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冒頭らしきもの
鳥追い姿が多く編成された編み方衆である先の連が気を集め練ることで防護壁代わりの大きなかごを編み上げていくのを観て「いっつもええ仕事しよるなあ」と感嘆の声が出てしまった。寒客のいる雑踏の中での独り言なので、自分の独り言によもや反応があるはずもない。
しかし「大きなドンブリがうかんどぉなあ」と返してくる男の声に振り向くと、緑のメガネ豚が立っていた。『ぎょっ』と擬音を入れたくなるのをこらえる。胸に郷土キャラクターに似たイラストが描かれている緑のTシャツをきた小太りの男だった。
厄玉と防壁の双方が見えているらしく、変に警戒心を露わに出してここから離れて誰彼ともなく厄玉とカゴを見えないかと言い回られるのはまずいと感じた。見えない者には相手にされないだろうが、まれに見える者に当たった場合、このまま騒ぎ出されないか警戒する。寄せ方に任せるのも容易だが、ここは、場に気を向けさせておくことが安全かもしれない。
編み方の連が場を去り次の連が場の中央によってきた。「大将、これからウチの連の番なんでよ」めいっぱいの親しみを表現しながら言ってみる。だが「はーそうですか」と気のこもらない返事が返ってきた。ウチの連は撃ち方で、男ばかりの編成だからのようだ。




