やっぱり瞬間移動を使うと浮遊感でたまに酔ったり目眩がするな……気をつけよう。



駐車場──


物陰から見る限り30m程先にゾンビ二匹

5m先にゴブリン一匹

目の前にスライム一匹といったところだ


奥のゾンビと目の前のスライムは無視するとして、手前のゴブリンは倒しておこう。


俺は車の死角に潜伏しながらゴブリンへと近づき背後から素早く喉を切り裂いた。


手慣れたものだ……


そして駐輪場にある自転車1台を収納した。

車やバイクを収納するのは止めた。乗り方しらないし、鍵ないし、今は収納量がもったいないからな。


そして俺は極力魔物との戦闘を避けながら学校への道のりを進んだ。


その道中では見る物全て悲惨だった。

道路には普通に人の死体が転がっているし、どの住宅も窓から魔物が侵入されたような痕跡が残り人の気配はなく死臭がただよっていた……



そんなこんなで進んでいると学校帰りにたまに寄っていたコンビニが見えてきた。


コンビニの商品も収納しておこうと思いこっそりコンビニ内を覗きこんだ。



だが、そううまくいかないようだ


中に魔物が二匹いる。

しかも今まで見たことのない柴犬程の大きさのでっかい蜘蛛の魔物だ。

コンビニ内はそいつらが出したであろう蜘蛛の糸で人の死体が吊るされている。


ホラーすぎないか?


ともかく、初めての魔物だし、退治してみるか。

試したいこともあるし……


そう思い、俺はコンビニの裏に潜伏してあるスキルの実験を試みた。


火魔法だ


──────

火魔法SLv5

→MPを消費し、手から半径50cm内に自在に火を出せる

──────


まず俺は普通に火魔法を出してみる。


ボゥッボーーー


かざした手から火は半径50cmの扇状にメラメラ広がりまるで火炎放射のようになった。

だが、俺自身は火傷どころか熱さも感じない。



普通の状態がわかったところで早速試してみよう。


俺は学校の実習で習ったガス溶接をイメージした。

まずは扇状の炎を一本の線のように一点に絞る。

それからの高圧酸素を送り出すイメージ……


シューーーーー


炎は一本の目映い青白い棒状となった。


よし!成功だ!


俺は手のひらからではなく剣を握るような感じに変えて近くに落ちていたスチール缶に向けて炎の棒を突き刺した

すると、一瞬でスチールは溶け炎が貫いた。



想像以上に凄い……ライトセーバーのようだ

これは使える!【火剣】と名付けよう。



新しい攻撃手段を手に入れたことだしさっそくあのデカイ蜘蛛で試しうちしてみよう


俺は意気揚々とコンビニの前に戻った。


まずは、コンビニの外に誘き出そう。屋内だと機動力的に蜘蛛が有利で【火剣】も使いにくい。


俺はコンビニの入り口に向かって空き缶を投げ入れ少し距離を取った。

どうやらこちらに気づいてくれたようだ。デカ蜘蛛が二匹コンビニ内からわざわざ出てこちらに向かってくる。

すると、一匹のデカ蜘蛛が物凄く俊敏な動きで俺に近づき物凄い跳躍力で俺の顔めがけて牙をむき出しにしながら飛びかかった──そして後に続くようにもう一匹が糸の束を俺に噴射してきた──

が、俺は顔の前に右手を構え【火剣】を放ち飛びかかったデカ蜘蛛の頭を溶かし貫いた──と同時に左手から火炎放射を放ち飛んでくる糸の束の威力を打ち消し炎で怯んだもう一匹の蜘蛛に火剣を突き刺した……


【レベルがあがりました】


「ふぅ……以外に使えるな【火魔法】」


最初はショボいと言ったが前言撤回だ


それにしても以外とデカ蜘蛛は厄介だ。

あの俊敏さ、跳躍力、糸攻撃……

コンビニ内で戦ってたらヤバかったかもしれない…


そんな事を考えながら魔石とコンビニの商品を在庫に至るまで回収し学校への道を急いだ。


──────


そして学校まであと約200mという所にさしかかった時───


キィン

「オラっ!」

どごっ!


すぐそばから声が聞こえてきた。


人の声だ!魔物と戦っているのか!?


生きてる人とようやく会える!と嬉しくなり声のする方へ向かった。


そして曲がり角を曲がった所でバットや釘付き木材を持った学生5人とその横に倒れた二体のゴブリンの姿が目に入った。


制服を見るににうちの生徒だろう…

ゴブリンと戦ってたみたいだ


すると、あちらも俺の存在に気づき、一人の生徒が駆け寄ってきた。


「おーい!大丈夫ですかー!」


魔物が寄ってこないようかすれたような小声で呼びかけながら駆け寄るその生徒はまさに俺が会いたかった明良だった


「──学校が避難所になってるので案内しま………」


どうやら明良も俺に気づいたようだ。


「ようっ……明良!元気だったか?」


俺は冗談混じりに言った。


「……涼夜……え……なんで……」


明良はかなり混乱しているようだ


すると

「緑川先輩。どうしたんですか~」と

残り4人の生徒がこちらに向かってきた。


「涼夜……お前は死んだはずじゃ……お化け?……ゾンビ……?」


明良が混乱しながら言った。


「えっ、魔物!」「まじで!」「えっ?涼夜って事故って死んだ生徒の名前だよな!?」


後輩らしき4人の生徒にも動揺が伝わり俺に向かってバットを構えだした。


ヤバい!


「おいおいおい待て!俺は魔物じゃない!ほら生きてる人間だろ?」


「涼夜が生きてるはずない!誰かがスキルで変装してるのか!涼夜は俺の目の前でトラックに……」


明良は怒りながら涙を堪えていた。


まぁ、こうなることはわかっていた。

だから、しっかり対策は考えている。


「そう!俺は確かに死んだ!だが、病院の安置所で医者が俺に【蘇生】と【治癒】スキルを使ったらしく生き返ったんだっ!」


明良に嘘をつくのは心苦しいが、この状況では簡潔にそれっぽいこと言っとかないとヤバいからな

作り話としてはありだろう。

明良達もスキルの存在を認知してるようだし

どうせ俺の葬式とかしてないだろうし。


「……そんなことが……本当に涼夜なのか?」


おっ!手応えあり


「だから俺だって。幼稚園からの仲だろ!」


「じゃあ、質問だ!俺とお前が通った幼稚園の名前と幼稚園の頃に交わした俺と涼夜しかしらない合言葉を言え!」


簡単だ。だって俺本人だもの。


「ヤーユー幼稚園で、合言葉は《死んでも友達》だ!」


明良は涙を静かに落とした。


「……お帰り!涼夜」


「あぁ、ただいま」


俺達は強い握手をした。



といった流れがあった後

「詳しいことは学校で話す」と言われ、俺と明良、それと後輩4人は学校へと向かった。





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