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プロローグ
なんとなく、なんにもしたくなかった高2の夏。
周りのクラスメイトは部活に恋に大忙し。
そう、これが一般的にいう青春ってやつだろう。
そんなあたしは、どこか冷めた目でこの青春とやらを見ていた。
だって恋だの仲間だの、なんだかとってもメンドクサイ。
そして、こんなあたしがクラスでは少し浮いた存在であることもわかってた。
でも、それがあたしにはちょうどよかった。
このまま、なんも変わらず高校生活を送っていくと、そう思ってた。
あの日までは。
突然あたしの前に現れた、1人の姫とその護衛。
あたしの人生、生き方を大きく変えることになるこの出会い。
全てが終わった今、この出会いが夢じゃなかったってことを残そうと思う。
あんなに自分が熱くなれること、
そして
あんなに人を愛せるということを。